神様が親切すぎて夜に眠れない
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六話→玄人とエ・ランテル①
前書き
次回辺りエロ入れます。その際、オーバーロード以外の作品のパロディ(キャラクター)が入りますが、同時に説明入れます。
エ・ランテル。
帝国(詳細は不明)、法国(クレマンティーヌから聞いたが、8割方愚痴と私意が入っていたので具体的には不明)との境界に位置するリ・エスティーゼ王国内の城塞都市である。
まあ、買い物やギルドへ仕事受けるぐらいしかしていない玄人は、これ以上は分からないが。
まあ、別に問題はない。
異邦人である玄人が、なんの伝もなく生活でき、飯も『現実』では滅多に食べれない天然物が買える所だ。これで文句言ったらバチが当たるだろう。
だから目下の問題は…………
「おらよ!玄人、良い果物が入ってるんだ、食いな!」
いつも行く、八百屋?らしき店の大将から紙袋一杯の果物類を受けとり、返礼に手を上げながら玄人は頭の一部を思考に没頭させる。
その際、町並みをさらりと眺めながら、玄人は考える。
(問題は、どの辺りに仮のホームを立てるか、だな)
下らないと言われるかもしれないが、割りと重要である。
PVP(プレイヤーVSプレイヤー)
この辺りの現地人では対処不能な自分に突っかかってくる相手という事でPK(プレイヤーキラー)を想定すると、『最低100レベル』最高で『ソロでパーティー全滅可能なウィキに掲載レベルの凄腕100レベル』
そんな奴らを相手にする時に一番大事なのは、どうやって先手を取るを含めてイニシアチブを握るか、である。
心理的に加勢が早く来て、町のヘイトを溜めやすい兵士詰所の近くの物件が良いか。
それとも、ある程度周囲を隠せる林などがあり、増援を『ギルド』から呼び出せる方が良いか。
(夜襲や奇襲をかけにくく増援を場所が良い場所ねえ…………)
当然、そんな都合の良いものは滅多に存在しない。
「この壁はありがたいんだがねぇ」
そう口に出して、少し目線を上げれば見える城壁を見る。
交通の要所にあるためか、エ・ランテルは町でありながら三重に囲まれた城壁を持つ。
更に、中心部から行政・倉庫区画、市民区画、軍の駐屯区画と機能別に分割されているというおまけ付きだ。
まあ、軍事的にも要衝であり、帝国に突っ掛けられているせいではあるが、玄人はこの城壁に非常に感謝していた。
(まあ、少ししかもたないが、戦士である俺の天敵、『遠距離魔法を得意とする魔法使い』から射線を遮って貰えるだけで十分過ぎる)
当たり前の話だが、10年以上続いたオンラインゲームである『ユグドラシル』は、バランス感覚においても秀逸である。
よく下手なゲームにありがちな『○○という職業や種族だけ贔屓して皆それしか選ばすゲーム内の多様性崩壊』、『変なちゃぶ台返しの更新はしない』ということは徹底している。
例えば戦士である玄人の場合、同レベルでギチギチのガチビルドをしている攻撃的魔法使いと相対した場合、まず間違いなく不利になる。
どんな強力な剣も当てなければ勝負にならず、相手は隠れながら術を打ち続ければ何れ此方の守備・回復魔法が切れるからだ。
『だがそれは、遮塀物や仲間により、容易に変わる』
バランス感覚に優れるRPGは、そういった事にも寛容だ。
課金者に対する(ギリギリの線を見極めた)優遇や、地形利用による有利不利などを用いて、廃プレイヤーである玄人もそういった状況で勝ちを拾ってきた。
同じように馴染みの店屋から食料を受け取り、そろそろ視界の通りがヤバイかな?と思いながら歩くと…………
大きな門を持つ、屋敷へと着いた。
…………いや、違うよ。
別に元住んでいる奴を追い出したとか、そんなんじゃない。
これはアレだから。
この交通の要所であるエ・ランテルの位置を悪用し、何の罪もない村々を襲っていたグループを聖騎士らしく断罪(物理)したクエストの時に貰った(強弁)だけだから。
え、命乞いした相手はどうなったかって?
そうだね。武装解除した後に襲われた村人の前に引き出しておいたから、肥料にでも転生したんじゃない。
大事なのは、所有している証の紙と鍵をゲットして、こんな大きな屋敷を手に入れられた事実だから。
(それに、『お楽しみ』もしやすくなったしね)
屋敷で待つ『女達』に思いをはせながら、玄人は屋敷の扉を開いた。
後書き
他の作品も執筆はしています。ただ、仕事がデスマーチで納得いく形で書けてないのでもう少しお待ちくださいm(._.)m
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