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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》

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【第117話】

 
前書き
早めに書けたので上げました

とりあえずブレスレット渡すところです

THE駄文ですのでお気をつけて 

 
――駅構内――


既に太陽が半分ほど落ちた夕方――学園行きのモノレールを待っているのだが……まだ俺はシャルに今日のお詫びとお礼を兼ねたシルバーブレスレットを渡せずにいた。

パッと渡して済ませれば良いものの、いざとなるとどうすれば良いのかがわからなくなる……。

ヘタレだな、俺。

そんな自分自身に嫌悪しつつ、いつ渡すか――今でしょ!的な某先生とのやり取りが頭の中を駆け巡って二十日鼠状態。

――と、セシリアとラウラが。


「あ、あの……ヒルトさん?…少しの間、荷物を預かってていただけませんか?」

「わ、私も預かっててくれないか?」


何やらそわそわしながら二人とも荷物を預かってほしいと言うので、俺は快く承諾する。


「構わないぞ?――ちゃんと責任持って預かるから」


言うや、荷物を受けとると二人は――。


「そ、その、直ぐに戻りますので…」

「う、うむ……私もすぐ戻る」


そう簡素に言い、そそくさとその場を去っていくセシリアとラウラ。

……急遽、シャルと二人きりになった俺は、渡すチャンスと思いつつも、なかなか緊張していて声をかけづらい状況に陥っていた――と。


「ヒルト、どうかしたの…?何だかさっきから少し様子が変だよ?」

「う?――な、何でもないぞ?……うん」


「そう…?ならいいけど……」


そう言い、シャルは俺から視線を離して広告を眺め始めた――その広告は、IS学園への入学の事が書かれた広告だ。

――誰かはわからないが、学園制服来てにこりと微笑んでいる。

……男子も入れるなら効果が高そうだが、入学出来るのが女子だけだもんな――てか二年から整備課があるなら一年から作って男子はそこに入れれば共学に出来て一夏も喜ぶだろうに――。

……そんなどうでもいいことよりも、やっぱり今のうちに渡す方が良いよな。

そう思い、一旦軽く呼吸を整えてシャルに声をかけた。


「……シャル、ちょっといいか?」

「え?――どうしたの、ヒルト?」


広告を眺めていたシャルは、顔だけを此方に向けると笑顔で――。


「ち、ちょっとここでは何だから……一緒に来てくれるか?」

「え?――いいけど、セシリアやラウラはどうするの?」

「そ、そんなに時間はかからないから大丈夫だ。――直ぐに済むから」

「う、うん……」


そう小さく頷き、返事をしたシャルを促して駅構内奥側へと移動する――もちろん、二人から預かった荷物を持ったまま。

ある程度進むと、この辺りでいいかと思い、歩くのをやめてシャルの方へと振り向く――それと同時に一旦預かった荷物を足元に置いて、俺はアクセサリーショップで買ったシルバーブレスレットの入った袋を取り出すと――。


「そ、その……今日は誘ってくれてありがとう、シャル」

「え?――ううん、僕の方こそ、急に誘ってごめんね?――僕ね、ヒルトに断られるんじゃないかと思ってたけど……ヒルトが『俺なら構わないぞ』って言ってくれたのが、凄く嬉しかったよ」


買った水着が入っている袋を胸に抱き、頬を赤く染めながらシャルは笑顔で言った――正直、そのシャルの仕草が可愛くてドキドキした。


贔屓してはダメだと思いつつも、やっぱりお礼はちゃんとしないといけない――。

中途半端な優しさは、結局皆を傷付けるだけなのは理解しているが――まだ俺は、よくわからないのが現状なのだ。

――告白された訳じゃないから、皆の本心はわからないのだがやはり多少は好意がなければ――とも思うわけで…。


「その、さ。二人で買い物ってのが途中で出来なくなったお詫びと、今日誘ってくれたお礼なんだが……受け取ってくれるか?」


身体中の体温が上昇するのを感じ、シャルから顔を背けつつ俺はシルバーブレスレットが入った小袋をシャルに差し出した。




突然の事に、シャル自身も少し驚いているのが少し確認出来た――そして、受け取るとシャルは――。


「ヒルト……開けてもいいかな?」

「か、構わないぞ…。――き、気に入らなかったら言ってくれ。こ、こういうのは、何を贈ればいいのか俺には解らないから…」


既に俺自身、テンパっているので自分でも何を言ってるのか理解できずにいた。

そして、袋からシャルがブレスレットを取り出すとそれをただ、じっと眺めていた。

何も言わずに眺めていたので、内心やはり気に入らなかったのかなと思い、口を開こうと思っていると先にシャルが――。


「……どうしよう…僕、ヒルトからプレゼント貰えるなんて思ってなかったから……」


そう言うシャルの目から、スッ……と涙が溢れた――。

それを見た俺は、思わず――。


「な、泣くなよシャルっ。――や、安物何だし……逆に申し訳ないっていうか……その……と、とにかく涙を拭きなよっ」


言って、俺はポケットからハンカチを取り出すと、それでシャルの涙を拭うように拭き取る。



「ご、ごめんねヒルト。――……これ、大事にするからね?――ありがとう、ヒルト」

「あ、あぁ……」


涙を拭き取ると、笑顔でお礼を言うシャル。

贈って良かったと思いながらも、もう少し良いものを贈れば良かったという思いもある――でも、シャルなら何となくだが、大体の物なら喜んでくれる様な気がしないでもない。


――と、シャルがブレスレットを貰って嬉しかったのか。


「ヒルトっ。ブレスレット着けてもいいかなっ?」


テンションが上がっているのか、もう直ぐに着けてみたいようなので――。


「ん、構わないぞ?」

「えへへ、じゃあ着けるね?」


取り出した袋を丁寧に畳むと、シャルは直ぐ様左手首にブレスレットを着けてそれを眺める――。


「……えへへ。ヒルトっ、ありがとうっ」


本当に嬉しかったのか、シャル自身、何度も俺にお礼を言ってくれた――。

贔屓はダメだとは思っても、こうして喜ぶ姿を見ると何だか嬉しくなる。

――もちろん、美冬や未来もシャルと同じぐらいプレゼントしたときは喜ぶのだが、二人以外でこうしてプレゼントを喜んでくれたのはシャルだけだからかもしれない――。


いつまでも喜んで手元を眺めるシャルを、俺は嬉しそうに見ていた――セシリアとラウラが探しに来るまで。

その後が大変だったが……二人とも頬を膨らませて機嫌が悪くなって、帰りのモノレール内でも少しの間、口を聞いてくれないぐらいに――。 
 

 
後書き
次から原作通りにいきます

――そして、まだ天照が書けてないという罠

どうするかな…φ(..) 
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