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中学剣道少女~恥ずかしい穴まで身体検査~

作者:黒塚工房
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第9話「トイレへ行けない!」


 負けるものか、負けるものか、負けるものか!

 麗華はその夜も懸命に我慢し続けるが、今日は検査が脳裏をよぎるだけでは済まされない。ネット上で不特定多数の人間に自分の裸を見られている事を考えると、まるで大量の人間に全身から尻の穴までを視姦されているような心地に陥ってしまう。何をされているわけでもないのに、画像公開の事実だけで羞恥心が込みあげて、今まで以上にアソコが疼く。
 もはや眠ることなどできなかった。
 眠れずに、長い長い時間を我慢で過ごし、やっとの事で朝を迎える。さすがにジョギングをする気力など湧かず、あまり心配されたくないので朝食も一人で食べた。
 家を出た後の通学路でも、麗華はアソコの具合を始終気にした。できれば手で押さえていたいが、通行人の通る場所でまでそんなことはできない。それでも信号で止まった時には太ももを摺り合わせずにはいられず、おかげで周囲の視線が気になった。そそくさとした早歩きで道路を渡り、朝早くのうちに学校へ到着した。
 ――私が気に入らないのは、あいつらのせいで自分が自慰をする事。
 麗華は下駄箱で上履きに履きかえりなり部室へ向かい、ちょうど道場の更衣室へ入りかけていた始を見つけ、彼を呼び止めた。
「始君、おはよう」
「おはようございます! 先輩!」
 始はなついた犬のように駆け寄ってくる。
「昨日から眠れなかった。だから、今日は眠い」
「どうしたんですか? 眠れないなんて、やっぱり調子が悪いんじゃないですか?」
「そうかもしれない。だから――」
 いっその事、もう一度マッサージをしてもらって、それをネタに発散した方がどれほどマシなことか。
「――始君。マッサージ、してくれると嬉しいんだけど」
「喜んで!」
 始が嬉しそうに即答してくるのは予想通りの反応だった。
 早朝も養護教諭はいないらしく、麗華と始は保健室で二人きりになる。ベッドでうつ伏せになると、始はお尻に逸物を当てながら跨って来た。
 ――……来た、擦られてる。
 背中全体を丁寧にほぐしつつも、始は腰をゆすって熱く硬い肉塊を割れ目に摩擦させる。肩から背筋へのマッサージも気持ちいいが、麗華の意識はもっぱらお尻へいっていた。
 初めはさりげなく、マッサージの動きに合わせてだったが、しだいに堂々と揺すってくる。小刻みな腰つきと共に肉棒がスライドし、尻たぶの狭間のレールに沿ってピストンする。強く押し付けられたそれの感触が皮膚の底まで浸透し、麗華のアソコは熱く成り果てた。
 ――私はこれを欲しがって……?
 自分に対する疑惑が生まれる。
 ――いや、最初からこれで検査のことを忘れるつもりで来たはず。
 麗華は自分に言い聞かせた。
 マッサージの手も背中の上から下へ、腰まわりへ降りてきて、骨盤の肉を重点的にほぐし始める。心なしか手つきがお尻を意識しているように思えた。
「麗華先輩って、すごくスタイルいいですよね」
 始は腰横を掴んで撫でてきた。
「そうかしら」
「腰は引き締まっているし、肌付きも柔らかくてすごいです」
「だと嬉しい」
 マッサージの指先が骨盤の骨を押し揉み、背骨の付け根をほぐしていく。その指はだんだん下へ下へ動き、尾てい骨のすぐ近くまでやってきた。今にもお尻の肉まで手がやって来そうで、麗華は緊張する。
 しかし、それ以上手は降りてこない。あくまでマッサージを頼まれているだけなので、始としてもさすがにお尻を触るのには抵抗があるのだろう。骨盤周辺に手は留まり、お尻ギリギリのエリア一帯が重点的に揉みこまれた。
「先輩、くつろげていますか?」
「もちろん。このまま続けて」
 手がお尻の近くを離れた。まだほぐしていなかった二の腕へいき、肩から肘にかけてを踊るような指つきで揉みこむ。手首までほぐされ、それから指がうなじまでやって来た。
 ――ゾクゾクする。
 首を優しく撫でられ何ともいえない感触が背筋を走り、仰け反りたいような心地を覚える。指の感触が染み込み皮膚がしだいに気持ちよくなっていき、皮膚の表面が快楽に喜ぶ。
