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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》

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【第九十六話】

 
前書き
下手くそな駄文ですが、またまた見てくださってありがとうございます

オリジナリティを考えても考えてもスピンオフぐらいの話しか思い付かないので

ヒルトの親父の話でもと思ったのですが――思いっきり残虐シーン入りそうなので気が向いたら書きます 

 
――シャワー室――


シャワーヘッドから飛び出す温水――少しぬるめのお湯がまた心地よく、その温水は俺の頭から脚まで覆っていくように流れていく――。


「ふぅ……気持ちいいな…疲れはとれないが」



そんな俺の独り言はシャワーから流れる温水によってかき消されていく――。

いつもはただ考え事をしながらシャワーを浴びているのだが――まあ色々あったからな、今日。

――謎空間での出来事とか……そういやシャルルにその事聞くのを忘れてたな。

――だがそれよりもラウラの容態の方が気になる……。

ISならまた作ればいいが、人間はそうはいかないからな…実は怪我してるって事もあるだろうし…。


――ふと、背後で脱衣場兼洗面所の扉が開く音が聞こえたような気がするが、まずあり得ないだろう。

シャルルは女の子だからな、男の裸をまさか見たいとは――とも思ったが、そういえば前に見られてた気がしないでもない。

……まあ幻聴だろ、疲れも溜まってるし……てか幻聴といえばあの【女の子】の声だよな…。

プライベート・チャネルでもなく、何だか心の中で会話をすると頭に響いてくるような……。

――でもそれなら今、こうやって考え事をしてるから話しかけてきてもいいはずなのだが、何も起こらないし……。



考えても考えても答えは見つからず、ある意味で俺の頭の中ではもやもやとしたままの状態だった――と、今度はシャワー室の扉が開く音が聞こえた気がした、それも少しだけ開くような音が。

ちゃんと閉めなかったのかなと思い、顔だけ振り向くと――。


「お、お邪魔します……」

「……なんだ、シャルルか。いいぞー」


そう何事もなく、よく状況も理解せずに出た言葉だった。

………………。

そしてふと思う、何故シャルルの声が聞こえて、それもお邪魔しますという言葉が俺の耳に届いたのか。


そして、また恐る恐る顔だけ振り向くとそこに居たのはやはり――。


「しゃ、シャルル!?ちょ!ええっ!?」

そんなテンパる俺の声と、シャワーヘッドから飛び出す温水が打つ音だけがシャワー室を木霊した――。


「ば、バカッ!何で――うぁ…」


ごくりと生唾を飲む音が酷く大きく聴こえた気がする。

声を小さくあげると共に、その起伏に富んだボディラインが俺の心臓の鼓動を加速させていく――。

身体には薄手のスポーツタオルのみを巻いているだけで白人の白い肌が透けて見えるのだがそれ以上にまずいのが、その起伏に富んだボディライン――薄手のスポーツタオルの上からでもわかるぐらいスタイルがよく、更に美しい脚線美を備えた脚がより良く、シャルルのスタイルを十代女子の平均以上のスタイルに見えた――。
そんな俺のまじまじとした視線に気恥ずかしくなったシャルルは――。


「……あ、あんまり見ないでよ…。ヒルトの…えっち……」

「だああっ!?この状況で見ない方法なんて壁側向くしかないじゃないかっ!!」


言うや、くるりとシャワーヘッド側へと振り向く――。

冷静に今の状況を理解しようと思っても、先ほどのシャルルのスタイルが目に焼き付き、嫌でも反応する男性の欲望の塊――それも痛いぐらい突起してるという――てかヤバい、この状況は理性が持ちそうにない。

てかよくよく考えると、俺は今シャルルの方に俺の尻を丸出しじゃねぇかっ!!


「で、出る!流石に一緒はまずいし、てか先に入りたいなら言えよな、シャルル!?」


そう言い、若干テンパりながらシャワー室を出ようとすると、シャルルが俺の腕を絡ませるように掴む――と共に、形の良いシャルルの乳房がタオル越しに挟まるように沈んでいく。


