IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
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【第337話】
前書き
戻ってきました学園編
ラウラメイン
――自室内――
部屋へと戻った俺は、着ていた服を脱いで寝間着にしているジャージへと着替える。
一人になった事で、また静かな夜が訪れ――いや、ラウラが入ってくるか。
鍵をかけてもピッキングで開けるため、最近はもう部屋に鍵をかけないことにした。
かけても開けられるのだ、なら居ない時以外は開けっ放しで良いだろう。
――とはいえ、流石に室内で一人で慰める事をする自慰行為だけは出来ないが。
見られたら凄く気まずい雰囲気になるし。
……とはいえ、時折抜かないと夢精して朝方自分の穿いたトランクスを洗わねばならない悲劇に……。
一応風呂の時間、余裕ある時にはそういった処理は済ませるのだが……。
――そんな事を考えていると、無駄にジャージがテントを張り始める。
……寝る前に元気になられてもなぁ……。
学園へ来てからというもの、色々なものがおかずに――。
……何と無く自己嫌悪してしまった、おかずにした子に申し訳なく思う。
「はぁっ……。 ……IS学園来て一番困るのが性処理だよなぁ……」
何気ない呟きがため息と共にこぼれ落ちる。
明かりを消すと、月明かりがカーテンの隙間から射し込んできた。
カーテンを少し開け、窓を開くと秋の夜風が頬を軽く撫でていく。
窓から眺める景色――街明かりが彩り、車のライトが行き交うのが見え隠れしていた。
それを眺めつつ、成樹やたっくん、信二の顔が過る。
……少しとはいえ、学園祭を楽しんでくれたのなら良いのだが……。
軽く頭を振ると、俺は窓を閉める。
夜の秋風に靡いていたカーテンも閉め直すと、隙間から月明かりが床へと射し込み、そこを明るく照らす。
ベッドに入り、いつの間にか治まった俺の欲望の塊にふぅっと一息吐くとそのまま瞼を閉じる。
――閉じたら閉じたで、未来、セシリア、シャルとキスした時の事が瞼に焼き付いていて、早鐘を打つように心臓が高鳴る。
……キス、か……。
唇に触れると、これまでしたキス全てがリアルに思い出せる。
正直、俺には縁遠い行為だと思っていたのだが、あのラウラの六月にしたキスがきっかけになり、セシリアにシャル、未来――後、福音の時に交わしたナターシャさんともキスをしたが……。
……まだ、他の子ともする機会があるのだろうか?
そうだとすると、やっぱりその子も好意を――いや、わからないな、これだけは。
――考えるのを止めよう、そう思い俺はまた眠るために瞼を閉じ、そのまま自然に眠りについた。
そしてそのまま時間は流れて、朝――。
窓から雀の鳴く声が聞こえ、身体を起こすと俺は大きな欠伸をした――と。
「んむ……ひる……と……」
「……ラウラ」
案の定ラウラが忍び込んでいた――勿論、一糸纏わぬ姿で。
……全裸なのに、一緒に寝るだけでラウラから何もしない辺りは多分俺から手を出すのを期待してるからだろうか?
