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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》

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【第392話】

 
前書き
亡国機業編 

 
――高級マンションエレベーター前――


 キャノンボール・ファスト開催まで約一週間、韓国軍事基地を襲撃したカーマインは民間人を含めて基地内部の人間を徹底的に皆殺しにして、コアを奪った。

 このニュース自体、世界各国に流れたもののそれも僅か一日、強力な圧力がかかり、どの国の報道機関も取り上げる事はなくなった。

 独自で調べようとした人間は、次の日には交通事故、水死、火事での焼死等不吉な事が起きたためこれ以上調べようとする人間はいないだろう……カーマインはそう思いながらエレベーターを待っていた。


「……けっ、ガキが悪戯でもしたのかエレベーターが来やしねぇ……」


 一人ごちり、階段は面倒だとは思ってもこれを使う以外方法はないと思い、仕方なく階段から最上階へと向かおうとするのだが――。


「あ、すみません。 少し良いですか?」

「あぎゃ?」


 呼び止められ、カーマインは振り向くとそこに立っていたのは女性だった――高級マンションに住んでるにしては服装に高級感が無く、あまりにも自分と同様に不釣り合いだと思っていると――。


「良ければ少し話をしませんか? 以前からお見かけしてましたが、なかなか声をかける機会がなかったもので」

「…………」


 カーマインは目の前の女を一瞥する、容姿は少し子供っぽく見えるものの、女性としては結構な長身の部類に入り、正直いうと美人といえるだろう。


「あぎゃ、何で俺様と喋りたいと思った?」

「あ、はい。 このマンションには長い間住んでいますが、あまり住人同士の交流が無いので……見れば多分私と殆ど同い年かと思い――す、すみません、自己紹介が遅れました。 私は伊崎千夏といいます」


 そう言って挨拶をする彼女、名前を教えられたからには名乗らないとと思い、カーマインは――。


「……カーマインだ」


 短くそう告げる、コードネームで言うのも、本名をばらすつもりが無いからだ。


「……わりぃが、俺様は話をする気分じゃねぇんだ。 ……だが、また時間がある時なら構わねぇぜ?」

「は、はい。 すみません、初対面でいきなり話がしたいだなんて……」

「あぎゃぎゃ、新手のナンパかと思ったがな、俺様は」

「な、ナンパではありませんよっ。 ただ、純粋に話がしてみたいと思っただけですから」


 カーマインは驚くも、それは表情に出さずに彼女を見る。

 大抵声を掛けてくるのは容姿に惹かれて逆ナンしてくる女ばかりだ、そんな女に限り、寂しいのか簡単に股を開いてくる。

 カーマイン自身、病気持ちじゃないなら性欲の捌け口程度にしか思わず、犯すのだが――目の前の女に関しては純粋に自分と話がしたいだけにしか思えなかった。

 ――と、やっとエレベーターがやって来たので、中に入ると伊崎千夏と名乗った女もエレベーターに乗った。


「何階だ?」

「あ、四階です。 カーマインさんは何階なのですか?」

「俺様は最上階だ」


 四階のボタンと最上階のボタンを押すと、カーマインは壁に凭れる。

 暫くして四階に到着すると、エレベーターのドアが開き――。


「カーマインさん、また良ければ話をしましょうね?」

「……気が向いたらな」

「わかりました。 気が向いた時で構いませんので。 では、おやすみなさい」


 ニコッと微笑む彼女は、エレベーターが上に行くまでカーマインを見届けた。

 一方のカーマインは……。


「……不思議な女だが、もう話すことはねぇだろ。 ……少し勿体無い気もするがな」


 事実、カーマインは基本的にはいつでもここに居るわけではない。

 凭れたまま、最上階へと上がる最中にはカーマイン自身、先ほどの女の顔も思い出せなくなっていた。


――高級マンション一室――


 部屋に入ると、既にその場にはスコール、オータム、エムと三人が勢揃いしていた。


「……カーマイン、遅えぞ。 もう少し早く集合しろよ」


 オータムはやって来たカーマインにそう言うが、以前のような刺々しさはない――理由は、彼に【女】の部分を見せてしまったからだろう。

 一晩中カーマインに好き放題やられたとはいえ、最初こそ乱暴に扱われたものの、ベッドの上では優しくされ、気付いたら自分から彼を受け入れて何度も交わった事実が少し変えたのかもしれない。


「あぎゃ、悪いな。 ガキがエレベーターに悪戯したのかなかなか来なくてな」

「……なら良いけど、連絡ぐらい寄越せよな」

「あぎゃぎゃ」


 笑って誤魔化すカーマインに、オータムも追求を止めるとスコールへと視線を移した。


「……キャノンボール・ファストまで残り約一週間あまり、今回の作戦は……機体の奪取は難しいでしょうから、単純に他の専用機持ちの実力把握……ぐらいに思ってくれるかしら? オータムは今回はお留守番、良いわね?」


 スコールは全員を見、そう告げるとオータムを見て言葉を口にした。

 オータム自身も納得しているらしく、素直に頷く。


「専用機持ちの実力把握ねぇ……。 あぎゃ、少しは織斑一夏も成長したのかねぇ……」


 そう呟くカーマイン、だが襲撃から僅かな時間で急成長したとは考えにくい。


「まあいいさ、俺様は俺様で戦うのみさ……」


 そう吐き捨て、気だるそうに壁に凭れる。


「……当日襲撃するのはエムとカーマイン、二人に任せるわ。 でもカーマイン、あなたには不測の事態の対処をお願いするわ」

「あぎゃ? 不測の事態ねぇ……」

「えぇ、先日エムが遭遇した謎の機体……情報によるともうイレイズドには居ないらしいし……。 来るとは限らないけど、念のためね。 エムはそのまま専用機持ちの実力把握をお願い、カーマインも、状況判断でよろしく」

「了解した……」


 エムは短く返事をすると、カーマインの方へと視線を移す。

 一方のカーマインは、不測の事態の対処という事に多少の不満はあれど、文句は言うつもりは無いらしく、頷く。


「あぎゃ、まあ不測の事態が無ければまた紅椿のデータも取れるだろうし……あぎゃ、篠ノ之束も嫌でも俺様を意識するしかねぇだろうしな」

「……カーマイン、あまり篠ノ之博士を刺激する真似は――」

「あぎゃ? どうせお前ら亡国機業も接触するんだろ? 俺達の組織は、篠ノ之束なんざとるに足らない人間だが、俺様としては一応興味があるからな」


 そうスコールに言い、カーマインは欠伸をすると――。


「あぎゃぎゃ、とりあえず話が終わったなら、俺様はこれから連絡とらなきゃいけないから失礼するぜ?」


 スコールの返事を待たず、カーマインは部屋から出ると直ぐ様携帯で連絡を取る。

 通話記録は残るが、組織の力を使えば幾らでも通話記録の削除は可能の為、気にせず通話する――。


「あぎゃ、俺様だが――」


 声が高級マンションの通路に響き渡る中、カーマインは気にする事なく連絡先の相手と通話をしながらエレベーターに乗って下に降りていった……。 
 

 
後書き
このあと、少し書いてからキャノンボール・ファストどすえ( ´艸`)

とりあえず今回は駄文故にお目汚しすみません

因みにこれ上げてる頃は訓練中ザマス( ´艸`)

前以て書いたザマス故に( ´艸`) 
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