「ひ、ヒルト……僕が一緒だと、イヤ……?」


その声に顔だけ振り向くと、眉は八の字に下げ、白い頬は真っ赤に染まり、瞳は微かながら潤んでいるようにも見えた。


「い、イヤじゃないぞ!?だが健全な男女で高校生の俺達だ!こんなシャワールームでタオル一枚だけの女の子と一緒だと理性が持たないし絶対まずい!!」


言葉ではそうは言うものの、腕から伝わるシャルルの乳房の柔らかさが全身に伝わるように徐々に理性が崩壊していく音が聴こえる気がした。


「そ、そのね?せっかくだからヒルトの背中を流してあげようかなって。――め、迷惑だった…?」

「め、迷惑じゃねぇよ!?お、女の子にそういう事されるのは凄く嬉しいことだが――」

「じゃ、じゃあ背中洗わせて…?そ、その…大事な話もあるから…」


そう言うシャルルの眼は真剣な眼差しだったが、やはり気恥ずかしさが残るのか頬は先ほどと同じく赤いままだった。


「だ、大事な話?ここじゃないとダメなのか?」

「う、うん……ここなら誰かが入って来ることないと思って…」

いやいや、鍵しめてるから大丈夫だと思うのだが――。

だが、多分そう言っても色々理由をつけそうなので言わないでおく。


「わ、わかった。ここで話を聞くが、洗い終えたらシャワー室から出るからな?シャルルは女の子なんだから、嫁入り前に好きでもない男子にこんなことするなよな?」

「……ぅん………鈍感なんだから…バカ…」


小声で何かを言ったシャルルだが、シャワーヘッドから流れ出る温水の音でかき消された為、流石にわからなかった。


大人しく座り込むと、シャルルは用意していたボディーソープを使って俺の背中を洗っていく――。



「…ヒルトの背中、何だか前より大きく感じる……」

「そうか?――てか美冬も未来も同じ事言ってたな…今日の試合後にだけど」

「……そっか。――ごめんね、ヒルト…」


背中を洗いながら声は申し訳なさそうに言って謝ってきた。


「何がだ、シャルル…?」

「……今の状況の事だよ」

「ん……構わないさ。ただ…俺が弱味を握って色々やるような卑怯な奴だったらシャルル、今頃危なかったんだから気を付けろよ?他のやつにこんなことしたらマジで犯されるからな…?」



等と至極真っ当な事を言ってるつもりだが、情けないことにさっきから欲望の塊は構築されていて説得力0の状態、冷静になっても今の状況は裸の男の背中をタオル一枚だけ巻いた女の子が背中を洗ってるという状況なので、理性が完全崩壊するとシャルルにとってトラウマしか残らない状況になるかもしれない。

だからこそ今願うのは大事な話も早く終わって、背中を早く洗い流して欲しいと願っていた。

だが――そんな中シャルルは――。


「……他の男の子にこんなことしないよ…僕?……ヒルトだから……してあげたいって…思ったの……」


ごしごしと洗う音が聴こえる中、俺はその言葉の意味を理解する事が出来なかった。

冷静に考えられる状況じゃないという事実――色々と考えても冷静に考えられないのでさっき言ってた大事な話の話題に無理矢理変えることにした。


「と、ところでさ!大事な話ってなんなんだ、シャルル?」


「あ……。その、前に言っていた事、なんだけど…」


前に言っていた事……どれだ?

学園に残る事だろうか…?


「…違ったらごめん。学園に残るって話の事か??」


自信無く、少し声が小さくなった俺…。

だが、それで当たっていた様でシャルルは言葉を続けていく――。


「そ、そう。それ。――僕ね、ここに居ようと思うんだ。……それに、僕はまだここだって思える居場所を見つけられてないし…、それに……」


そう言うと急に口を閉ざすシャルル。

背中を洗う音も止み、シャワールーム内は静寂に包まれていく――。

その静寂が、また俺とシャルルが二人きりでシャワールームに居るという事実を突きつけてくるように徐々に――徐々に俺の心臓は早鐘を打つかの様に鼓動していった――。

だが、次の瞬間、更に心臓の鼓動を加速させる事態が起きた。


シャルルの柔らかく、弾力のある細い腕が、俺の身体を後ろから回すようにして抱き締められたのだ――ラウラを助けるときに、俺も前からシャルルを抱き締めたのだがあの時は疚しい気持ちなど一切無く、シャルルの身体つきも無理矢理男性に見せるように作られた特注のISスーツによって肌の柔らかさ以外は殆ど男子と同じ様に可能な限り平らな胸だったのだが、それも今は無く、タオル越しとはいえシャルルの胸が俺の背中にその柔らかさを伝えると素直に身体が反応した。