 ずっと浸っていたい。
 だが、アソコを沈めなければ……。
「ありがとう。このくらいでいいわ」
「そうですか? じゃあ、また頼んでくださいね? 先輩」
 むしろ始の方がせがむような顔つきだったのは、女の子の肌に触れることがよっぽど面白いからなのだろう。

 すぐにトイレへ。
 そう思って早足で歩くのはちょうど八時、まだ三十分近くも猶予がある。
普通の自慰ならもう少し欲しいところだが、ただ疼きを止めるには充分すぎるほどの時間だ。
 だが、すぐに麗華は呼び止められる。
「あ、麗華ちゃん!」
「おはよー!」
 女の子二人が駆け寄ってきた。他クラスの子だ。背が高く容姿も綺麗な麗華だからか、前々から同性のファンがいた。彼女達は数いる女の子ファンの二人で、廊下で顔をあわせるたび、声をかけてくることが多かった。
「全国大会優勝したんだってね。おめでとう!」
 クラスが違うために、こういう言葉をかける機会がなかったのだろう。
「あ、ありがとう」
「試合見てたよ? 麗華ちゃんの動きとかすっごい格好良かった」
 この気に麗華とたっぷり喋っておこう、という腹積もりなのだ。当の麗華の様子に気づくことなく、二人はとにかく喋り続ける。
「相手瞬殺だったよね~。麗華ちゃんって、やっぱ強すぎ!」
「いえ、向こうも充分強かったわ」
「うんうん、憧れちゃうなぁ~。髪触っていーい?」
「え? あの――」
 一人が遠慮なく麗華の後ろへ回り、しなやかなポニーテールの尻尾を掴む。もう一人も同じように髪を弄ってきた。
「やっぱサラサラ~!」
「ていうか、この色合い綺麗過ぎない? え? 黒髪なのに、光の具合で青がかってたり紫がかってたりするんだけど!」
「え? すごーい! 芸術じゃん!」
 二人は麗華の髪に夢中になってテンションをあげていく。
「あの、ちょっと……」
 麗華が困っているのにも気づかず、
「どうしたらこんな髪になるんだろー」
「無理無理、ここまで綺麗になれるのは麗華様だけだから!」
「だよね~」
 麗華の周りではしゃぐことに精一杯だ。
 好意を持ってくれている子に対して印象が悪くなりそうで避けていたが、仕方がないので麗華ははっきりとした強い口調で跳ね除けることにする。
「そろそろ、お手洗いに行きたいのだけど」
 ようやく麗華の困り具合が伝わり、二人は若干申し訳なさそうな顔になる。
「あ、ごめんなさい!」
「またお話ししようね」
 やっとの事で解放され、麗華は足早に進む。
 早くトイレへ。
 それだけの思いで廊下を渡り、角を曲がる。
「きゃあ!」
 プリントの束を抱えて走っていた女の子とぶつかって、プリント全てが宙を舞ってバラけてしまう。ホームルームで配るものでも運ぶように言われたのだろう。プリントの内容は学校の諸連絡を書いた学校だよりだった。
「ごめんなさい! ごめんなさい!」
 まさにドジそうなその子は深々と頭を下げ、あわててバラけたプリントを拾い出す。
「こちらこそ、不注意だった」
 放っておくわけにもいかず、麗華も一緒になって拾い始める。素早く集めて束ねなおし、その子に手渡した。
「ありがとうございます! ありがとうございます!」
 その子は二度もお礼を言って去っていった。
 運の悪い時間のロスで、もう八時二十分を過ぎてしまった。朝のホームルームは二十五分からなのに、これでは疼きを沈める暇など当然ない。
「仕方ない、か」
 麗華はアソコの濡れを気にしながらも教室へ行くしかなかった。
 これで朝の余裕ある時間は逃したので、残るは昼休みか放課後しかない。それ以外の休み時間はものの十分程度だから、ゆっくりと自慰などしている猶予はないのだ。
 そうなると、四時間目までの授業を麗華は耐える羽目になる。始終アソコを手で押さえたり、内股を引き締めながら授業を聞くことになった。
 そんな辛い午前も終わり、やっとの思いで昼休みを迎える。
 ――今度こそ……。
 麗華は授業が終了するなりすぐに教室を抜け、トイレへ向かおうとする。
「おお、麗華」
 顧問の教師と出くわし、五分ほどの立ち話になる。
「清掃中って……」
 向かった先のトイレが使えなくなっていたので、二階へ降りて別のトイレへ向かう。
