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ダンジョンに異世界人が行くのは間違ってますか?

作者:黒ヤギ
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第三話。異世界人のチート能力。

翌朝。俺はヒルデと一緒に食事をとる。いくら大金があるからと言って、いつまでも自堕落していた生活をしていたら金がなくなってしまう。いい加減に働くために俺は身支度をしていた。

「ちょっと外に魔物を狩に行ってくから、ヒルデはここで待つか、暇なら街に出てもいい。小遣いもやろう」
「ご主人様は冒険者の方なのですか?」
「いいや、違うな。俺はファミリア同士の抗争に巻き込まれたくないからな。まあ、だからと言ってサポーターってわけじゃねえ。俺は弱い雑魚モンスターを飼って魔石とか換金している。言わばそうだな…銭ゲバ?言い方を良くしたらフリーの冒険者か?」
「危険ではないのですか?」
「街の近く雑魚だから平気平気」
「そうですか…。でしたら私も連れて行ってくれませんか?荷物持ちくらいにはなれます」
「えっ?なんで危ないよ」
「ご主人様には病気を救ってくれた恩義があります。もしご主人様が死ぬような事があれば、私は再び奴隷に戻るでしょう。再び買われた人が、ご主人様みたいな優しい素晴らしい人とは限りません。ですからご主人様が死んだら私も後を追います」

重い重い。結構好感度高かった。まだ出会って2日3日なのに。普段からクールであまり表情に出さなかったらわからなかった。俺は彼女に思って以上に慕われていた。

でもまあ、いきなり1人させたら不安だしたな。主に彼女に他の男どもが近づかないか。それに低い階層だから大丈夫だろう。話を聞く限り一階層は小動物のような小さい生き物らしいからな。

「わかった。それじゃあ、ヒルデの防具を買ってから外に行こうか」








「凄いですご主人様。たった一撃で倒してしまうとは」
「別にたいした事ない。雑魚モンスターだからな」

本当に俺自身はたいした事ないだよ。武の境地と言うスキルがあるからな。並大抵のモンスターには負けない。本当に転生特典さまさまだよ。

俺はこの世界に来る前にボーナスポイントでいくつかのスキルと魔法を習得した。はっきり言って初めてダンジョンに入った初心者冒険者とは違う。

「さて、次はどっちだ?」
「この方角にいます。距離は100も離れてないと思います」
「本当に凄いな。俺には何もわからないが、獣人族はみんなそうなのか?」

ヒルデは匂いで魔物位置がわかるらしい。小さい頃から狩で鍛えられた嗅覚はすごい者で、物凄い正確な魔物位置を把握できる。オマケに魔物解体もお手のものだ。感謝感謝だ。

「はい。獣人族の中でも特に我々狼は特に鼻が効きます」
「そうか頼りにしている」

そして、少し歩くと本当に魔物がいた。まだ気づいてないので、先制攻撃でヒルデに矢を打ってもらい。俺が突撃してトドメを刺す。コレがお決まりのパターンだ。

「流石だな」
「いえ、私なんかいなくてもご主人様だけで倒せると思います」
「そんなことないさ。ヒルデが魔物足を撃って止めてくれるから倒せる。よくこんな細い的を狙えるな」
「いえ、昔からコレしか使えない能無です」あ
「そうか?見た所剣の心得もあるように見えるが?」
「父に多少なりとも教わりましたが、とてもご披露目できるほどではありません。ですがさすがご主人様です。それを見抜くとは武の慧眼もお持ちのようで」

いえコレもスキルのおかげです。スキルで武の達人になったことにやよ。達人みたいに人の動き方でそう言うのをわかるようになった。

「そうでもないさ。さて、も少し狩りたいな。次の獲物を頼む」
「かしこまり…。ご主人様。大変です」
「どうした?」
「人の匂いと魔物匂いです。香辛料とかも匂う事から、おそらく荷馬車が魔物に襲われてます」
「マジか!?助けないと」
「ダメです!」

おっと!いつも肯定するヒルデが初めて否定した。自分が奴隷と言う自覚があるからいつもはどんな命令でも受け入れていたが、今回は険しい顔をして拒否をしてきた。それほど危険な相手なのだろうか?

