| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

神様が親切すぎて夜に眠れない

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
次ページ > 目次
 

八話→玄人とエ・ランテル③

 
前書き
あらかじめ前話で書いておりますが、盗賊頭目二人(♀)は、とある別の作品と顔だけ良く似た別人です。 

 
取り巻きを叩きのめされた二人の判断は迅速だった。

下位の自己強化呪文を唱え、すぐさまきびすを返す。

ここで勝負に拘泥せず、すぐさま『逃げ』をうてるのは、ある意味見事ですらあった。

彼が、本当に『一人』で来ていれば。

ドン!という重い音と共に、『ソレ』は、目の前に降り立った。

大きな体躯、長い翼、獰猛な猛禽の顔。

かつての世界の伝承でいう、『ロック鳥』に似た姿のこの鳥。

この鳥はユグドラシルプレイヤーには、正式名称より『格下殺し』という異名が知れわたる、拠点での作成が可能なNPCである。

レベルは『50』とプレイヤーにとっては低いものの、この鳥が有名なのは訳がある。

この鳥、擬似的な『レベルチェッカー』なのだ。

具体的に言うなら、この鳥は習性として自己のレベル『50』以上の敵には襲いかからず、ソレ以下の敵に襲いかかるというものを持っており、よくチーム戦などでは、この鳥を先行させる→低レベルのNPCに囲まれたプレイヤーの位置を判別し超位魔法を撃つというコンボが成立していた鳥なのである。

…………習性がセコい&ズルいとか口にしてはいけない。

まあ、『イジメトリ(本名)』とか攻略ウィキでは煽られて書かれていたが、凄く使える鳥なのだ、こいつは。

二人の顔が、苦悶に歪む。

まあ、体長5メートルの鳥に威嚇されれば、そりゃ、ビビるわな。

冷静に考えて、彼女達の行動は良く理解出来たが、捕まえたいこちらとしては、このまま逃がす訳にもいかない。

悲鳴をあげられる前に、ロック鳥に指示を出す。

それを受け、鳥は口を大きく開いて、『その魔法』を発動した。

『スリープ』

二人の足元が、グラリ、とふらつく。

相手のレベルにより、発動率が変わるものの、強力なバッドステータス(眠り)を与える魔法をくらい、彼女達はゆっくりと、眠りに落ちていった…………

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

『黒い』少女のお話

彼女が気づけば、そこは牢獄だった。

ゴツゴツした石畳に、鉄製らしき『白い』格子。

丁寧に両手親指は、金属製のナニかで固定してあった。

けれども、彼女は全く動じてなかった。

『逃げるあて』があったから、である。

彼女ともう一人、一緒に来た姉妹は在野の盗賊では珍しい、マジックキャスターである。

詳細は省くが、彼女達は魔道士同士の協会のようなものから追放されたとある魔道士の元で鍛練を行い、元は農民の村娘なれど、魔法が使える。

そのため、自分達の組織…………王国からの重税のため、食い詰め者達が集まった自称『義勇軍』でも、中核クラスにいる。

だから、この拘束も直ぐに火の魔力の熱で外せるはず…………

外せない!?

彼女は困惑した。

そう、そもそも『魔力が練れない』

何故か馴染むほど使っていたはずの魔法が、発動しようとすると、雲散霧消するのである。

それが続けて、数十回。

ほどなくして、彼女の頭は先程の楽観的なものとうって変わって、焦りに変わる。

「…………どうしてよ!どうして!」

外せない拘束をガチャガチャいわせながら、誰にむけるでもない文句を口にする彼女の言葉を、外側から聞いてる影一つ。

(ふむ…………モンスターを材料にした拘束は有用か…………)

まるで科学者のようにそう分析しながら、玄人はぽつりとそう呟いた。


 
 

 
後書き
次はエロ書かなきゃ(使命感) 
次ページ > 目次
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