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ダンジョンに異世界人が行くのは間違ってますか?

作者:黒ヤギ
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第10話。そして異世界で英雄となる。

そして、アレから数年。英雄とは己が信念のために突き進み後から人々が英雄と語る。そして英雄はどこまで行っても英雄だ。

「はぁ〜、しんど…。もう辞めよう」

異世界の大英雄平田信。最後の世界三大クエスト。黒竜の討伐に成功。






「ダメよ。私のファミリアを抜ける事は許さないわ」
「いや、元からは入ってねえよ」

ただいまフレイヤのホームで一緒に茶を飲んでいた。黒龍討伐してからすっかりと英雄としてモテはやされて街を歩くだけでも大混乱だ。

そんな俺は田舎に帰りたいとフレイヤに話した。田舎というのは元の世界ではなくて、一軒家を借りてた隣町だ。

「とにかく嫌な物は嫌!私別居なんて嫌よ」
「夫婦みたいに言うな。俺はまだ死にたくない。頼むから冗談でも眷属達の前では言うなよ」
「む〜!冗談じゃないのに!」

そんなにむくれちゃって、何とも可愛らしいですね。思わず言う事聞きたくなっちゃうな。別にチャームが効いているわけじゃないが、ここ数年で普通に彼女との好感度が上がった。

こんな美女に好きだと言われたら嫌なわけない。しかし、俺はフレイヤの眷属達に殺されたくないので手を出さない。さて、そろそろ約束の時間だし帰るか。

「そろそろ帰る」
「えっ!?何でよ!?」
「何でよ。じゃないだろ元々はお前とのお茶なんて予定に入れてなかったのに、お前がだなこねるから少しだけ時間を割いてやったんだろ?もう約束の時間過ぎてるし帰るぞ」
「い〜や〜だ〜!もっと一緒にいて!」
「わがままを言うんではありません。もう行くからな」

俺が席を立つとフレイヤは逃さんとしがみつく。

「なら私も連れて行って」
「そんな事したらまた大騒ぎになるだろ?」
「大丈夫よ。それに私をここに置いて行ったら後で大変な事になるわよ?」
「…わかった。ただし誰か1人そうだな。オッタムを連れて来い。そしたら連れて行ってやる」
「え〜、2人きりが良い」
「どうせアイズちゃんの所に行ったら2人きりじゃなくなるんだから」
「はいはい。わかりました。全くアイズちゃん。アイズちゃんって事あるごとにその子のを出すわね?妬けちゃうわ」
「バカ言えガキ相手に手を出すかよ。まあ、あと五年すれば美味しそうだけど、今の俺にはヒルデ達がいるからな〜」
「くっ、やっぱり1番の邪魔者はヒルデ達ね!どう排除してやろうかしら」
「辞めんかい」

そして、オッタムを連れてバベルを出て行った。そして、アインに会いにロキファミリアの元に向かった。アイズと会った日から時々時間を見つけては稽古をつけてやっている。

そんな歩いている最中に1人の少年とすれ違った。銀髪の髪に赤い瞳で期待に満ち溢れた良い表情をした好青年といった感じだ。そして、何より人とは違う気配も感じる。フレイヤもそれに感付いたと言うか見えたのか、少年に目を向けて注視する。

「乗り換えても良いだぞ?」
「確かに見た事ない綺麗で透き通った色だけど、私は貴方の色の方が好きだわ」

そう言われると悪い気はしないな。

「もしかして妬いた?」
「…行くぞ」
「…嘘?待って今妬いてたでしょ!?」
「そんなことない」
「そう言うなら顔を見せない!あ、ちょっと上向いてたら見えないじゃない!」

たく俺って男は強情だな。こんだけとうざけてもいざ本当に離れそうになると引き止めてしまう。俺は照れ臭くなってさっさとアイズの元に向かってしまおう。

「ふ〜ん。ふふ〜ん…」
「なんや今日はえらいご機嫌やな」
「実はね。マコトが妬いてくれたの」
「はぁ?ボケとるちゃうか?」
「そんな事ないわよ!」

なんだかフレイヤの精神年齢が下がったような気がする。最近会うたびに喧嘩をしているロキとフレイヤ今日も平和である。 
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