IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
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【第123話】
――砂浜――
女の子達の遊ぶ声が聞こえる中、俺はセシリアの一連の動作に目を奪われていた。
そして、寝そべったセシリアが――。
「さ、さあ、どうぞ?」
「……あ、…うん…」
紐解いた水着は、ビニールシートとセシリアの身体に挟まれているだけの状態であり、セシリアは無防備な背中を見せている。
目に見えるのは、自身の身体に潰されて形を歪めたセシリアの胸――ちらりと脇の下から見えているため、気持ちが落ち着かない。
散々例え話をセシリアにしておいて、いざ目の当たりにすると流石に触るわけにはいかないと思ってしまう。
セシリアの持ってきたサンオイルを手で温めつつ、再度セシリアを見るのだが――俯せに寝そべっているせいか、肉付きの良いしっかりとしたお尻が目に移り、思わず視線を逸らしてしまう。
――更に、下の水着の方も露出度が高く、喜ばしい事なのだが――今の俺の状況だと心臓の鼓動を加速させる要因となり、身体の体温が上昇するのを感じた。
逸らした視線の先に移るすらりと伸びた脚も、落ち着かない――さっきまで肩車していたことを思い出すと、口から心臓が出る思いだった。
「そ、そ、それでは…塗らせていただきます……」
「は、はぃ……どうぞ…」
「……お兄ちゃん、もしかして緊張してる?」
「あ、当たり前だろ!?……くっ…美冬や母さん以外では初めてやるんだからな…」
「うふふ、何だかいつもと違うヒルトさんは新鮮ですわね…♪」
覚悟を決め、程よく温めたサンオイルをセシリアの身体へと塗っていく――。
変なところを触らないように気を付けつつ、ゆっくり塗っていくのだが――セシリアの素肌がすべすべしていて、塗っている間も全く落ち着かずに頭が沸騰する思いだった。
「んん……。ヒルトさん、良い感じですわ……」
「そ、そう?へ、下手くそだと僕は思うのですが!?」
正直、頭が沸騰し過ぎてこの時の俺は言葉使いもおかしく、他の人が見れば変に思っていただろう――だがセシリアは、そんな俺を察してか。
「うふふ……緊張なさらないでくださいな。貴方の手…凄く良い感じですもの」
「……は、はぃ…」
そう言うセシリアだったが、今の俺には余裕がなく、曖昧な返事をするだけだった――。
肩から背中にかけて、ゆっくり塗り――そして腰辺りまで塗っていくとセシリアが――。
「……ヒルトさん…もっと下の方もお願いしますわ」
「し、下?――脚…だよな?」
「あ、脚もそうですが……その、他の手の届かない箇所もお願いしますわ。………お、お尻…も…」
「にょっ!?……セシリアの…お尻……」
そう呟くと、自然と俺は視線をセシリアのお尻へと向く――。
さっきも見た通り、セシリアの肉付きの良いしっかりとしたお尻がそこにあった。
――多分、あれを触ったら俺は色々不味いだろう……。
少し冷静になったのか、俺の頭もさっきよりは回るようになり、どうしたものかと悩んでいると美冬が――。
「セシリア、流石にお兄ちゃんにそこまでさせちゃうと後が大変になっちゃうよ?だから私が代わりにしてあげるね?」
「え?ちょ、ちょっと美冬さん――ひゃあっ!?」
サンオイルを手で温める前に、美冬は思いっきりセシリアのお尻にサンオイルを塗りたくる。
その様子は一見じゃれあっているのだが、美冬の手付きがセシリアのお尻を揉みしだく様な手付きで思わず視線を逸らす。
「ひゃんっ…!み、美冬さん……っ、も、揉まないでくださいな……はぅんっ…!!」
「ふふっ、セシリアったら可愛い声で……何だかゾクゾクしちゃう…♪」
