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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》

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【第173話】

 
前書き
短いかも

次辺りで誕生日編終わり?かも 

 
 いきなり手渡されたのが刃渡り三十センチ程あるナイフ。

 そのナイフとラウラを交互に見つつ、俺はラウラに問いかけた。


「……何で誕生日プレゼントにナイフ?」

「む? 何かおかしいか? ……私が訓練や実戦にて使っていたものと同じモデルのものだ。 ……少し刃渡りが大きいが、ヒルトならそのサイズでも何ら問題はないだろう。 切断力は申し分無し、刃は特殊なメタル製で耐久性も向上してある」

「はぁ……」


 手渡されたナイフの説明を受け、曖昧な返事をする。

 しかし、まさか誕生日にこんなコンバットナイフを貰うとは思わなかったな。

 ……親父が見たら喜びそうなのだが……。

「……ナイフねぇ……どうしたものか……」


 受け取ったナイフを眺めつつ、そう呟くと流石にラウラも不安そうな表情で見、そして――。


「……その、だな。 ヒルト、気に入らなかったか……?」

「……気に入らないというか、ナイフだからな……反応に困るんだよ」

「ぅ……。 す、すまない……な、何を贈れば喜ぶのかがわからなくてナイフにしたのだが……」


 言って申し訳なさそうに眉を下げるラウラ。

 流石に罪悪感が沸き、俺は――。


「あー、いや、まあそのナイフ自体はカッコいいぞ? うん、この柄部分とか、ホルスターに納めたら様になりそうだしな。 うん」


「そ、そうかっ。 ほ、ホルスターはこれだ。 受け取れ」


 手渡されたホルスター自身が鞘になるタイプだ。

 ……やはり、手渡されて解るのだがどうすれば良いのかがわからなくなりそうだ。


「……これは何処に付けても構わないのか?」

「……一応脇の下に配置されるようになっているが、ズボンのベルトにも配置可能なデザインだ」

「なるほど? 脇の下だと痛いかもしれないからズボンのベルトにかな。 ……学園内じゃないと、装備できないが」

「それなら大丈夫だ。 金属探知機に発見されないように特殊な細工が施されてある。 機内にも持ち運べるぞ」

 ……そんなおっかない説明を聞き、どうしたものかと再度考えさせられる。


 ……まあ、喧嘩で使う訳じゃないし、一応ISを狙うような奴等に狙われるときは無いよりはましかもしれないな。


「ラウラ、ありがとな? 護身用に有り難く装備させてもらうよ」

「う、ぅむ。 ……ヒルト、戦士が……己の武器を渡すという意味を理解してだな……」


 ぼそぼそと呟くラウラだが、生憎と俺は戦士じゃないので言ってる意味が全く理解できない。


「よくわからんが、ラウラが使ってるモデルタイプなんだろ?。 戦士では無いが誕生日プレゼントをくれたこと自体は嬉しいからな。 ラウラ、ありがとな?」

「ぅ……ぅむ」


 しおらしくなるラウラを見、取り敢えず刃物は危ないので簡易キッチンに置くことにした。

 気付けば、簡易キッチンには誕生日ケーキが……。


「お兄ちゃん、次いでだからケーキ持ってきてー」

「了解」


 返事をし、落とさないようにケーキを運ぶと机の真ん中にそれを置いた。



「……やっとケーキにありつけるな。 ……やっぱり誕生日の歌、歌うのか?」

「うーん? ……もう遅いし、今回は簡素で良いんじゃないかな?」


 そう未来が腕時計を見ながら言った。

 生憎俺は腕時計を持っていないので、部屋の時計を見ると既に九時半を回っていた。


「確かに、10時過ぎてこの部屋に俺が居たら不純異性交遊扱いされるな」

「あははっ♪ 妹の私が居るのに不純異性交遊になるのもおかしいかもだけどね?」


 美冬がそう言うと、そうなのかなとも思えてしまう。


「な、何にしてもさ、ちゃんとお祝いしないとね?」


 言ったのはシャルで、他の皆に目配せするや、いつの間にか持っていたクラッカーを皆が構え。


「……せーのっ!」

「「「ヒルト、美冬、未来っ。 改めてお誕生日おめでとうーっ」」」


 シャルの掛け声に合わせ、場にいた皆が一斉に誕生日おめでとうというソプラノ声が部屋に聞こえると同時にクラッカーの炸裂音が鳴り響く。



「……改めて言われるとさ、何だか照れくさいな」

「そうだね。 ……でも、こうやって友達がお祝いしてくれるのって嬉しいことだよ。 ……ヒルトも、ハーレムみたいで悪くないんじゃない?」


 そんないたずらっ子の様な笑みを浮かべる未来を見、頭をかきながら視線を逸らす。


「これだけ綺麗所が集まるのもそうそう無いもんね、お兄ちゃん? 改めてここの学園って可愛い子が多いって私でも思うもん」

「……まあな、IS学園の基準にルックス評価も入ってるんじゃないかって思うぐらいにな」


 美冬の言葉に肯定するように頷き、言葉を口にする。


「……まあ、俺にとってはルックスとかは気にしないからな。 面が良くても性格の悪い子もいるし……。 ……誕生日にする話じゃねぇな。 ケーキ切り分けて食べようぜ? 美冬のケーキは美味いからな」

「そうなのですか? それは期待しますわね♪」

「うっ。 お兄ちゃ~ん、プレッシャーかけないでよぉ~」


 ぶすっと頬を膨らませつつ、美冬が均等に全員分を切り分けていく。

 誕生日、一年に一度の記念日だが俺にとってこれだけ女の子に囲まれた誕生日は初めてだ。

 ……一生の思い出としてはこれ程恵まれたものは無いだろう。

 その後、切り分けられたケーキを皆で食べ、用意された料理も食べ終わると10時を回っていたので解散することになった――。

 ……が、まだ俺は二人にプレゼントと母さんから預かったロザリオを渡してはいなかった……。 
 

 
後書き
急に寒くなった

身体を壊さないようにしないといけないが

皆様もお気をつけて

 
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