IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
【第291話】
――1025室前――
未来を部屋へと送り届け、現在自室前。
制服のポケットから部屋の鍵を取り出し、鍵穴に挿して回すのだが――。
「……? 確か俺、部屋の鍵をかけたはずだが……」
ふと頭に過ったのは一夏の存在だが、まだ生憎と風呂を満喫してるか着替えてる時間の筈だし。
……鍵をかけたつもりだったのかな?
次から些細なミスをしないように心掛け、ドアノブを回し、持っていた缶ジュースを一口飲みながらドアを開けて入る――。
「お帰りなさい。 ご飯にします? お風呂にします? それともわ・た・し?」
「ブハッ!? ゲホッゲホッ!!」
開けた先に居たのは、IS学園生徒会長、更識楯無が部屋の中で待ち構えていた。
しかも、服装がエプロンのみというまさかの裸エプロン姿。
余りの衝撃的な姿に、飲んでいたジュースが気管へと入り、思いっきりむせてしまった。
「ちょ、ちょっとヒルト君!? 大丈夫!?」
慌てて俺の背中を擦る楯無さん。
屈むと、見事な乳房の谷間が視界に映り、余計咳き込んでしまった。
「ゲホッゲホッ……! ……も、もぅ大丈夫です……」
「……良かった。 あんまりお姉さんを心配させちゃダメだぞ?」
そう言って人差し指でおでこをつついてくるのだが、そもそもの原因がこの人な訳で――。
「……てか、鍵閉めてた筈なんですがどうやって入ったのですか?」
「ん? うふふ♪ ピッキングよ♪」
そう言って自身の胸の谷間に手を入れ、其処からピッキングツールを取り出した楯無さん。
……ぉぉぅ、考えたら頭が痛くなってくる。
それはともかく、何でこの人は裸エプロンで室内に居たのかが謎である。
……しかし、裸エプロン……眼福だな。
見事な乳房の谷間に見とれていると、楯無さんから――。
「お姉さんの谷間見るのもいいけど、それよりも今日から私、ここに住もうと思ってるの」
「……はい?」
耳を疑う言葉に、思わず聞き返すと楯無さんは楽しそうに――。
「いやぁ、光栄じゃない? お姉さんみたいな綺麗な女性と同居なんて♪ あ、でも美冬ちゃんもシャルロットちゃんも可愛いから、可愛い方が良いのかな? あはっ♪」
二人の名前を出したのは、やはり俺の同居人だったからだろう。
――美冬は妹だが……。
「……てか、そんな勝手に決めても良いのですか? ここは一年寮ですから問題になるのでは――」
そんな言葉を遮るように人差し指で俺の唇に触れる楯無さん。
「生徒会長権限よ♪」
ウィンクしながら言うその姿は可愛く見えるものの、どこか悪戯する猫の様な印象も受けた。
「……生徒会長って、何でも出来るのですか?」
「うふふ。 ある程度はね? そ・れ・よ・り・も♪ お姉さんの姿、どうかな?」
そう言ってまるでモデルの様なポーズをとるのだが、綺麗な生足が妙にいやらしく見え、さっきまでのラウラの迫りを完全に払拭するようなスタイルの良さに目が奪われる。
「うふふ。 ……ヒルト君には、お姉さんの大事な所……見せてあ・げ・る♪」
「え――――……ッ!?」
頬を紅潮させ、エプロンの裾を両手で掴むとゆっくりたくしあげていく楯無さん。
いきなりの事に、一瞬何が起きるのか理解が出来なかった――だが、少しずつエプロンがたくしあげられる度に、バクンバクンと、嫌に心臓の音が大きく聞こえる。
そして、またもや欲望の塊が構築され、テントを張っていた。
悲しいかな、これが男のサガというもので、思春期の俺の理性が少しずつ崩壊する音が頭の中で聴こえてくる――。
そして、焦らす様にたくしあげていた楯無さんは、一気にエプロンを捲った。
「じゃん♪ 実は水着でした~」
たくしあげられたエプロンの向こう側にあったのは水色のビキニタイプの水着だった。
何度か瞬きすると同時に、期待していた俺の希望ががらがらと崩れていく音が聴こえ、そのままがっくり突っ伏した。
「んふ。 残念だった?」
「………………」
楯無さんの言葉に答えられない、てか期待しすぎて蛇の生殺しの目にあうとは――。
構築されていた欲望の塊も大人しくなり、鎮静化すると――。
「……はぁっ、思春期の男子をからかわないでください……」
「あは♪ いいじゃんいいじゃん♪ ヒルト君って、何だか弄りがいがあるもの♪」
悪戯っぽく微笑み、くるりと後ろを振り向くとお尻を此方に突き出し、軽く振っていた。
……これ、この尻を思いっきり叩いたら多分フルボッコだろうな。
ボリュームのあるお尻を振る楯無さんを他所に、俺は部屋の中に入っていくと見慣れない私物が沢山部屋にセッティングされていた。
……てか、ベッド二つしか無いのにどうするんだろぅ……まぁ、寝袋あるから一応寝れるが。
そんな事を考えていると、楯無さんはまた悪戯っぽく微笑み、若干前屈みで胸の谷間を強調させながら――。
「ヒルト君の使ってるベッドって、どれかな?」
「ん? 入って手前のそれがそうです」
「うふふ。 じゃあお姉さんは今日からこのベッドで寝るからよろしく~♪ 何ならヒルト君も添い寝してくれる? ……えっちな事考えたら、お姉さんのお仕置きがくるけど――」
「……思春期の俺に、そういうのは鬼だ……」
そんな呟きも虚空に消えると、部屋の扉が開き、一夏の帰宅――。
そこからまた一夏が騒いで、俺が事情を説明する羽目になってしまった――。
……ルームメイトが増えるだけでこの騒ぎ……隣の子にいつ怒られるやら……。
ページ上へ戻る