クフフ…と、小悪魔っぽく笑みを浮かべながらまんべんなくサンオイルを塗る美冬――何だか見てはいけないような気がしつつ、喘ぐセシリアを見てしまう。
「ひゃっ……あっ…あぁっ…んっ!――み、美冬さん…いい加減になさってくださいな…!」
悶えていたセシリアは、少し怒った表情で身体を起こす――すると、身体から離れていた水着は下へと落ちていき、そのセシリアの乳房が露に――。
「あっ…!」
「え――キャアアッ!?」
慌てて両腕で胸を隠し、そのまま踞るセシリア――。
「せ、セシリア――これを羽織れ……」
念のため持ってきていた簡素な鞄から、バスタオルをセシリアに羽織らせて、露になった乳房を隠す。
――まあ俺は見えたんだが…うん。
……シャルのとはまた違っていて――。
そんな疚しい妄想を遮るように、セシリアが――。
「うぅ……ヒルトさん…見ました…?」
そう涙目で見上げるセシリアに対して、俺は正直に答えた――。
「あー……悪い、正直に言うが見た。――美冬、謝れよ?」
「う、ぅん……。セシリア……ごめんね?少し調子にのっちゃった……」
流石にやり過ぎたと思っているらしく、美冬はセシリアに頭を下げた。
――しかし、さっきのはエロかったな……セシリア。
……色々ヤバいから妄想は止めておこう、てか妄想してる場合じゃないし。
「セシリア、美冬を許してやってくれないかな?……ダメか?」
「……うぅ…ヒルトさんに見られたのが…恥ずかしいですわ…」
「う?――ご、ごめん……でも、綺麗だった……ぞ?」
「え?――――そ、そうですか……美冬さん、あとでわたくしにもサンオイル、塗らせてくださいませ」
「はぅっ…。――わかったぁ……本当にごめんね、セシリア?」
「も、もう良いですわよ?わたくしも、気に致しませんから」
言いながら、羽織ったバスタオルの下から水着のブラを着けると、羽織ったバスタオルを俺に差し出すセシリア。
「あの……ヒルトさん、バスタオルありがとうございました」
「いや、良いんだって…。俺も不可抗力とはいえ見て悪かったな?」
「~~~~~~っ。――い、言わないでくださいな……」
やはり見られたのが恥ずかしかったらしく、言えば両頬に手を当てて顔を赤くし、悟られない様にと顔を背けるセシリア。
――と、セシリアが疲れたのか。
「何だか少し疲れましたわ……美冬さん、前を塗ってくださるかしら?その後は後で何かご一緒にお飲み物でも――」
「うん、もちろんいいよ?――さっきは本当にごめんね…セシリア?」
「うふふ、もう怒ってはいませんわよ?――友達、でしょ?」
「うぅ~~っ、セシリアぁ~~」
若干瞳を潤ませて、セシリアに抱きつく美冬――。
「ん、良かったな美冬。――二人とも、飲み物もらったら暫くここに居るのか?」
「えぇ、ここで暫く二人でお話しますわ。専用機の事もお訊きしたいですし」
「あ……専用機かぁ…。お母さんに伝えたんだけど結局持ってきちゃったって言ってたなぁ…」
そんな感じで呟く美冬を、不思議そうに見るセシリア。
「何にしてもここに居るなら、俺はちょい未来探してくるよ」
「えぇ、わかりましたわ」
「りょーか~い……じゃあ、前塗っちゃえ~~」
「ちょ、ちょっと美冬さんっ。ま、また――ひゃああっ!?」
「……美冬、自重しろよ。じゃあ後でな」
またじゃれあうようにサンオイルを塗る美冬、塗られてくすぐったいのか時折セシリアの笑い声を背に受けながら未来が向かった場所へと移動した――。
途中、海側を見ると一夏と鈴音が遠方のブイを目指して泳ぐのを見、仲が良いなと思いつつ、視線を戻してまた再度歩き始めた――。
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