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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》

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【第八十一話】

 
前書き
激しく遅れました

毎日ちょこちょこ書いては見返して、と色々してたら一週間越えてました

もうちょい早めに書くようにします 

 
――美冬&未来の部屋前――


セシリアと別れ、早足気味で俺は美冬達の部屋へと向かった。

道中、風呂上がりの子達が談笑しながら歩いていくのを軽くチラ見しつつ――。


そういや、今日は点検日って言ってた気がするが……業者の手違いでもあったのかな?

――まあ男子が入れるかはわからんがな、これが。


そうこうしている内に、美冬と未来の部屋前に到着した。


軽くドアをノックすると、中から声が聞こえてきた――。


「……はーい、今開けるよー……」


――と、美冬の声が聞こえた、少し遠く感じたのは奥に居たからだろう。

それから少しして、ドアが開くと――。


「あれ、お兄ちゃん?どうしたの??」

「あぁ、美冬に用事があってな」

「わ、私に…?な、何かな??」


美冬に用事があると聞いた美冬の声色が、明らかに喜色を含んでいるのは気のせいではないだろう。


「中に入っていいか?――未来は?」

「みぃちゃんなら今シャワーだよ?――部屋、少し散らかってるけどいいかな?」

「ん?気にしないさ、これがな」

「うふふ、じゃあお兄ちゃん、どうぞ」


そう促され、美冬達の部屋へと入って行くと――。


「おぉ……相変わらず未来のベッドはぬいぐるみだらけだな」

「うん。みぃちゃん、ぬいぐるみ集めるのが趣味だしね。私も抱き枕としてクマさんを借りてるの」



そう言いながら自分のベッドを指差す美冬。

そこには生意気そうな顔をした子熊のぬいぐるみがあった。

――携帯の顔文字で表すと、表情はこんな感じ。


( `(ェ)´)


