IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
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【第124話】
前書き
ちょいオリジナルと原作で出なかった一人で居る篠ノ之との遭遇話
死角の多い場所を、キョロキョロと見渡しながら進んで行くと三角座りしながら海を眺めている女子を発見した――篠ノ之だ。
足音に気づいた篠ノ之が、俺の方に視線を向け、ハッとした表情になるものの直ぐに表情を戻して興味を無くしたのかまた海側へと視線を戻した。
そんな篠ノ之を、俺も流石に心配になり声をかける。
「篠ノ之、気分でも悪いのか?」
「…………」
声をかけるが返事は無く、視線はそのまま海側へと向いている。
「ここに居て熱中症になると危ないぞ?飲み物とか持ってるのか?」
「………るさい……」
小声で何かを呟いた篠ノ之、だが波の音でかき消され、俺の耳にまでは届かなかった――。
「……?何だ?」
そう俺が再度聞いてみる――すると篠ノ之は……。
「五月蝿いと言っているのだ!!――すまないが……私の事は放っておいてくれないか……」
突然の怒声に面を食らうが、流石に悪いと思ったのかすまないと謝る篠ノ之――罰が悪そうに視線を逸らし、また海側へと向き直した。
「……わかった。でも無理するなよ?」
「……………」
そう伝えるが返答は無く、俺は頭をかくだけだった。
「……一夏なら向こう側に居るからな?……じゃあな」
「…………」
それだけを告げ、俺は篠ノ之をその場に残して場を去った。
しかし……構いすぎなのかな、俺は。
だが、やっぱり篠ノ之は少し孤立気味だからなぁ…。
美冬に聞いたが、風呂でもあまり話さないらしい、他の子達とも。
……まあ時折は気にかけないとな、名ばかりのクラス代表だが……仲間なんだし。
篠ノ之の事が気になりながらも、更に少し進んだ所に行くと未来を見つけた。
――未来の視線の先を見ると、遠方に揚陸挺らしき物が何だか四メートル程の【何か】を運んで海上を進んでいた。
――明日のISの装備関連だと思うのだが……。
……にしては、遠方だからよくわからないが【手足】があるように見える。
そして、またその揚陸挺をうろうろしている【ISらしきもの】が気になる……。
……普通のISとは違い、完全にフルスキンタイプ――というか、フルアーマーにしか見えないタイプだ。
それに、およそ二メートル半程に見えるのが気になる――比較対照をさっきの四メートル程の【何か】と比べたらの話だが。
気にはなるが考えても答えは出ず、考えを止めると共に未来に声をかける事にした。
「おっす、未来」
「キャッ!?――ひ、ヒルト……?」
俺が来たのに気付き、驚きの声をあげて恥ずかしいのか胸を隠す素振りを見せた。
――珍しく未来はビキニを着ていた、それも白と青の縞柄。
その豊満な乳房からはみ出そうな――というか、下乳が出てるが。
セシリアよりも大きなそれが、更に強調されていて見事な胸の谷間を作っていた。
「捜したぞ未来?セシリアも向こうで待ってるから一緒に行かないか?」
「……で、でも…恥ずかしいし……」
そう言うや、俺に見られるのが恥ずかしいらしく、屈んで此方を見上げるように見つめる未来。
「……てか何でビキニ選んだんだ?いつもはフリフリの付いたような水着だったのに」
「そ、それは……その……」
――と、何やら言いにくそうにしつつも、恥ずかしいのか頬を桜色へと染めていく未来。
そんな未来を俺は不思議に思いつつ、言いにくいならこれ以上追及しても酷だろうと思い素直に水着を褒めることにした。
「まあいいさ、言いにくいなら無理に言わなくても――それよりもさ、今回の水着、凄く可愛いな?」
「へ……?――――いつもは馬子にも衣装って言う癖に……」
むぅっと上目遣いで睨んでくる未来――。
だが更に頬は紅潮し、落ち着かないのか両方の親指でくるくると交互に回していた。
それは…面と向かって未来に言いにくいというか……。
「……てかよくよく聞いたら水着『しか』褒めてない気がするんだけど…」
「そ、そこは俺の言葉が足りなかっただけだってば!――でも、似合ってて可愛いって思ったのは本当だぞ?」
「え――ば、ばか……」
そんな驚きの表情を見せるが、かぁーっと更に顔が赤くなった顔を見せないように背け始めた。
そんな未来を可愛いなと思い、頭を撫でようとするが俺の手は不意に止まる。
――思考に過るのは、好きでもない男に頭を撫でられても未来は嫌がるのではないか……と。
これまで散々撫でたりしていたが、よくよく考えたら未来には好きな相手が居るんだよな……。
頭を撫でようとし、空に浮いていた手を引っ込める――未来自身はそれに気付かず、視線を外したままだった。
――未来の好きな相手って誰なんだ…。
幼なじみとはいえ、聞くことが出来る内容と聞けない内容もある。
――これは、聞けない内容だ……少なくとも俺の中では。
急に黙った俺を心配してか、未来が顔を覗き込む――。
「ヒルト、大丈夫…?」
「わ――か、顔が近いって…」
「あ――ご、ごめんっ」
互いに意識しあったのか、俺も顔に熱を帯びるのを感じ、未来も顔が赤かった。
「――うふふっ♪」
「――ははっ」
互いの顔が同時に赤くなったのが可笑しく、俺と未来は同時に笑みが溢れた。
「さあ未来、行こうぜ?別に恥ずかしがるような変な水着じゃないんだ――まあ、お前のでかいおっぱいがはみ出そうなだけで」
「も、もぅっ!!好きで大きくなった訳じゃないんだからっ!!――もぅ…」
「怒るなって、ほら」
「あ――……あり…がとう……」
座っている未来に手を差し伸べると、俺の手を掴む未来。
そのまま勢いよく立ち上がらせると、未来の豊満な乳房が弾み、一瞬ドキッとするが平静を装い俺は――。
「それじゃあ戻ろうぜ?向こうじゃビーチバレーしてるしな」
「そうだね。――じ、じゃあ…いこっ?」
そう促され、手を繋いだまま俺と未来はその場を離れた。
途中、まだ篠ノ之もあの場に居るなら誘おうと思ったのだが既にその場には居なく、この時はもう皆が居る場所に戻ったと思い、俺は気にしなくなった――。
後書き
この話が上がる頃、地元は祭りという
買い物がやりにくくなるのが
――話は少し変わりますが、前々から気になってた洋画のリアル・スティールを購入
若干ネタバレになりますが、二世代のATOMがチャンピオンのゼウスにダウンさせられ、何度も立ち上がるその姿に、感動した
親子の関係がATOMを中心に改善されるのも、俺自身としては凄く良かった
というプライベートな事です
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