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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》

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【第395話】

 
前書き
モッピー知ってるよ。
モッピーは皆のアイドルって事。

    _/⌒⌒ヽ_
   /ヘ>―<ヘヽ
   ((/ ̄ ̄ ̄\))
   /    ) \
  /  | | //ヽ ヘ
  |  ハ | /イ | |
  レ |/ レ| N\|||
  /| |≧ ヽ|≦ |||
 / ヽ|゙    ゙|/ /
 \_(ヽ  ̄ /⌒)ヽ
  / | T ̄ ̄| ヽ |
 / /ヽノ   \_ノ|
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 

 
 キャノンボール・ファスト当日、開会式は盛大に行われ、無数の花火が青空を彩る。

 会場の席はほぼ全席埋まり、成樹やたっくんや信二だけではなく、今日は小学校や中学校時代の友達も見に来てるとさっきメールで連絡があった。

 チケット高かっただろうに、わざわざ現地にまで見に来てくれたその想いに、少しでも応えられたらと思う。

 今なお空に打ち上げられる花火を眺めていると――。


「おー、よく晴れたなぁ」


 緊張の色の見えない一夏の呑気な言葉が聞こえてきた、まあ確かに今日は雲一つ無い青空で、これが夜なら花火が空を綺麗に彩ると思う。

 いつもなら開会式は市の市長が行うのだが、今年は異例の総理大臣――日本のトップによる開会式の言葉があった。

 無論、安全対策はされていて死角無く周囲をSPが守り、更に総理大臣が開会式の宣誓の言葉をあげる場所からその通路までバリアーで守られていたのだから。

 各国のVIPも、特別室での観戦で、仮に何か問題が起きても直通の避難口からスムーズに安全な場所に移動できる様になっている。

 その分他の一般客が割を食うが、一応警備員の増員はされているので多分大丈夫だろう。

 今日のプログラムだが、開会式宣誓は既に終わり、先ずは二年生のクラス対抗レースが最初、次に俺達一年生専用機持ちのレース、その次が一年生訓練機のレースに、最後は三年生によるエキシビジョン・レースで、最後は閉会式という流れだ。

