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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》

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【第111話】

 
前書き
遅れました

サボってた訳ではなく村雲と天照の設定をちょっと書いてましたφ(..) 

 
――レゾナンス二階――


エスカレーターで俺達二人は二階へとやって来たのだが、どうもシャルの後ろに他に男がくっついて――というかシャルのスカートが短いからパンチラ狙いで来たのだと思うが、それを妨害するためにシャルを一段前に行かせて俺が背後に立つと、怪訝そうな表情で俺を睨んできた。

――覗きは犯罪だぞ、てかシャルも何かしら鞄持たせないとまずいな――。

等と思いながら二階の真ん中辺りまで移動した。

途中覗き男も流石に通報されたらまずいと思ったのかそそくさと居なくなったが……。

女尊男卑とはいえ、いまだにこういう事をする男も居るのだから驚きだ、社会的地位が無くなっても良いのだろうか?

……まあ、俺だってシャルのが見たくないと言えば嘘になるが――だからといって見せてくれって言ったらドン引きされるだろうしな…。


そんな馬鹿な考え事はさておき、俺はシャルに声をかけた。


「シャル、今日はシャルも水着を買いに来たのか?」

「う、うん。――あの、ヒルトはさ、その……僕の水着姿、見たい?」


そう此方を覗き込むように見上げるシャルの瞳は少し熱っぽく、気恥ずかしさからくるのかさっきよりまた頬が赤く染まっていた。


「み、見たいに決まってるだろ?せっかくの海なんだし、見たい、記憶したい!」


そう若干力強く言ってるとシャルの顔がどんどん赤くなっていき――。


「……ヒルトのえっち……。――でも……せっかくだし、新しいの買おうかな…僕」



言うや、何度か頷きつつも繋いだ手に軽く力を込めたシャル。

……どうせならシャルの水着も選びたいところだが、流石にこれはダメだと断られるだろうし、黙っておく。


「そういや、男と女の水着売り場って場所が違うんだよな…ここ」

「そ、そうなの?」

「あぁ……ならここでいったん別れて買いにいくか?」

「え?……ぇと……」


そう告げる俺に対して、シャルは何だか一緒に行きたい様な表情で此方を見てくる――。


「……シャル、一緒に行くか?」


俺がそう言うと、驚いた表情になるシャルだったが――。


「え?……いいの?邪魔にならない…?」


――と、少し申し訳なさそうな表情だが『着いていってもいいの?』と期待のこもった瞳で見つめてきた――心なしか、犬の尻尾があるなら、はたはたと尻尾を振って喜びを表しそうな感じに見えた――。


「あぁ、俺は水着選んで買うだけだし、そんなに時間もかからないだろ?その後に女性ものの水着売り場に行くって形で良いならだがな、これが」


笑顔で応えると、シャルもさっきと同じ様に何度も頷きながら――。



「うん…うん。じゃあ……一緒にいこっ?……えへへ」


喜び隠さず、表情に表すシャルを見て自然と俺も笑みがこぼれる――。


「じゃあ行こうぜ?」

「うん!」


力強く返事をしたシャル――繋いだ手を引いたまま、俺とシャルは水着売り場へと向かう。

道中、色とりどりの水着がディスプレイされていたが――今年の流行色だのトレンドだのあのアイドル達の水着がどうたら等書いていたが……あまり気にせずに移動した。

……念のため所持金は多目に持ってきたのだが、あまり無駄遣いも出来ない。

――IS学園の寮住まいなので食費や光熱費は全て国の金で賄われているから、基本的には出費は少ないのだが……。

前に一夏が『全てタダ、IS学園は何て素晴らしい場所なんだ』と言っていたが、国民の税金で食べてるのだから手放しで喜べないと思うのだが……まあ、能天気な一夏がそこまで気にすることはないだろう。