「相手はバグ・ベアーです!とても危険です!」

熊か、話では巨体な熊で中層レベルのモンスターで、力と耐久はミノタウロスに劣るがスピードはその比ではない。素早いミノタウロスと思えばいいと言われたが。

中層は最初の死線(ファーストライン)と呼ばれている階層域。ギルドの定めている適正基準はLv.2。

この前バベルの塔でフレイアのファミリアに行った際に門番していた冒険者達が2とか3レベルだったから、アレくらいなら勝てる。

「大丈夫大丈夫。熊なら狩ったことあるから」

嘘である。クマなんて見たことない。元の世界でもテレビこしでしたツキノグマを見たことない。でもまあ、チートスキルがあるから大丈夫でしょ。

ヒルデは心配そうにするも渋々了承してくれた。あまり危険なことはしたくないが、知ってしまった以上は助けないと目覚めが悪い。

そして、急いで向かってみたが一足遅く目の前で馬車と熊が物凄い勢いで通り過ぎそうになってしまう。

しかし、俺は常人ではありえないほどの踏み込みを見せて熊を一刀両断する。あまりにも凄まじ出来事にヒルデは呆気に取られる。

荷馬車を引っ張っていたおじさん商人も倒れた熊を倒した俺をみて、大喜びして近づいて来た。ありがとうと何度も感謝される。

「私はラインベルト商会のアドルスキー・ラインベルトですりぜひお礼をさせてください」

ぜひお礼をさせてくれと言われたので、魔物素材を割増して買い取ってくれた。商人はオラリアで自分の店を持っているらしく。

コレからもぜひ魔物とかの素材を買い取ってくれるそうで、ギルドに回遊しなくて良いので手数料をなくす高値で取引できるようになった。

だが残念なことに俺はオラリアに帰るつもりはないのでこの場で別れることにした。数ヶ月に一度はこちらにこの街に仕事でくるようなので、その時にまとめて割増高めにかいとってくれることになった。

俺も一度行ったことはある所はいつでも行ける。空間魔法で移動できるからな。いざとなれば直接行って売りに行けば良い。そして、俺達も臨時収入を手に入れたわけだし帰るとした。

「今日はいろいろと連れ回してしまったが大丈夫か?」
「はい。何も問題ありません。私は何もしてませんから」

宿屋に帰って食事を終えてベットでやる事をやって団欒としていた。

「いやいや、索敵には助けられたし。弓も上手かった。冒険者みたいだったぞ」
「そんな、私なんてまだまだですよ。私よりもご主人様の方が凄かったです。あんな動き一般人には無理ですよ。ご主人様は本当に冒険者じゃないですか?」
「残念ながらな。でもコレは内緒なんだが、俺は冒険者みたいに魔法とかスキルも使えるぞ」

それを聞いてヒルデは驚きの表情をする。それはそうだ魔法やスキルなんて物は冒険者にしか使えない代物で、眷属でもない者が決して使えることはない。

「まさかご主人様は神様とかですか?」
「違う違う。う〜ん。今から話すのは俺の与太話だと思って聞いてくれ」
「かしこまりました」
「俺はこことは違う世界から来たんだ。もちろんオラクルの神達がいた世界じゃない。こことは本質が少し違った世界の人間で、そこでは神が物語の上に語り継がれるだけのぞざいで、その世界では俺みたいなやつが普通なんだ。どう言うわけか、俺はこの世界に迷い込んだらしい。だから帰り方もわからない」
「…ご主人様は元の世界に帰りたいですか?」
「いや、ヒルデがいるからな。別に帰りたいとも思わないな」
「そうですか、でももし帰るとしたら私も連れて行ってください」
「あぁ、約束するよ」

本心なのか俺の冗談だと思って付き合ってるのかわからないが、なんとも嬉しい約束をしてくれんだ。俺は良い気分になって眠りがついた。
 
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