 レースの合間は、チアリーディングによるダンスやら演奏等もあるらしい――金掛けすぎな気がしなくもないのだが。


「一夏、こんな所に居たのか。 早く準備をしろ」


 そう言ってやって来たのは篠ノ之だ、何気に彼女の目には俺が映っていないらしい。


「おう、箒。 俺だけじゃなくヒルトも居るぜ?」

「ふん。 あんな奴の事など私にはどうでもいい」

「まあそう言うなよ。 てかさ、すっげー客入りだよな、箒も見てみろよ」


 そう言って手招きする一夏に、僅かに頬を赤らめる篠ノ之は一夏の隣で客入りを見た。


「確かIS産業関係者や各国政府関係者も来ていると言っていたな。 警備だけでも相当な数だ」


 一応民間の警備会社に委託してるらしいからな、各国の重要人物にはその国のSPか、日本政府が用意したSPがつけられてるし。

 ――と、突如一夏の痛がる声が耳に届く。


「いてててっ!?」


 向けると、篠ノ之に思いっきり耳を引っ張られてる一夏の姿がそこにあった。


「こんなことをしている場合では無いのだ! さっさと来い! 全く……子供じゃあるまいし」

「あ、あのなあ! 子供扱いしているのはそっち――いててて!」


 反論許さず、更に耳を引っ張る篠ノ之。


「お前が来ないと私が先生に怒られるんだ! 行くぞ!」

「わ、わかったって! てかヒルトも――」

「アイツは私の管轄外だ! アイツは妹が探している、私はあくまでもお前を呼びに来たのだ! 行くぞ!」


 そう言って耳を引っ張り、一夏を連れ去る篠ノ之。

 ……よくあれだけやって嫌われないと思うよな。

 さて、美冬か美春のどちらかが探してるらしいが……下手に動くよりはここに居た方がいいかもしれない。

 改めてアリーナを見ると、華麗で可憐なチアリーディングのダンスが始まっていた。

 女子大生のチアリーディング部なのだろう、華麗に空を舞うその姿に、男性客から歓声が巻き起こっていた。

 その間に売店等で食事を買う人も居るだろう、サイドメニューにサンドイッチやホットドッグ、焼きそば等沢山売られている。

 その分、心無い客はゴミ箱に捨てずにその辺に捨てたりする奴もいるだろうが――。


「お兄ちゃん、ここに居たんだ? 後は織斑くんだけど……」


 入ってきた美冬は、少し呼吸が乱れていた――走って探していたのだろうか?


「一夏ならさっき篠ノ之に連れ戻されたぞ?」

「え? 篠ノ之さんここに来たの? それなら連絡くれても良かったのに……先生には見つけたら相互連絡をとって直ぐに集まるようにって言われてたのに……もう」


 腕組みして複雑な表情を浮かべた美冬は、俺の隣に移動すると。


「お兄ちゃん、緊張してない?」

「ん? 特に今の所は平気かな?」


「そっか。 美冬はちょっとだけ緊張かな? ほら」


 そう言って少し震える手を見せてきた美冬。

 そんな美冬を、俺は抱き寄せる。

 驚いて見上げるが、直ぐに腰に腕を回して身を預けてきた。


「少しは落ち着いたか?」

「……うん。 えへへ……お兄ちゃん」


 嬉しそうに胸に顔を埋める美冬。

 そんな美冬の髪を撫でつつ――。


「まあレースまでは時間があるからな、だが……呼ばれてるならそろそろ戻らないと」

「そうだね。 ……レースではライバルだけど、危ないときはこっそり助けるからね、お兄ちゃん?」


 ニコッと笑顔になると、俺から離れ、腕を絡ませてその腕を引くと美冬は。


「じゃあ、いこっ? 皆も待ってるし、そろそろ二年生のレースも始まるしね?」

「だな」


 短くそう返事をすると、俺は美冬に連れられてその場を後にし、通路を進んでいく。

 関係者以外立ち入り禁止故に、アリーナスタッフや警備員達としかすれ違わない。

 ふと、アリーナのコースを見ると何やら開閉式の地面が見え、そこが開くと何かが出てくるような仕掛けにも見えなくない。

 ちょうどそれはオーバルコースの直線部分に辺り、規模はわからないが大掛かりな仕掛けが下に眠っている可能性も否定は出来なかった。


「お兄ちゃん? アリーナのコースの下調べ?」

「ん? ……まあそんなものかな」


 そう俺が告げると、美冬も足を止めてちらっとアリーナを見る。


「第六アリーナみたいなコースじゃない、単調なオーバルコースだけど……もしかしたら、何か隠し玉みたいな物も否定できないもんね、更識さんはまだ機体が完成していないとはいえ、彼女の機体を含めたら一年は11機存在するもんね?」

「そうだな」


 短く返事をし、更識さんの未完成の機体を思い返す。

 まだ腕部や脚部の一部など、完成していない箇所が多々あり、今のままだといつ完成するかが全くわからない状態だ。

 とはいえ、倉持技研の誰かが来て手伝う訳じゃなく、完全に放置されてる辺り、憤りを感じる。

 ……とはいえ、今はどうしようもないのだが。


「悪い、足を止めたな。 戻ろう、美冬」

「うん」


 同意し、美冬と共に俺は皆が待機するピットへと戻っていった……。 
 

 
後書き
青鬼、知ってるよ。
実は青鬼って二重って事。

   _ノ⌒ヽ
  /    \
  /  ≡≡  |
 ( r==、ッノ=<|
 丿<●> <(●ノイ
 |  ̄ノ )| ̄ |
 ヽ_ノ\Lノヽ_ノ
  ヽヽー―-イノ
  /\_二_/\
  / / ≡≡ ヽ ヽ
 (_/|    |ヽノ
 
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