気にしていたのなら、無駄に人を馬鹿にするような発言もしないのだろうが……本当に何でモテるのかが不思議になる。

……ってまあ美冬いわく――。


『織斑先生の弟っていうのと、パッと見は爽やかイケメンだからじゃないかなぁ?私はお兄ちゃんの方が好きだけどね』


――という家族贔屓な意見を交えて言ったが…美冬も他の子にそう言った話をしないから本心はわからないそうな。


――等と考え事をしながら歩いているといつの間にか水着売り場に到着していた。


「ん、着いたな。それじゃあ選ぼう――」


そう言っている途中、突然俺の名を呼ぶ声が複数聞こえてきた。


「あれ?ヒルトじゃねえか?」

「お?そうだ、あの銀髪はヒルトだ。――おーい、ヒルトーっ」


そんな感じで水着売り場内から声が聞こえてきた。



「たっくんに信二か?――ははっ、久しぶりだな二人とも!」


水着売り場から現れたのは小学校中学校からの友達、成河拓斗と佐々木信二だった。

親友とまではいかないが、気の合ういい仲間で友達だ。

二人とも頭にはバンダナを巻いていて、ストリートダンサー風な服装だった。


「おっす、久しぶ――」

「今年の二月以来――」


と、二人とも言葉が途中で止まってあんぐりと口を開きっぱなしで驚いた表情をした――。


一体何事かと思い、そのまま二人を見ていると――。


「ひ、ヒルト!誰だよ、その子!?めっちゃ可愛いじゃん!!」

「くっそー!手なんか繋いじゃってさ!このリア充め!!」

「ん?――あぁ、シャルの事か」


手を繋いだシャルを見ると、突然の出来事に驚いた様子だった。



「ヒルトだけズルいぞ!こんな可愛い子とデートとか!」

「少しは学園の子を紹介しやがれっ!!」


そう懇願するかのように迫る二人に対して俺は――。


「無茶言うなよお前ら…――シャル、悪いな」

「え?――ううん、大丈夫だよ?」


――とは言うものの、やはり微妙な笑顔のシャルだが。


「んんっ!――ったく、相変わらずだな、たっくん?信二?」

「当たり前だろ?だから今年の夏は海に繰り出そうと思ってな!」

「ああ、いつもなら地元で買おうと思ったが今日は此方に探しに来たって訳さ――それよりさヒルト?そろそろ俺たちを紹介しても良いんじゃ……」


――と、信二がシャルの方をちら見しながら言ってくるので仕方なく紹介する事にする。


「はいはい、わかったよ。――シャル、この二人は俺の小学校からの友達で左から『成河拓斗(なるかわたくと)』、『佐々木信二(ささきしんじ)』だ。――んでたっくん、信二。此方は俺のクラスメイトでフランスの代表候補生の『シャルロット・デュノア』だ。くれぐれも粗相の無いようにしてくれ、国際問題になったら敵わん」


念のため二人に釘を刺す、シャルは代表候補生だからな…。

そう言うと、たっくんはニッと白い歯を出しながら笑顔で――。


「大丈夫だってヒルト!――シャルロットさん、俺が成河拓斗。ヒルトからは小さい時からたっくんって呼ばれてます!よろしく!」

「そして俺が佐々木信二、ヒルトとはよく遊んでたんだ。よろしくな!」


そう二人が言うと、握手を求めるようにシャルに向かって手を差し出した。


「えと……成河君に佐々木君だね?僕はシャルロット・デュノアです。よろしくね?」


笑顔でいつも通り応えると、シャルは空いた左手で二人と握手を交わした。


「あぁ!―――くぅぅーっ!こんな可愛い子と握手しちゃったぜ!俺、もうこの手洗わねぇッ!」

「俺も俺も!つかIS学園レベル高過ぎだろ!?ISジャーナル見てても可愛い子ばっかだしさ!!……まあ最近の特集が織斑一夏って奴ばかりだから不満だが」


――二人とも、手ぐらいは洗った方がいい気がするぞ?

まあISジャーナルに関しては同感だが――。


「てかさ、普通特集するならヒルトからじゃねぇのか?」

「そうだそうだ!何で二番手の織斑一夏ばかり特集するんだよ!ヒルトの特集すれば俺達が色々語るのに!」

「それはやめてくれ二人とも。――一夏に関しては、織斑千冬の弟だから特集が組まれるんだろ?」


そういうと納得するかの様に頷く二人――。


「そうだった、初代ブリュンヒルデの弟だからか」

「でも、少しはヒルトの特集しても良いと思うのにな?――まあ美冬ちゃんの特集でもいいけど」

「やめろって、美冬を見せ物にする気は無いんだからさ、俺は」



事実、妹を見せ物にされても俺が嫌だ。

まあ未来でも嫌だが――。

――と、突然たっくんが口を開いた。


「あっ、ヒルトわりぃな。デートの邪魔して、俺達これから海に行くんだ」

「そうそう!ついでに新しい海パン買いに来たって訳。そしたらヒルトっぽいのがここの前に来たから声をかけたって訳さ。まさかヒルトが女の子とデートしてるとは思わなかったが――中学の時、女苦手って言ってたし」

「……今思うとさ、女が苦手ってよりも『中学時代の同期の女』が苦手だっただけかもな。――てかデートじゃないって、来週から臨海学校あるから水着買いに来ただけさ、シャルに誘われてな」



そういうと二人は互いに顔を見合わせて、やれやれといった表情で――。


「まあいいや、じゃあなヒルト。夏休み時間が合ったら遊ぼうぜ?」

「俺も拓斗も何時でも空いてるから、呼んでくれれば何時でも駆け付けるぜ!」

「……だな、学園の用事が無かったら連絡するよ」


そう告げると二人ともニッと笑顔になり――。


「じゃあなヒルト!シャルロットさん、また会おうね~」

「たまにはメールもくれよな、ヒルト!またな!!シャルロットさんもヒルトの事よろしくねー」


言うや二人は俺達に手を振って水着売り場を後にした。


「……ヒルトの友達って、好い人っぽいね?」

「まあ悪いやつ等じゃないさ。女尊男卑な世の中でも、変わらずに人生楽しんでるって感じだしな――あいつ等に会ったら何か久しぶりに『アイツ』にも会いたくなってきたな…」


そんな風にぽつりと言葉をこぼすとシャルが――。


「ヒルト、『アイツ』って誰の事?」

「ん?――俺の親友だよ――さて、水着買うか、ちょっと時間食ったからな」

「そうだね?――僕も一緒に見ても良い?」

「構わないぞ?じゃあ見るか」


そう言って俺とシャルは水着売り場へと入っていった――。 
 

 
後書き
ヒルトの男友達出しました

こういうのもちゃんとまとめた方が良いのかな…

早めに書けたら書いていきます 
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