IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
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【第171話】
前書き
今回のはシャル
駄文?
よろしくお願いします
ちょうど鈴音の頭を撫でている所にやって来たシャル。
表情は笑顔なのだが、凍りつく様な絶対零度の微笑みを浮かべ、嫌が応にも背中にヒヤリとした一筋の汗が流れた。
「う? ……えと――」
「ふふん。 美味しい料理をヒルトにご馳走してあげたからね。 その対価に仕方なく頭を撫でさせてあげてるのよ。 羨ましいでしょ?」
そんな感じに若干挑発してるかのように口を開く鈴音。
俺としてはかなりの冷や汗ものだからその口をどうにかして閉じさせたい気持ちに駆られた。
「ふぅん……。 ……じゃあヒルト、僕の作った料理食べてくれる? 誕生日プレゼントとは別に僕が作ったんだ。 ……その、朝食みたいなメニューになっちゃったけど……」
言って、これまた何処から出したのかトレイの上には炊きたての白米に味噌汁、若干焦げた焼き鮭が――。
「ん? もしかしてこれを作ってたから遅れたのか?」
「う、うん。 ……簡単な朝食みたいなメニューだけどごめんね?」
「いやいや、俺はそんなの気にしないし。 何なら和食の作り方、未来に教わるのもいいと思うぞ? なあ、未来?」
「ふぇっ? わ、私っ?」
突然話題を振られ、狼狽する未来だったが直ぐ様――。
「……うん。 シャルさえ良ければ色々な和食の作り方、教えるよ? または部活で料理部ってのもあるからそこに在籍するのもありかも」
「そういや部活とかあったな……。 皆は部活入ってたっけ?」
そう言うと、皆が一斉に首を横に振った。
「わたくしは入っていませんわね。 ですが入るならテニス部かしら?」
「セシリアはテニス部か……。 そういやテニスウェアとかって可愛いよな? 着てるのを見ると可愛く見える。 多分普段とのギャップの差何だろうな」
「そ、そうですわね。 ……ヒルトさん、テニスに興味はあるのかしら?」
「ん? ……そうだな、遊ぶ程度にはやってみたいかも」
「そ、そうですか。 …………」
そう言うと、制服のポケットから簡単なメモ帳を取り出して何かを書き始めるセシリア。
気にはなるが覗くのも悪いし気にせず、シャルの作った和食を食べ始める。
「……鈴音は入るとしたら何処に入るんだ?」
「アタシ? ……運動部の何処かしらに入るかも? まあ何処に入るかはわかんないけどね」
そう言い、ニシシっと歯を見せて笑顔で応える鈴音。
「なるほど。 じゃあシャルは?」
「僕? ……未来の言ってた料理部も良いかもって。 他だと裁縫部とかも良いかなってね。 えへへ」
はにかむような笑顔を見せるシャル。
何だか家庭的な印象を受けるな。
「成る程、シャルって家庭的なんだな。 ……花嫁修行にも悪くないし、良いかもな?」
「そ、そうだねっ。 えへへ……」
「……わたくしも料理部にしようかしら?」
「あ、アタシは料理出来るから問題ないしっ」
俺の発言がきっかけになり、セシリアも料理部にと言い始めたのだが貴族だって言ってたからある程度花嫁修行は小さい頃にやってたものだと思っていたのだが……。
それも気にはなるが、鈴音も反応するのが珍しいかもしれない。
「お兄ちゃんモテモテだねぇ~」
「茶化すなよ美冬。 ……美冬は何処の部活入るんだ?」
「ん~? ……私はバスケ部かな? 女バスね。 中学の時やってたじゃない」
「……そういやそうだったな。 県大会までは行けなかったっけ?」
「うん。 元々スポーツ校じゃなかったじゃない? 好きでバスケしてた様なものだったもん」
そういや良くても二回戦迄だったよな、うちのバスケ部は。
「……未来は入るなら何処だ?」
「私? ……生徒会は中学の時にやってたから別の部活動やってみたいかな? 演劇部とかいいかも、または茶道部とか。 ……そういや、ラウラまだ来てないよね? どうしたのかな?」
「ラウラなら何か準備があるって言って先に行ったけど……」
未来の問いに答えたのは同室のシャルだ。
……サプライズでも用意してるのか?