「あ、麗華ちゃんまた会った!」
「よかったら一緒に弁当食べない?」
 朝の元気な二人組みに捕まり、逃げ出すまでにまた時間がかかった。
「ああ、あなたは! 朝はありがとうございます!」
 プリントをぶちまけたドジな子に出会い、お礼を言われた。
 嫌に時間を消費しながらやっとの事でトイレへ辿り着く。
 さっそく個室へ入ろうとするが……。
「今度は使用中か」
 個室の戸は全て閉まっていた。
 使われていないトイレの戸なら、普通は開きっぱなしになっている。戸が閉まっているということはイコール誰かが使っているということで、実際に中から人の気配がした。個室同士で中から会話する声が聞こえた。
 空くのを待つべきか、一階のトイレへ行くか。
 迷ってばかりで時間を潰すわけにもいかず、麗華は直感的に素早い決断を下す。今すぐ一階のトイレへ向かうことにして階段へ向かう。
 ――まだ時間はある。次こそ。
 三連続でトイレが使えないなんてことは、さすがにないだろう。はやる気持ちで階段を駆け降り、一階廊下へ到着する。
 すると今度は部員の男子グループとばったり出会い、男子達はやけにニヤニヤとしたいやらしい顔つきで麗華を取り囲む。
「黒崎先輩じゃないですかぁ」
 麗華は警戒した。
 始はいない。一年生と二年生が固まった五人のグループが麗華の行く先を封じ、何故だか詰め寄るようににじり寄って来る。いつもなら廊下ですれ違っても普通の挨拶や会釈で終わるものが、今日に限って様子がおかしかった。
「何? どうしたの? みんな」
 早くトイレに行きたいのに、麗華は緊張の面持ちで五人の顔を見てまわす。
「俺ら、見ちゃったんです」
「いやぁ、すごいッスねぇ。まさか黒崎先輩が……ねぇ」
 一人が軽い調子で言いながら、隣へアイコンタクトの視線を送る。すると受け手になった男子達は次々に頷いて、なめまわすような目で麗華の胸や太ももに視線を送ってきた。
「医学用のホームページだったけど、あれじゃあ単なるエロ画像じゃないですか」
 医学、エロ画像。
 二つのキーワードで連想されるものといったら、担任に見せられたあのホームページをおいて他にはない。そして、五人全員ともがいやらしい笑みを浮かべている。一体どういう事態になってしまったのか、想像できない麗華ではなかった。
 いくら本名が非公開になっていても、顔写真が出ているのだ。最初からこうなる可能性などいくらでもあった。
 しかし、いざそうなると起こっている事態が信じられず、麗華ともあろうものがこの状況を受け入れきれない。混乱気味になってオロオロし、らしくもない焦った表情になっていた。
 ずっと我慢をしていたせいで精神的な疲弊が重なり、いざ解消しようと思えば最悪の事態を相手に足止めを受けたのだ。ただでさえ検査で受けた悪夢を引きずっていたのに、いつまでも本来の調子でいられるはずがなかった。
 信じられない気持ちでいっぱいになり、麗華は弱弱しい表情になってしまう。
「どうしてあーんなエロい画像撮られたんですか? 俺達、みんな先輩の画像見てヌいちゃいましたよ?」
 二年生の一人が麗華の背後へまわり、馴れ馴れしい手つきで両肩を掴む。自分の元へ引き寄せるかのように麗華を捕らえた。
「アナルのシワの数、二十三本」
 さらに一人が耳元に顔を近づけ、検査結果を囁いてくる。
 ヒクンッ、
 ただそれだけで肛門が反応し、菊のシワがきゅっと引き締まった。
「みんな……何故、どうして……」
「どうしては俺らの台詞ですよ。なんであんなエロ画像が公開されてんッスか?」
 生意気な一年生が胸元へ顔を近づけてくる。
「マンコもおっぱいもみんな見ちゃいましたよ? この服の内側に隠れているもんの形、みんな知っちゃいました」
「アソコん中、綺麗でしたね~」
「尻の穴も中々キュートで興奮しました」
 五人の手が次々に麗華の肢体へ伸び、卑猥な手つきで肩や腰を撫でてくる。耳に首筋、太ももまでもを好きに触られ、いつもなら気丈な麗華が全く抵抗力を失っている。弱気な子がそれをいい事にイタズラでも受けているような有様だった。
「黒崎先輩って美乳なんですね。84センチあってCカップ」
「ケツは86センチ」
 絶対に知られたくない情報が知れ渡っている。しかも、後輩五人は麗華のボディ情報を暗記してきている。
