IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
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【第400話】
前書き
モッピー知ってるよ。
モッピーが活躍すると、主人公になるって事。
_/⌒⌒ヽ_
/ヘ>―<ヘヽ
((/ ̄ ̄ ̄\))
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/ | | //ヽ ヘ
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レ |/ レ| N\|||
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市営アリーナ上空、エムが握るスターブレイカーの砲口が光を放つと同時にステルスが解除され、その姿を現す。
「あぎゃ? 作戦開始か……良いだろう、俺様も協力してやるぜ」
カーマインの手に、粒子が収束。
粒子形成され、手にはライフルが握られていた。
見た目が変わっていて、昔の中国で使われていた弩に近い形状をしている。
「協力はいらない。 私一人で十分――」
「つれない事言うなよ。 それに、俺様もこの武装のテストを行いたいしな」
「……好きにしろ」
素っ気なくそう告げるエムは、トップの二人へと照準を合わせる。
刹那、一瞬の閃光が周囲を目映く照らすと、大気を焼き払いながらフルチャージを終えたスターブレイカーの粒子ビーム二発が、アリーナ天井のバリアを一撃で貫通、それを追うようにカーマインのライフルから粒子ビームが無数に放たれる。
一発の射撃でまるでワイド・ショットの様にビームが拡散後、それは五つの尾を引く光を放ちながらアリーナ天井のバリアを突き破り、デブリへと直撃した。
その射撃の少し前、コースを疾走するヒルトに突如雅と美春が声を掛けた。
『主君! アリーナ直上にIS反応あり! 更に高エネルギーが接近!』
「何!?」
「ヒルト! 無数のエネルギーが来るよ!! 初撃は――トップの二人に!!」
美春と雅の声に反応し、上空を見上げるとそれは既にアリーナ天井のバリアを直撃する手前だった。
「シャル! ラウラ!! 直上から粒子ビーム射撃が来る! 防御体勢――」
言葉は間に合わず、二人を撃ち抜く二本の粒子ビーム――その衝撃に苦痛に歪む二人の表情がハイパーセンサーに捉えられた。
『主君! まだ攻撃が来る! 今度はコース周囲の岩石目掛けてだ!』
「っ! 未来! 美春! 第三世代兵装迎撃モードで起動しろ!!」
「わかった! 九式、展開!!」
「迎撃! いっけぇぇぇぇッ!!」
俺の叫び声に、二人は直ぐ様反応――迎撃モードが起動したのと同時に降り注ぐ無数の粒子ビームが、岩石を破壊し、無数の質量弾となって俺達や直撃を浴びたシャル、ラウラに襲いかかる。
だがその直前、起動した第三世代兵装から放たれる無数のレーザー迎撃によって破砕された石を迎撃して塵になり、誰にもダメージを負う事なく事なきを得る。
しかし、割れたバリアから襲撃者が直ぐ様侵入してくる、そして、俺はその機体に見覚えがあった。
俺が言葉を発する前に、セシリアが言葉を発する。
「あれは……サイレント・ゼフィルス!!」
コースアウトし、地面に墜落するシャルとラウラの二人に視線をやる事もなく、口元を歪めて一旦一瞥するや、墜落した二人に銃口を向け――。
「うぉぉおおおおッ! 仲間を……やらせるかよぉッ!!!!」
突如叫び声と共に機雷郡から爆発音が鳴り響く。
機雷郡から無理矢理抜け出し、瞬時加速で一夏は襲撃者へと一気に迫る。
「一夏!? くっ……機雷郡にさえ居なければ直ぐに共に戦うのに……! 邪魔な機雷郡だ!」
篠ノ之の呪詛の言葉が聞こえるが、大会主催者もまさかこんな事態になるとは思わなかったのだろう。
「…………織斑一夏……!」
小さな呟きだが、一夏のフルネーム口にした襲撃者は、ビットを射出し、射撃を開始と同時にシャル、ラウラの二人へと持っていた長大なライフルによる射撃が迫った。
だが、一夏に気を取られた一瞬の間に、俺が二人の前に立ち、四枚の盾でその射撃を防ぐ。
盾の表面温度が一気に急上昇――やはり、粒子ビームの熱に弱いのが分子結合殻の弱点だろう。
一方で一夏は、霞衣で射撃を無効化しながら袈裟斬りを放つ――だが、その一撃はシールド・ビットによって阻まれる形となった。
観客席からは悲鳴が聞こえる――突然の襲撃者によって、会場がパニックに陥ってるのだろう。
民間の警備会社の警備員では事態の収拾は難しい――そう判断した俺は、織斑先生へ直通のプライベート・チャネル通信を開く。
『織斑先生! IS学園上級生及び学園教師を動員して避難誘導をお願いします! それと、近くの自衛隊に出動要請を! 無理ならこの区域一帯の封鎖をお願いします!』
『既に自衛隊には救援要請を出してある。 有坂、すまないがその場はお前に任せて私は避難誘導の人道指揮を取らせてもらうぞ』
『了解です、通信終わり!』
通信を切ると同時に一夏の声が聞こえてきた――。
「っ! エネルギーが……! クソッ!」
霞衣の光の膜が消え、周囲を包囲するビット、砲口が光ったその瞬間、鈴音が一夏を救った。
「ったく、いつまでも世話を焼かせんじゃないわよ、一夏ぁっ!」
両腕から放たれる無数の衝撃砲による弾幕が、ビットに直撃し、一夏の周囲を包囲していたビットが一旦引きつつ、鈴音に対して射撃を始めた。