「しゃ、シャルル――」


かろうじて保っていた理性が崩壊しかけるなか、俺はシャルルの名前を呼んだ――だが、それを遮るようにシャルルが言葉を口に出す。



「……ヒルトが、ここに居ろって――そう言ってくれたから。そんなヒルトがここに居るから――僕も同じ様にここに居たいと思えるんだよ」

「そう…か…」


――シャルルにとっては嬉しい事だったのかもしれない。

だが現状…問題を先送りにしてるだけという状況が俺の心を痛めた――。

人によっては三年間、考える時間があると思うだろう。

だが俺には、たったの三年間しかないとしか思えない。

自由国籍権が現状無理な状況だと、母さんが言ってた国際結婚でその国の国籍を取得ぐらいしかシャルルを助ける手立てがない。

――俺自身はフランス政府に身売りしてもいいのだが、それだと余計シャルルを傷付ける結果にしかならないという事実。

国際結婚にしても、シャルル自身が相手を好きになって、その相手もシャルルが好きにならないといけないし……。

結局、俺は遠回しでじわじわとシャルルを傷付けてるだけなのかもしれない。


もちろん、シャルル自身の思い全てを聞いた訳じゃなく、俺が勝手に心を痛めてるだけなのだが――だが、ちゃんと解決出来るように色々と調べてみようと改めて俺は思った。


そう結論付けていると、シャルルは更に言葉を続けていく。


「それに、ね。もう一つ決めたんだ」

「……?何を決めたんだ、シャルル?」

「ふふ。――僕の在り方だよ。――ヒルトが教えてくれたんだよ?」

「……いや、俺は何も教えてないさ。シャルルが――君自身が自分の在り方を決めたんだ。何かは知らないが――多分、俺はそのきっかけを作っただけなんだと思う」



事実、俺はきっかけしか作ってないと思う――。

その在り方を決めて、その道を進もうと決めたのはシャルル自身――自分で決めたのだから――どんな在り方かはわからないが。


「ふふ。でも――ヒルトが教えてくれたから。きっかけ何かじゃなく、ヒルト自身が僕の在り方を――その道へ導いてくれたんだよ…」

「……そうか、そう言ってくれるのはありがたいな」

「ふふ。――そ、それとねヒルト。一つ…お願い事があるんだけど…いいかな?」


遠慮がちに言うシャルルは、きゅっと軽く腕に力を入れるように――そして更に背中にむにっと押し付けるように抱き締めてきた。


「……ブランド物のバッグが欲しいとかは勘弁な?」


「そ、そんなこと言わないよっ!もぅ…バカヒルト…」

「いや、何だか遠慮がちに言ってくるから…まあブランド物のバッグじゃないなら構わないさ。――言って構わないぞ?」


そう俺が言うと、ゆっくりと口を開き――シャルルは言った。


「……お願い事ってね。その……僕の自分勝手な我が儘なんだけど……ヒルトには…。――ヒルトには僕の事を……『シャルロット』って…そう呼んでほしいの…」


「シャル…ロット?」

「うん……シャルロット。――お母さんがくれた…僕の本当の名前――だから、ヒルトには……僕の事をシャルロットって呼んでほしいの…ダメかな……?」


そう言ったシャルル――ではなく、シャルロット。

シャルロットのお母さんが名付けた本当の名――。



「……悪い、俺は君の事をそう呼べない…」

「……そ、そうだよね。ご、ごめんねヒルト…我が儘言っちゃって…あはは…」


そう力無く笑うシャルロット――誰が訊いても落ち込んでいるのはわかるほど、声のトーンが沈んでいた――。


「……あぁ、だから『シャル』、そういう事だから君の事を『シャルロット』とは呼べないんだ」


「い、いいよ…僕の我が儘なお願い事だったから。だからこれからも僕の事は――」


途中言葉が止まる『シャル』。

……てかやっと気づいたのかよ、結構罪悪感抱いてたぞ…本気で傷つけたって。


「――あ、あれ…?ヒルト、さっき僕の事…どう呼んでたの…?」


そう俺に問いかけるシャルの声は、期待に満ちたような声だった。


「ん?シャルロットって呼ばないから『シャル』。――安直で捻りも何もない、安易な呼び方かもしれない――でもさ、シャルロットも悪くはないが…俺は君の事を『シャル』って呼びたい。――『シャル』って呼んじゃダメかな?ダメなら…君が最初に言った通り、シャルロットって呼ぶがな、これが」