「……まあ何にしてもケーキはラウラが来てからだな」
「そうだね。 ……シャル、ヒルトに渡さないの? プレゼント?」
「あっ。 そ、そうだった。 ……その前に、はい。 先に美冬と未来に」
そう言ってポケットから小さな小袋を取り出したシャルは、二人に渡す。
「未来、美冬。 誕生日おめでとう♪」
「わあっ。 私達にもいいのっ??」
「お兄ちゃんの分だけだと思ってたから嬉しいな……」
「えへへ、二人とも僕にとって大事な友達だもん。 未来とはライバルだけど、だからって友達にはかわりないし……ね?」
そう笑顔で応えるシャルに、美冬と未来の目が微かに潤んでいるように見えた。
「シャル、開けてもいいかな?」
「勿論だよ。 でも、あまり良いものじゃないから気に入らないかもしれないけど……」
そう申し訳なさそうに告げるシャルに、美冬が――。
「どんなものでも、私は嬉しいよ? だってシャルが選んでくれたもん。 お兄ちゃんも、毎年私のプレゼント喜んでくれるし」
言いながら二人は小袋を開けて中身を取り出すと――。
「わっ。 携帯のストラップだっ。 しかも動物♪」
「みぃちゃんが子熊のストラップで私のが――子犬?」
「う、うん。 二人ともストラップに動物のストラップ着けてるじゃない? だから選んだんだけどどうかな?」
まだ不安なのか様子を伺うように見るシャルに対し、二人は――。
「ふふっ。 私は嬉しいよ? 早速着けちゃうね?」
「うん♪ シャル、ありがとね♪ じゃあ次はお兄ちゃんにあげなきゃね?」
言いながら二人は笑顔で携帯のストラップを着ける。
セシリアも鈴音も、興味があるのか二人の携帯ストラップを着けるのを見ているとシャルが――。
「じ、じゃあヒルト。 た、誕生日おめでとう」
「おぅ。 シャル、ありがとな? 開けていいか?」
袋を受け取ると、頬を赤く染めながらシャルは頷いた。
そんな表情に少しドキッとしながら、袋から中身を取り出す。
「……アクセサリー? それもブレスレット?」
「う、ぅん……」
取り出したブレスレットはブラックメタル製で、真ん中に赤いラインが入っていた。
「へぇ……シャル、よく俺の好きな色がわかったな」
「だ、だってヒルトが水着買ったときにこの色選んでたでしょ? 咄嗟に選んだ色でも人って好きな色を取るじゃない? だから……」
指を弄びつつも上目遣いで見上げるシャル。
「なんだ、俺の事よく見てるんだな? ありがとな、シャル? 俺も早速着けようかな」
「あ、僕が着けてあげるよ」
「ん? ……じゃあ頼むよ」
取り出したブレスレットを手渡し、左手を差し出すと手首にブレスレットを着ける。
こうしていると、何だか甘えすぎな気がしないでもない。
……と、その様子を見ていた皆が口々に。
「何気にシャルって、ヒルトとペアになるブレスレットを選んでるよね」
未来がそう口にすると、シャルの耳が赤く染まる。
「もしかしてお兄ちゃんとペアになるように選んだの?」
美冬がそう言うと、小さく頷くが表情がわからなかった。
「……わたくしも、ヒルトさんとペアになる何かをあげれば良かったかもですわ……。 その発想、全然気付かなかったわたくしを恨みます……」
「お、大袈裟だなセシリア。 セシリアからもらったティーセットも大事に使うからさ」
そう言うと、少し表情の和らぐセシリア。
「……アタシも、何か形に残るのを渡せば良かったかも」
「ん? ……気にするなって、一夏の誕生日に取っておきなよ」
そう告げると、鈴音は微妙そうな表情を浮かべた。
疑問に思いながらも、手首に付けられたブレスレットを眺めると同時に部屋のドアが開く音が聞こえてきた――。
後書き
何とか書けた
ゴッドイーターしながらだが
何気に今回のは主人公が主人公してる
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