「マンコの長さは6.8センチ」
「幅は4.4センチ」
「マンコからアナルまでの幅が2.9センチ」
 測定結果を次々に唱えられ、込み上げる羞恥心で麗華の顔はみるみるうちに真っ赤に染まっていく。いかにも恥ずかしがっている顔つきに男子達は興奮し、より一層ニヤニヤした。
「なんで抵抗しないんですか?」
「そ、それは……」
「黒崎先輩って本当は変態? だから触られて喜んでるんじゃないですか?」
「そんなわけ――あっ!」
 胸の膨らみを手の平に包まれ、反射的に体が逃げそうになるのを取り押さえられた。セーラー服の膨れた柔らかな丸みを揉み込まれ、特に技巧があるわけでもないその手つきで麗華の乳房は熱くなってしまう。
「へぇ、これがCカップのおっぱいかぁ」
「ちょっと待て、先輩が優先だろ」
 生意気な一年を押しのけ、二年の後輩が揉んでくる。
「俺にも揉ませろって!」
 さらに別の後輩に入れ替わり、麗華の胸はかわるがわる順番に触られていく。乳首を通じた乳房の芯が発熱して、疼くような快楽が乳肉全体に広まっていく。麗華はずっと身をよじっていたが、それが抵抗のためなのか、それとも気持ちよくて体が悶えてしまうのか、麗華自身にもわからなくなってくる。
「や、やめて……」
 力ない声は届かない。
「顔が色っぽくなって来ましたねぇ、黒崎先輩」
 衣服越しに乳首を探り、摘んできた。
「んあぁ!」
「喘ぎ声なんて出しちゃって、可愛いですねぇ?」
 乳首をつままれ、つねられ、クリクリと弄り抜かれる。
「んあ! や、やめ……! 駄目ッ!」
 麗華はよがるかのように首を振り、ポニーテールを伸ばした髪を振り乱す。乱れた髪が唇に絡むところが色っぽく官能的で、ますます五人を興奮させた。
「そろそろ交代だぜ? みんなにも乳首の位置教えろよ」
「ここだよ、この膨らみの頂点のとこ」
 二年の一人はみんなに見せ付ける形でポイントをつつき、乳首の在り処を示してみせる。
「じゃあ、失礼します」
 生意気でないもう一人の一年生の一人が、麗華ではなくむしろ二年生に対して遠慮がちに手を伸ばし、指先を駆使して乳首を虐めてくる。
「ぁあ! あああ!」
「か、感度いいんですねぇ……」
「やめ! ……やぁ! やめて……!」
「ほら、そろそろ変われって」
 我慢できない順番待ちが前をせかして、攻め手が後ろと入れ替わる。一人一人に乳首を虐められ、乳房の感度はすっかり高まってしまった。内側の芯から熱が込み上げ、その熱さが皮膚までもを溶かすようで、もはや空気にさえ晒したくない。服の上からしか触られていないのが不幸中の幸いだった。
 そして。
「なあ、俺パンツ見てぇなぁ」
 その一言に麗華の胸で危機感が膨れ上がり、消えていた抵抗力が復活した。愛液の漏れている今、たとえパンツ越しであってもアソコだけは見せるわけにはいかない。
「だ、駄目!」
 それが仇となり、どう見ても不自然な反応を晒してしまった。言った後から「あっ」と思ってももう遅い。今のこの反応は何なのか。もちろんパンツを見られるのは恥ずかしいのだろうが、胸で感じておきながら今更この反応は何なのか。後輩五人の興味はそこへ移った。
「何が駄目なんですか? 俺ら、黒崎先輩の恥ずかしい部分は全部見てるんですよ?」
「アナルのヒクヒクしてる動画も見ちゃったし、いい表情の顔写真もいっぱいあったなぁ」
 わざと麗華に言って聞かせてくる。
「で、どうしてパンツが駄目なんですか?」
「そんなの、恥ずかしいからに決まっている」
 顔を背けて俯きがちに、やや震え気味の本当に恥ずかしがっているような声で、麗華はぼっそりと言った。
「恥ずかしい? アナルやマンコの方がよっぽど恥ずかしくないんですか?」
 生意気な一年が恥部の画像を持ち出し侮辱してくる。
「なんなら、パンツ見せてくれたら乳首やめてあげますよ?」
 二年の一人が提案を出してきた。
「そう言われても……」
「黒崎先輩が選べるのは乳首かパンツだけですよ? それとも、そんなにパンツが嫌なら授業サボって五時間目六時間目もずっと乳首で遊ばせて貰いますが」
「そ、それは困る!」
 合計二時間も弄られ続けるなど、堪ったものではない。それだけの時間があれば、すぐにでも乳首だけでは満足されなくなって、もっと今以上の辱めを受けることも想像できた。