「甘いわよ! 簡単に当たってたまるもんですか!」
左右に避け、時には双天牙月を高速回転させてビットから放たれる粒子ビームを防ぐ鈴音。
「ヒルトさん! あの機体は……わたくしが相手をします! ヒルトさんはシャルロットさんとラウラさんの防御をお願いします!」
「セシリア! 迂闊に行くな!?」
言葉が聞こえないのか、セシリアは更に言葉を呟く。
「BT二号機『サイレント・ゼフィルス』……! 今度こそ!」
一気に空へと飛翔し、BTライフルの連射。
今のセシリアは、ビットが封印されている状態で、手に持つライフル、或いはインターセプター位しか無いはずだ。
「美冬! セシリアのカバーを! 美春と未来は一夏の防御! もうあいつのエネルギーはほぼ底をついてる!」
「わかったよ! セシリアのカバーに回るね!」
セシリアの射撃に合わせる様に、美冬も手に持つ華嵐の引き金を引いて射撃を行う。
「わかった、美春ちゃん、織斑君の防御に回るよ!」
「うん、ヒルト……。 危ない時は直ぐに駆け付けるからね!?」
そう言って二人は直ぐ様一夏の前に立ち、流れ弾に被弾しないように防ぎ始めた。
「ッ……! 未来! 美春! 俺がお前たちを守――」
「そんな状態で守れる訳ないでしょ? 織斑君は大人しくしてなさい!」
「それに、ここに居る皆は自分の身はちゃんと守れるよ! 織斑一夏、貴方はまず自分を守れる様になりなさいよ!!」
未来、美春と一夏にいい放つ――そんな一夏は、悔しそうに唇を真一文字に結んだ一方、交戦するセシリア、鈴音、美冬の三人は――。
「セシリア! 鈴! 十字砲火で攻めて!」
「わかりましたわ!」
「ったく、仕方ないわねぇ!」
二人が直ぐ様サイレント・ゼフィルスに対して十字砲火で攻撃を行う中、美春は紫微垣を粒子形成させながら直上を取る。
サイレント・ゼフィルスは全く動こうとはせずに更に周囲にビットを展開し、鈴音、セシリアの射撃に対してシールド・ビットで防御を行った。
「っ……!」
「やはりシールド・ビット……既に完成していましたのね……! 美冬さん! 任せましたわ!」
「いっけぇぇぇぇ!!!!」
美冬の叫ぶ声が轟き、直上から振り下ろされる紫微垣の赤い刃。
しかし、その攻撃が届く事は無く、二本のナイフでその一撃を止められてしまう。
「美冬さん! 離脱を! 私と鈴さんが多角援護攻撃を行います!」
「セシリア! あたしに指図しないでよ! ……っても、付き合ってあげるけどさぁ!!」
ニッと白い歯を見せて、多重攻撃を始めた二人、美冬は直ぐ様直上へ急上昇すると同時に華嵐で射撃を始めた。
「くっ……ヒルト……すまない、迷惑をかけたな」
そう言ってラウラは、顔だけを見上げるように俺に向ける。
「気にするな! 怪我は無いか?」
「無論だ。 ……だが、直接戦闘には加われない。 増設スラスターもそうだが、墜落の際に他の各種スラスターはおろかプラズマ粒子刀、ワイヤーブレード、AIC、他にもセンサー・リンク等がオフラインだ。 唯一可能なのが支援砲撃ぐらいだろう……目測になるがな」
立ち上がり、機体をその場で固定すると肩の大型リボルバー・キャノンで支援砲撃を開始する、だが縦横無尽に動くサイレント・ゼフィルスに対して当てる事は出来ない――それどころか、下手するとフレンドリー・ファイアになるため、限られた瞬間しか攻撃が行えなかった。
「……っ! こうも速く動かれては……!」
軽い舌打ちと共にラウラの呪詛の言葉が聞こえてきた――空では、三人を相手にしながら攻撃を避けるサイレント・ゼフィルス、正直数では此方が勝っているが、エネルギーが少ない為、ほぼ互角だろう。
篠ノ之は機雷に触れない様に脱出を試みてるが、暫く時間が掛かるように見える。
「ヒルト! ここは僕がラウラの防御に回るよ! だからヒルトは他の皆と一緒に戦って!」
意識を取り戻したのか、力強い言葉でそう告げるシャル。
「シャル、身体は大丈夫か!?」
「大丈夫! リヴァイヴが僕を守ってくれたから! でも、増設スラスターは完全に死んじゃってるし、他のスラスターもラウラ同様オフライン、他にも武器が出せない不具合が起きてるから!」
言いながら肩の増設スラスターを切り離すと、それが落ちていく。
鉄屑に変わったそれは、もう役に立たないだろう――投擲に使う以外には。
「ヒルト、僕がラウラの防御に回るから、ヒルトは皆を! ……ごめんね、肝心な時に僕もラウラも役にたてなくて……悔しいよ……っ」
シャルの言葉に、ラウラも唇を真一文字に結ぶ。
「……後は任せろ。 シャル、増設スラスター借りるぞ」
「え? で、でももうそれは動かないよ……」
「動かないからといって役に立たない訳じゃないさ。 ……ラウラ、射撃を当てるのではなく、相手の動きを止める形での援護を頼む!」
「……わかった! 嫁の期待に応えるのが夫の努めだ。 シャル、可能ならコア・ネットワーク経由から私の射撃補正も頼む」
「わかったよ! まだ僕のターゲットセンサーは生きてるから!」
そう言って防御体勢になりながらも、コア・ネットワーク経由で情報を送るシャル。
俺は肩から切り離されたスラスターを両手に持つと、三人の元へと飛翔していった。
後書き
モッピー知ってるよ。
機雷に取り残されたモッピーに、皆が萌えてるって事。
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