IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
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【第七十八話】
前書き
オリジナルです
相も変わらず駄文ですので
――第三アリーナ更衣室――
「ボーデヴィッヒさん、貴女が美冬ちゃんやセシリア達にしたことは許せない…。でも、ペアになったんだし、大会の間はよろしくね?」
「………………」
私は手を差し伸べ、ボーデヴィッヒさんに握手を求めたんだけど…目の前のボーデヴィッヒさんは握手はしなかった。
「……もぅ、これじゃあ先が思いやられちゃうよ…。……やっぱり美冬ちゃんと組めば良かったかな…」
でも、今さら組まなかった事を後悔しても後の祭りよね…。
――噂が本当なら…優勝したらヒルトに……。
いつも私はヒルトに対して素直に好きって言えない…だから、優勝したら…私は素直に告白…したい。
そっと瞼を閉じて、高鳴った胸の鼓動を落ち着かせるように深呼吸する。
――今はヒルトの事じゃなく、試合に集中しなきゃ…!
気持ちを切り替え、私はアリーナのピットへ移動した――。
――第三アリーナ――
先にアリーナに立っていたボーデヴィッヒさんの隣へ移動した私は、再度身に纏ったISとパッケージの確認を行った。
私が今回使用するのはラファール・リヴァイヴ、デュノア君の会社の機体――打鉄も素直でいい子何だけど、この子も私には使いやすくて好きかな?
そして、選んだパッケージは――高機動パッケージ、名は【ブランシュ・エール】――フランス語で白い翼、又は白い羽根。
その名の通り、白い大型背部ウイングスラスターが特徴のパッケージ…。
肩部装甲と脚部装甲にもスラスターが増設され、腰部アーマーとスカート内に姿勢制御用ノズルが追加されている――。
でも――このラファール・リヴァイヴと色が合わないのが少し不満かな…?
白いラファール・リヴァイヴが無い以上、しょうがないんだけどね…。
装備とISの再チェックを終えると、既に対戦相手のペアが私たちの前に対峙していた――。
互いに打鉄を纏い、パッケージは装備されていなかったけど――代わりにその手にはアサルトライフルを持っていた。
口径は普通のIS用のアサルトライフルだけど、もしかすると使用する弾が特殊な弾かも……。
弾丸のデータまでは取得出来ないからなぁ…試合しながら把握しないといけないよね…。
――等と頭の中で考えていると、試合開始の秒読みに入っているのに気付き、近接ブレードを呼び出すと、それを構えた――。
――観客席――
試合が始まり、観客席から未来の戦う様子を見ながら俺は未来が付けてるパッケージについてシャルルに質問した。
「……なあシャルル、未来が付けてるあのパッケージって何だ?ラファールと色があまり合わないが……」
「確か名称が【ブランシュ・エール】、フランス語で白い翼って名前の高機動パッケージだよ。色が合わないのは…ラファールのカラーリングがネイビーカラーだからね」
「成る程、あれならセシリアのブルー・ティアーズに似合いそうだな?蒼と白って色合い的に俺は悪くないと思うし。何か聖騎士カラーっぽくなりそう」
「そうだね。規格に合わないからあのパッケージは付けられないけど…」
――ちなみに現在、セシリアは席を外している。
飲み物を購入するとかで、俺も買おうと思ったら――。
『ヒルトさんは試合を見ててくださいな。わたくしが買ってきますから』
『え?だがそれはセシリアに悪い気が――』
『気にしないでくださいな♪スポーツドリンクでよろしくて?』
『あぁ、なら二本お願いするよ。お金は……はい』
『えぇ、承りましたわ。それではヒルトさん、デュノアさん、直ぐに戻りますので――』
『あ、セシリア、ジュース奢ってよ』
『鈴さんまたですか…?もぅ……』
――等というやり取りをして、ただいまセシリアと鈴音は飲み物を買いに行ってる。
「……僕のリヴァイヴ、ブランシュ・エール付けたら似合うと思う?」
そう俺の顔を覗き込むように見てくるシャルル。
「んー、オレンジに合うと思うぞ?これも色合い的に悪くないし、逆に黒だと合わないかもな、これが」
「ふふ、そうかも。――ヒルトのISにも、ブランシュ・エールみたいなパッケージ、似合いそうだよね」
「そうか?まあ俺は翼よりももっと別なのが――」
――第三アリーナ中央――
互いの近接ブレードで何度も切り結び、隙あらば装甲の隙間を狙って確実に相手のシールドエネルギーを削っていた。
――ボーデヴィッヒさんの方は、既に相手を倒している。
AICで相手の動きを止め、そこから肩の大型砲の連射で直ぐに相手が沈んだ――。
ボーデヴィッヒさんは私の援護には入らず、ただ単に目を閉じて試合が終わるのをただ待っているだけに感じた――。
「私一人でも…負けないっ!」
対戦相手の子がそう叫ぶと、左手に携えたアサルトライフルを発砲した。
「……!」
その射撃をクイックブーストで右へ回避し、直ぐ様左へクイックブーストを使用してQBC(クイックブーストキャンセル)を行うと、懐に飛び込むようにショートステップで接近――。
「な――!?」
「……ごめん、でも――私も負けられないのっ!!」
もう一本、近接ブレードを呼び出すと私は二刀流による連撃で相手の生身の部分――絶対防御が発動する箇所へと連続で攻撃を行った――。
――でも、すんでの所で踏みとどまる彼女は――。
「……!?連撃が浅かったの…!?」
「っぅ…!まだよっ!?まだ――」
「邪魔だ」
「えっ――きゃっ…!?」
そんな一言が聞こえたかと思うと、ボーデヴィッヒさんが私を押し退け、踏みとどまった対戦相手の子に止めとばかりに両手に備わったプラズマ手刀による二撃を相手に当てると――対戦相手の子の打鉄が膝をつき、試合が終了した――。
「ボーデヴィッヒさん!」
「………ふん…」
一瞥するように私を見たボーデヴィッヒさんは、そのまま飛翔し、ピットへと戻っていった――。
こんな調子じゃ…連携なんて無理だよ…はぁ……。
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