――実に生意気だ、だが抱き心地は悪くなさそうに見えるのはふわふわの手触り感がありそうな毛並みだろう。


「それでお兄ちゃん、私に用って…何かな?」


後ろに手を組み、前屈みになり、上目遣いで見つめてくる美冬に、軽く咳払いしつつ――。


「こ、こほん…。お前なぁ、少し胸元無防備だぞ?谷間…俺に見せても仕方ないだろ」

「お兄ちゃんのえっち…。――なんてね、お兄ちゃんなら気にしないし」


悪戯っぽい笑みを浮かべる美冬、その頬は若干朱色に染まっていた。


「バカ、俺が気にするんだよ。――いくら妹でも身体つきは女だからな…」

「えっ…?」

「な、何でもない――まあそれはさておき、明日の朝五時に寮の入り口前に集合で」

「……?――いきなり何でなの、お兄ちゃん?」



きょとんとした表情の美冬。

――そういや説明せずに言ったな、そりゃきょとんとするよな、これが。


「さっき、母さんから連絡があってな。――明日の朝、6時にこの学園に親父と来るってさ、これが」

「そっかぁ――って……ええぇぇぇぇええっ!?」



突然の事に驚きの声をあげる美冬、本人に連絡がなかったのだから当たり前だろう。


「わ、私の携帯には連絡無かったよ!?」

「うん。俺から伝えてと言ってたからな」

「急な話すぎだよぉ……。うぅ…明日の試合も見るのかな…」

「そりゃ当たり前だろ?親としては見たいのが普通だしな」

「あぅ……今から緊張してきた…。どうしよう、お兄ちゃん…?」

「あまり気負うなよ。初戦の俺よりも気が楽だろ?最後なんだし」

「さ、最後だから気にするんだよ?……はぁ…」


ため息をつく美冬の頭を、よしよしと撫でる。


「普段通りにやればいいんだよ、美冬。気にするなって」

「……うん、なんとか平常心で頑張る…っ」


そう小さくガッツポーズをする美冬――そこへ、カチャッと脱衣場の扉が開く音が響いた。


「美冬ちゃん?誰か来てるの?」



「あ、みぃちゃん。お兄ちゃんが来て――」


――と、途中で言葉が止まる美冬。


「えっ…!?ひ、ヒルト!?」


そう驚いた声をあげたのは未来だった。


「あぁ、ちょっと美冬に用事があってな」


そう言い、未来の方へと振り向こうとすると――。


「だ、ダメだよお兄ちゃんっ!?振り向いちゃダメーっ!!」

「なんでだよ、未来が居てるだけだろ?」

「み、見な―――」


制止を聞かず、未来の方へと振り向くと――。


「―――ぶはっ!?」


振り向いた先に居た未来は、肩にタオルを羽織っているだけでその肢体は何も纏っていなかった――つまり、全裸……。

形が整い、重力に負けずに少し上向いた乳房――モデルのようにガリガリとした腹部ではなく、ぷにっと弾力がありそうな俺好みの程よい肉感のある腹部――。

等とまじまじと見ていると、顔が真っ赤になった未来が――。


「み、見ないで――――っ!?!?」



言うや、局部を両手で隠す未来だが左右両腕に挟まれた乳房が中央に寄せられ、強調した谷間を見せ、更に上向きに膨らんだ。


「ぶはっ!?き、強烈……」

「も、もぅっ!!ヒルトのバカーっ!!変態ーっ!!見ないでよーっ!!」


「てかバスタオルで隠せよっ!!」

「うっ?――気づかなかったっ」


肩にかけたバスタオルを取り、後ろに向き直す未来。

それに合わせて俺も反対側へ振り向くと、悪戯っぽい笑みを浮かべた美冬が――。


「お兄ちゃんのラッキースケベーっ…」

「ば、バカっ…今さら未来の裸見たって何も――」

「ふぅん……。お兄ちゃん、『そこ』をそんなに起たせてるのに…?」


そう指差し、美冬の視線は俺の下半身に向けられていた。

しかも、その頬と耳は真っ赤に染めつつ――。


「っ!?言ってて恥ずかしくないのかよ、美冬…」


「……は、恥ずかしいよっ。――お兄ちゃんがそんな風にしてるのが悪いじゃない……っ」

「……男の生理現象だから仕方ないだろ…っ。――逆に、そんな風にならない方が危ないだろ……っ」

「そ、それもそうだよね…。――って兄妹でこんな話することじゃないし……い、嫌じゃないけどさ…」

「――ったく、お前が変な指摘するからだろ……?」


――等と、二人でこそこそ話をしてると未来が。


「ヒルト…――も、もぅ見ても大丈夫…」



「ん。わかった……流石に未来の裸は強烈だったな…」

「えっ…?――な、何言ってるのよバカ……」


奥の美冬のベッドに座り、未来の方を向くとバスタオルでその身体を隠すように巻いていたのだが――。


……これはこれで色々まずいな…身体のラインが――。


そうまじまじと見ていると、流石に未来から抗議の眼差しが飛んできて慌てて視線を反らした。


「……まあとにかく、さっきの続きだが美冬、明日は朝五時に寮の玄関に集合で」

「うん、わかったよ」

「ヒルト、美冬ちゃん、何の話??」

「ん?――明日の朝、親父と母さんがこっちに来るから迎えに行くんだよ。未来も来るか?」


「え?叔父さんと叔母さん来るの??――うん、じゃあ久しぶりに挨拶しよう…かな?」


控えめに言う未来だが、その表情は少し嬉しそうに見えた。


「了解、なら明日の朝五時に寮の玄関で。後、シャルルとセシリアも来るから」

「そうなのお兄ちゃん?」

「あぁ、断る理由も無いし、二人とも挨拶したいって言うし」

「ふぅん…。――セシリアは解るけどデュノア君も挨拶したいって……」

等と隣で小声で喋る美冬だが、俺の耳に届いてるのであまり小声の意味がない。


「友達として挨拶したいだけだろ?――何にしても、別に構わないじゃないか」

「まぁ…ね。――じゃあ明日の朝、みぃちゃんと玄関でお兄ちゃんを待ってるよ」

「うん。頑張って私も早起きする…!」


若干前屈みになり、小さくガッツポーズする未来だが、巻いたバスタオルから胸の谷間が見え目を逸らしつつ、頬が熱くなるのを感じた。


「じ、じゃあ俺は部屋に戻る。いつまでも居ると先生方に怒られるしな、これが」

「あっ、そうだね。じゃあお兄ちゃん、おやすみなさい」

「ヒルト、おやすみなさい」

「おぅ。――未来、美冬、おやすみ」


二人が手を振るのを見て俺も振り返し、未来と美冬の部屋を後にした。


――親父と母さん……会うの久しぶりだな。 
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