ダメだと言われるかもしれないと思った。

シャルロットとは呼ばず、いきなりシャルだから――。

馴れ馴れしいと言われても文句は言えない、これは俺の我が儘だからだ――だがシャルは。


「……凄く嬉しい…。――シャル…かぁ…えへへ」


満足したかのように『シャル』といい、はにかむような嬉しそうな声が耳元で聞こえるのだが――。


「そ、それでさ――俺はシャルって呼んでいいか?……それともやっぱりシャルロットの方がいいか…?」

「あっ……も、もちろんだよ!――ヒルト……シャルって呼んで…?僕も…そう呼んでくれると凄く嬉しいから」


表情は見えないが、凄く嬉しそうに言うシャルに安堵しつつも、やはり背中に当たるシャルの乳房の柔らかさが俺は気になり――。


「……なあシャル、流石にそんなに胸を押し付けられちゃうとそろそろ俺も理性がゲシュタルト崩壊起こしそうでな…」


――流石に背中に当たる胸の感触がこのまま続いたら、俺はシャルを襲ってしまうだろう――だからこそ、そう言ったが。



「あ……ま、まだ一言だけ言いたい事があるの…いいかな…?」

「わ、わかった」


言いたい事が何かはわからない、だからこそ何を言うのかを待っているとそっと耳元で囁くようにシャルが――。


「……Je t'aime.」

「……はい?」


――まさかのフランス語、いや英語じゃなかったからフランス語だと思うのだが。


もちろん、フランス語なんて全く知らず、今シャルが言ったフランス語の意味すら全くわからなかった。


「シャル……悪いがフランス語はわからないんだが…」

「わ、わからなくていいよっ!?い、言いたい事はそれだけだからっ!」


――パッと離れたシャル、背中に当たっていた胸の感触が無くなったのが非常に残念なのだが――理性が崩壊しそうなのも事実、だから安堵するとともに非常に残念、惜しいとも思った――。

だがそれ以上に、シャルが最後に言ったフランス語の意味の方が気になるのだが――。

そう思い、立ち上がってシャルの方へと向くと――。


「わあっ!?ひ、ヒルト…前、隠してよっ!!」

「前――……!?」


忘れていた訳じゃないのだが、忘れていた様で俺の欲望の塊は先ほどからずっと突起しっぱなしで見事なほどバベルの塔並みに構築されていた。


だが、なぜかシャルは両手顔を覆っているにも関わらず、指の隙間からは俺のをまじまじと見ていて恥ずかしくなった俺は――。


「だあぁっ!?わ、悪いシャル!わざとじゃないが、わざとじゃないが男の【生理現象】だ!てか出る!流石に出る!」

「う、ぅん…。ヒルト、ありがとう――先に寝てていいからね?」


そんな声を背中で聞きながら、俺は勢いよくシャワー室を後にし、手早く着替えるとベッドに横になった。

――勢いよく出てきたが、もしかすると凄く勿体無い事をしたのかなとも思い、若干後悔しつつも、さっき送ったメールの返信が来てるかを確認すると――。


「……母さんからだけか、まあ親父も一緒だろうし構わないか」


メールの中身を確認すると――。


『ヒルト、今日はお疲れ様。村雲も徐々にヒルトに応えてくれてるみたいでお母さん、嬉しいわぁ♪――日本には、少なくとも貴方達の誕生日までは居ると思います。日本に帰ってきたのも、美冬ちゃんと未来ちゃん用に用意した【IS】の最終調整を日本の知り合いの所で行おうと思って♪――』


……メール長いよ、流石に全部はダルいな。

だが誕生日まで居るのか…それは良かったかもしれないな。


しかし…色々ありすぎたな、今日も。

この学園に入って色々な事が起きすぎている気がする。

――高校生活って、こんな感じなのだろうか、はたまた俺の運命なのだろうか…?

答えは見つからないが、変わらないことと言えば――一日の繰り返しは早朝トレーニングだけだろう。

――明日は…セシリアにお礼を言って…ラウラの見舞いに……それ…か――。


疲れていたのかはわからないが、眠気に勝てずに俺は自然と眠りについた――。


そして明日、俺にとっての衝撃の一日になるとはこの時は何も知らなかった――。 
 

 
後書き
原作より早くシャルと呼ぶのもヒルト自身の性格上です。

――昔のブログで上げていたISの話でも、実は同じタイミングで言ってたりしてますが、あちらはもう完全シャルルート化してました――もう閉鎖されて虚空の彼方に消えましたが


とりあえず、オリジナリティ低い話ですみません

露骨なエロにはなってないと思いますが…そこは難しいです 
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