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中学剣道少女~恥ずかしい穴まで身体検査~

作者:黒塚工房
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第20話「ペニス測定について」

「ペニスの測定は勃起時の長さと、亀頭のサイズを測って頂くというものです。それと精液採取を行って頂きます」
 医師は検査内容を語りながら、ガチャガチャとベルトの金具を外し始める。
 ゾクっとして、全身が総毛立った。
「そんなものは私じゃなくても! 別に自分でもできるようなこと、人にやらせるというんですか? しかも私に!」
 麗華は反射的に講義する。
「自己測定では説得力がないんです。同じ言葉でも、専門家の解説と一般人の薀蓄とでは、一体どちらに説得力がありますか?」
「そういう問題じゃ……。だいたい、私だって一般人です」
「異論があるのはわかりますが、要するに自己測定ではなく誰かの手で測定を行う必要があるんですよ。集めたデータの信憑性を言い張るためには、測定法に一工夫加えましたという事実が必要なんです」
「それでも私にやらせる意味がわかりません! 看護師の人とか、そういう人達だっているはずですよね?」
 麗華の拒絶は切実なものだ。男性経験のない、恋愛経験すらない中学生が、肉棒に触れさせられるのだ。しかも精液採取ということは、手でシてあげなくてはいけなくなる。こんな形で性経験同然のものを積まされるなど真っ平だった。
「麗華! ちゃんと言う事を聞け!」
 担任が理不尽にも叱ってくる。
「お前には協力費用が支払われることになっているんだぞ? いい話じゃないか。貧乏なお前の家計が、これで高校や大学の学費を心配する必要がなくなるんだ」
「て、ですが……」
「麗華! 何もエッチをしろという話ではない。確かに男性器に触れることにはなるが、ここでやるべき事をやらなければ、契約内容が満たされない。逆にお前が違約金を支払うことになるぞ? お前の両親がな」
「そんな……。そんなことって……!」
 麗華は屈辱に歯噛みする。
「こちらにも面倒な事情がありましてね。検査担当者を付けての測定がなければ、文句を言い出す嫌な人間が私の世界にはいるんですよ。そうした人達に対する対策です」
「そういう理由なら、本当に私じゃない方がいいはずでは? 私は一般人で、中学生です。女子中学生にこんなことをさせて、対策になるというんですか?」
 気持ちとしては、やはり拒絶感だけが麗華の心を占めている。最もな反論も、全てはペニスに触るなど真っ平という思いからだ。
「観念した方がいいぞ? 麗華。はっきり言うと、中学生が検査を担当したなどとは報告されない。看護婦がやったことにされる。男性の世話だってする必要があるからな。ペニス一つもまともに見れない、触れないでは看護なんて成立しないケースもある」
「んな……!」
 麗華は唖然とした。
 今の言葉ははっきりと、麗華を性的に搾取すると宣言したのと同じである。汚い手を使い、裏に手を回してまで二人の大人は麗華を落とし入れたのだ。
 看護婦を使うという説明も、本来なら事実なのだろう。性器にも病気は存在するし、色んな患者のケースもあるのだろう。触れなくては話にならない状況自体はあるのかもしれない。だが、それこそを盾に看護婦に手を使わせ、ヌいてもらう。汚い欲望を叶えるための仕組みが実は存在するのではと、疑わざるを得なかった。
「いいか? もう一度言うが、それでもレイプまでしようってわけじゃない。あくまで検査を担当してもらえれば問題ないんだ」
 担任は強く念を押すように、麗華を説得にかかってくる。
「……あなた達は最低な人間です」
 麗華は低くそう返し、目を背けた。
「ええ、最低ですよ? こうして裏で毎年何人かは搾取していますが、表では何十人何百人と救っています。仮にあなたにワタシを排除できる力があったとして、さてワタシを排除することはどこまで合理的でしょうか。一人殺して百人救えるとしたら、合理的には正しいでしょう? もちろん、感情論は抜きにした話になりますがね」
 厚顔無恥な医師は悠々と語り聞かせ、それに麗華は冷たく返す。
「要するに、こんなやり方でしかハメを外せないってことですね?」
 医師はニヤリと笑った。
「やはり頭の回転が早いですねぇ? 麗華さんは。そうです。時には悪ふざけでもしないと、仕事なんてやっていられないという事です。ワタシは色んな患者の相手、先生は教師として生徒や保護者の相手――疲れます。色んな人間の相手をするという事は、それだけおかしな人間の相手もする羽目になりますからねぇ、全く苦労していますよ」
 そして、さらにこう語る。
「そこでです。人間相手という苦労の中、壊れてしまう人達はたくさんいます。うつ病とか聞いたことあるでしょう? ストレス障害というものもあります。真面目すぎて、ハメを外すことなんてしない人間ほど溜め込んで壊れてしまうのです。さて、ワタシだって仮にも百人救える人材の一人なのですが、それが壊れても構わないとお思いですか?」
「…………」
 麗華は答えない。ただ、睨み返す。
 言いたいことは理解できた。次に続ける言葉も予想ができる。休憩を与える役目を果たしてはいかがか、といった説明をしてくるのだろう。
「あなたの役目はワタシが壊れないようにすることです。ここにいる教師の方だって、大変苦労されていますからね。誰かが癒してあげる必要があるんですよ。休憩を与える役目だと考えるのはどうでしょうか?」
 想像通りの論理展開には笑いたくなった。
「拒否権は?」
「ありません」
 即答だ。
 そもそも違約金が発生する以上、拒絶する方がリスクが高い。汚い大人の手によって、そういう状況に落とされたというわけだ。
「だったら、私もハッキリ言います。やるのは検査に必要なことだけです。そこまでが私達の約束なんですよね? それ以上の行為に走るのであれば、例えリスクがあろうと私はあなた達の告発を考えます。何年かかっても」
 いや、どちらにせよ告発しよう。
 向こうが約束を守っている限り、こちらも今は言うことを聞いておくが、一度解放されればこちらのものだ。この汚い仕組みを破壊して、もっとまともな制度を作り出す。将来の野望が麗華の中に芽生えていた。
 だが今は、黙っているのだ。
 一時の感情だけで反発しても仕方がない。彼らに対する反逆はもっと、今日という日から解放された後で、長期的に行うのだ。
「了解しました。我々は汚い大人ですが、約束を守る程度の良心は保障しましょう。要求するのは確かに検査に関係のある行為のみです」
 そして、医師はベルトを外す。

 隆々と膨れ上がったペニスが麗華の眼前に突き出された。

 
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