「じゃあ、パンツですか?」
「そ、それは……」
 麗華にとっては苦渋の選択だ。
 どちらを取っても、どちらの方が確実にマシというわけではない。両方とも嫌なのだ。右も左も種類が違うだけの同じ地獄へ続いているのに、麗華はそんな行く道を決めなくてはならない。ずっと乳首を弄られるより、麗華はもう一つの道を選択した。
「パンツ、見せるから。言う事は聞くから、だから約束を破ったら許さない」
 最後の一言が麗華にとってのせめてもの抗いだ。
 だが、今の麗華の状態では通じない。
「はい、あの黒崎先輩がパンツをお見せ頂けるそうですよ~?」
「イェーイ!」
 一人がさも司会者を気取ると、残る四人はノリに合わせて観客の役になりきる。麗華はショーに出演する見せ物というわけだ。
「一年生の頃から実力を発揮し、我が校の剣道部を全国優勝にまで導いた最強剣士が今、我々の前にパンツをお見せして下さります。さて、そのパンツの色は何色か! ガラはどんなものなのか! 全ての答えがこのスカートの中にあります!」
「イェーイ!」
「では黒崎麗華さん! そのスカートをたくし上げ、我々におパンツをお見せ下さい!」
 とてつもない屈辱を堪えながら、麗華はスカートの裾を掴む。震えかけの腕でためらいがちに持ち上げて、中身をモロに見せ付けた。
「す、素晴らしい! 黒です! 黒のパンティ! おマンコゾーンにはバラのような刺繍のガラがあり、しかし腰の両サイドが無地になっています。なるほど、これが今日の黒崎麗華さんのパンツなのですね?」
 恥ずかしい――。
 されていることは羞恥の検査よりよほどマシだが、それでも五人分もの視線にパンツが晒されるなど我慢ならない。今にも思い切りパンツを隠し、乙女に恥をかかせた報いを与えて逃げ去りたい気持ちで一杯だ。
「ん? 白いのがはみ出てるのは……生理か」
「ああ、生理用ナプキンね。黒崎先輩、今日がアノ日なんだ」
 全員がパンツに顔を近づけて、じっくりと凝視してくる。本当は愛液対策でつけているナプキンだが、生理と思い込まれるのもそれはそれで恥ずかしい。
「へぇー、いいわぁー」
 五人の視線は完全に釘付けだ。まるで小学生が昆虫の観察にでも夢中になっているような、一点もずれることのない真っ直ぐな視線がアソコに向けて照射され続ける。
 アソコがどんどん熱さを増していき、ふれればはっきりと熱がわかるのではとさえ思えてくる。肉貝が中から疼き、膣の口が液体を分泌する。パンツ越し、ナプキン越しならバレはしないだろうが、それでも「もし気づかれたら?」という不安が消えずに耐え難い思いを堪え続ける。麗華は歯を食いしばり、頬を強張らせ、不安と恥ずかしさを必死に堪えていた。
「このパンツの中身が6.8センチだっけ」
「うっ……」
「んで、幅は4.4だったよな」
 今度は布の上からといえ実際にアソコを見られながらだ。スリーサイズよりもはるかに恥ずかしい情報をわざわざ口にされ、麗華は耳まで真っ赤になる。
「……もう時間よ? そろそろいいでしょう?」
「そうですね。最後に何枚か撮ったら終わりましょう」
「そ、そんな……」
 五人がそれぞれのスマートフォンを取り出して、カメラ機能を起動したレンズを向けてくる。パンツに向かってシャッター音声が何度も何度も鳴らされ、それでも麗華には耐えることしかできなかった。
 ようやく昼休み終了のチャイムがなり……。
 何十枚撮られたかもわからない撮影会が中断される。
「それじゃあ、またパンツ見せてくださいね~」
 結局、トイレで発散するどころか最悪の羞恥体験が一つ増え、ますますヌくわけにはいかなくなってしまう。検査よりはマシ――かもしれないが、こんな嫌な出来事をオカズにする自分など考えたくなかった。
 ――ああ、駄目ね。私……。
 麗華は自身の有様を嘆いた。
 こんな目に遭いながら、考えることはオナニーのことだ。これで自分がいやらしい女になっていないと、どうして言えるのだろう。
 ――でも、疼きさえ止めれば……。
 不本意な欲求さえ沈めれば、本来の自分へ立ち戻れる。
 麗華はただそれだけを信じて教室へ戻った。

 
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