IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
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【第153話】
前書き
短いです
――大宴会場――
「ね、ね、結局何だったの?教えてよ~」
「……ダメ。機密だから」
そうピシャリと告げるシャル。
お膳を挟んで向かい側で夕食をとるシャルに、今回の事件に興味を持った一年生女子数名が群がってあれこれと訊いていた。
同じような光景が少し離れた先にも――俺の幼なじみの飯山未来だ。
彼女も、友達が多いせいか、シャルと同じ様に訊かれている様に見える。
どちらにせよ、シャルも未来も口を割る事は無いだろう。
どの専用機持ちも責任や覚悟を背負っている。
だから、機密扱いの内容の口外はあり得ないだろう。
あり得るとすれば……篠ノ之辺りだが、流石に専用機を貰ったのが納得出来ない女子が多数の為、あまり絡みたくないという感じに思える。
こうなるのは目に見えてるのにそれでも専用機を手にした。
これも良く言えば信念かもしれないが一様に皆が思うのは姉のコネによる贔屓だろう。
まあ今更どうこう言っても、返すつもりは本人には無いのだろう。
あるなら返してるだろうしな。
お膳のご飯を食べていると、また声が聞こえてきた。
「ちえ~。シャルロットってばお堅いなぁ」
「あのねぇ……。聞いたら制約がつくんだよ?例えば政府機関からの監視とか。何処に行くにも着いてくるんだよ?いいの?」
「あー……それは困るかなぁ」
「だったら、はい。この話はこれでおしまい。僕はもう何も答えないし、他の作戦に関わった皆も答えないから」
「ぶーぶー」
そんな感じであしらうシャルを、感心した様に見ているとその視線に気づいたシャルが頬を染めて――。
「な、なにかな?」
そう尋ねてきた。
感心したという事だけを告げても、シャルはそれだけだと凄く落ち込む。
だから色々話題を探して話はするのだが、出来ればシャルにも興味がある話が良いわけで――。
そんな風に悩んでいると、シャルの隣の女子がシャルに耳打ちした。
「シャルロット、浴衣の胸元緩んでる」
……耳打ちしてるのに聞こえてくる俺の耳。
もしかしてハイパーセンサーでも動いてるのかとも思うのだが、そんなことはなくただの地獄耳なだけだったりする。
「っ……!!」
その耳打ちの内容に、案の定シャルの顔は赤く染まり、慌てて浴衣の合わせ目を手で塞ぐ。
そして、そのシャルは抗議の眼差しで俺を見つめてきて。
「ひ、ヒルトのえっち……」
「…………」
そうは言われても、一度胸元を見たのだが何処も緩んでいた訳ではないので俺はがっかりしている。
「……うっそー。浴衣は緩んでません」
「!!」
先程と同じ様に、女子がシャルに耳打ちする。
それを聞いたシャルは、耳まで真っ赤に染め上げ、その場から立ち上がった。
その行為に驚いた周りは、一様にシャルに視線を移す。
「…………」
「やー、お刺身が美味しいなぁ。あはは、うふふ」
シャルの抗議の眼差しは、隣の女子へと移る。
そんな当人は意に介さず、料理をつまんで食している。
「それにしても……シャルロットってば、えっちぃなぁ」
「ちっ、違うよ!?ぼ、僕は、ただ、そのっ……!」
隣の女子に言われ、わたわたとし始めるシャル。
隣の子が何かを言う度に翻弄されるシャルが、何だか新鮮に見えた。
「ひ、ひ、ヒルト……?あの、さっきは、ごめんね……?」
「……どうせ俺はえっちだもんな」
「はぅっ…!!」
わざと怒ったふりをしてみると、流石のシャルも表情が変わり、何だか涙目になっていた。
「何てな、怒ってないさ、これがな」
「あ……。よ、良かったぁ……。――ヒルトのいじわる……」
「ははっ、しょっちゅうえっちえっちばかり言ってくるからその仕返し」
「むぅ……。バカ……」
そんなシャルの抗議も聞き流し、俺はご飯を食べ終えた。
「ふぅ……まだ食べ足りないがこんだけしか無いもんな……。ごちそうさま」
「え?ヒルト、もう部屋に戻るの?」
「ん?ご飯も食べ終えたからな。話するのも悪くないが……腹減るし」
そう言って綺麗に食べ終えたお膳をその場に残し、俺は大宴会場を後にした――。
後書き
ちょい加速ぎみに書いてますφ(..)
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