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機動戦士ガンダム0079外伝 蒼い閃光

作者:繁村錦
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プロローグ

 U・C・0079――
 月の裏側にある地球から最も離れたスペースコロニーサイド3ムンゾは、ジオン公国を名乗り地球連邦政府に独立を宣言。
 同年1月3日7時20分、宣戦を布告し、7時23分、スペースコロニーサイド1、サイド2、サイド4に奇襲攻撃を敢行した。
 ジオン公国突撃機動軍の司令キシリア・ザビ少将麾下の海兵隊は、サイド2ハッチへ侵攻を開始する。
「間もなく作戦宙域に入る。電波官制解除」
「了解」
「ミノフスキー粒子の濃度は……?」
「それほど高くはありません」
「ニール艦長っ、艦隊司令代理のシーマ・ガラハウ少佐より入電っ!」
 通信管制を担当する下士官が、キャプテンシートに腰を下ろすキース・ニール中尉に伝えた。
 ムサイ級軽巡洋艦ゴルゴーンの艦長を務めるアメリカ系男性将校は、小さく頷く。
《各艦へ達する。我がシーマ艦隊はこれより作戦行動に移行する。直ちに任務遂行されたし》
 館内スピーカーからシーマの声が流れた。
 口許にニヤリと笑みを浮かべたあと、キースは手許のマイクを手に取った。
「MS部隊出撃っ!」
《アーデルハイド・フリートハイムっ、ザクⅠ出るっ!》
《ロイド・マニンガムっ、ザクⅠ出るっ!》
《ジン・サナダ……ザ、ザクⅠ……で、出ます》
《イブン・ハッサンっ、ザクⅠ出るっ!》
《エドワード・スミノフ、ザクⅠ出る》
「ニール艦長っ、全機発艦確認」
「艦長より、スカルリーダーへ通達っ。諸君の健闘を祈る」
《スカルリーダー了解っ》
 ゴルゴーンの正面メインパネルに、青いノーマルスーツを着た女性士官アーデルハイド少尉の姿が映った。
 この女性士官は、ジオン公国出身ではなかった。月面に建設された恒久都市グラダナの出身だ。愛称をハイジという。ドイツ系の長身女性である。
 ハイジは、元々軍人ではなく、ジオン公国の軍事産業ジオニック社に籍を置くテストパイロットだったのだ。
 ハイジは手許のスピーカーのスイッチをオンにした。
「スカルワンより各機へ。これより我が隊は作戦行動に移る」
《スカルツー了解》
 ロイドの低い声が聞こえた。
《ス、スカルスリー、りょ了解……》
「ジン。落ち着け」とハイジは日系人軍曹に声を掛けた。
《は、はい……隊長》
《スカルフォー了解》
《スカルファイブ了解した》
 GGガスタンクを背負ったジオン軍MS部隊は、5機編隊でサイド2ハッチの8バンチコロニー、アイランド・イフィッシュへ向かった。その数実に一〇〇機を超えていた。
《シーマより各機へ。アイランド・イフィッシュに取りつけっ!》
 艦隊司令代理シーマ少佐の号令の下、ハイジたちスカル分隊も漆黒の宇宙空間に浮かぶスペースコロニーに取りついた。
 ハイジが駆るザクⅠは、彼女のパーソナルカラーの蒼一色に染められ、その機体が太陽光を浴び一際明るく光り輝いていた。
 
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