すやすやと寝息をたてるラウラを起こさないようにベッドから抜け出て、カーテンを開ける。
それに驚いたのか雀がチュンチュン鳴きながら空へと羽ばたいていった。
朝日が射し込む――軽く身体をストレッチしてから俺は顔を洗うべく洗面所へ向かう――前に、脱ぎ散らかしたラウラの制服を畳む。
……パンツも脱ぎ捨ててあるが、手を出すべきか出さぬべきか……。
パンツといえば、当初のラウラのパンツは色気も何もないパンツだったのだが、夏休みの買い物以降は縞パンツメインで穿いてる様だ。
……何気に縞パンツ、俺好きだからなぁ……妙にエロく見えてしまう。
とりあえずパンツには手を出さず、それを隠すように畳んだ制服を上に置いてから洗面所へと入った。
――数分後――
顔も歯磨きも終え、洗面所を出ると相変わらず寝息を立ててるラウラ。
余程ベッドが落ち着くのか、安らかな寝顔に俺はソッと髪に触れる。
……さらさらの銀髪を撫でるのが何だか心地いい……と。
「ん……んん……。 朝……か……」
眠気眼を手でコシコシと擦るラウラ。
シーツがずれる――思わずドキッとするが、ラウラの胸は見事に髪で隠され、下もうまい具合にシーツで隠れ、わからなかった。
「……起きたなら早く服を着ろよ、ラウラ?」
「……ふむ。 ……目覚めのキスは無いのか?」
「ぶはっ!? お、起きる度にキスとか唇ふやけるぞ!」
そんなとんちんかんな指摘をする俺、内心バカだと思ってしまうが――。
「……ふやける程か。 一度はそれだけ長く口づけを交わしたいものだな」
そう言ってペロリと舌で唇を舐めるラウラ。
その仕草が妙に色っぽく見え、少し下半身に血液が集中するのがわかった。
「そ、そんなに長く出来ないって。 ……せめて下着ぐらいは着けろよ……」
「……む? そういえば私の下着は何処だ?」
「……畳んだ制服の下だ」
「……ふむ。 ……所でこの下着はどうだ? 確か私の得た情報ではヒルトは縞柄の下着が好みだと聞いたが?」
下着を穿こうとしたので慌てて後ろを向く――そして今の質問。
振り向くと、下着を穿いて着けた姿を見せてきた。
「た、確かに好きだが……」
視線を逸らしつつ、椅子に腰掛けるとラウラはそのまま俺へと近付き、膝の上に座った。
ラウラの体温と柔らかな肌の感触がジャージ越しにも伝わってくる。
胸は髪で隠されたままなのは良いのだが、この体勢は誰かに見られたら不味い。
「ら、ラウラ……制服着ろって。 こんな所見つかったらまずいし……」
「なら……私と口づけだな。 ……だ、ダメ……か?」
甘えた様な声をあげるラウラ、瞳には熱がこもり、頬は赤く上気し、俺の首筋に腕を回して断りにくい状況に……いや、断る理由は無いが……キス自体は嫌いじゃないし。
「わ、わかったから……せめて眼帯外さないか?」
「む……そうだな。 ……す、少しの時間なら問題ない」
前にも聞いた言葉を言うラウラ。
眼帯を外すと、金色の目が姿を現した――相変わらず綺麗な金色の瞳に、俺は少しドキドキする。
「やっぱり……いつ見てもラウラの左目は綺麗だな」
「あ、ありがとう。 ……ふふっ、ヒルトに綺麗だと言われると私は嬉しい」
小さく微笑を溢すと、ラウラは両目を瞑り、キスを受け入れる為に上顎を上げた。
僅かに上気した赤みの射す頬が、一段と彼女を可愛く見える。
ラウラの背中に腕を回す――パンツ以外身に付けていない為、直接肌に触れるのが妙にドキドキさせる。
背中に回された腕に、ぴくっと反応するも、それを受け入れたまま再度上顎を上げるラウラ――そして、俺もゆっくりと唇を重ねる。
ラウラの柔らかな唇の感触と、手に吸い付く様な肌触りにドキドキが加速して止まらない。
「ん……ふ……んむっ……」
いつかした時と同じ様に、ラウラは俺の口内へと舌を滑り込ませ、絡ませてきた。
クチュッ……ヌチュッと絡ませる度に室内に響き渡る水音が思考を真っ白にさせていく。
何度も互いに絡ませあいながら、俺の手はいつの間にかラウラのお尻を撫で回していた。
「んんっ……!? ぷはっ……あ……ひ、ひる……と……ッ!」
驚いたラウラは唇を離すと、恥ずかしそうに俯きながらも身悶えていた。
「あ……わ、悪い。 自然と触ってた……」
「そ、そぅか……。 ――ひ、ヒルトの気が済むまで……触っても私は気にしない……ぞ?」
熱っぽい視線が絡み合う――その言葉に、理性が崩壊しそうになったがギリギリの所で踏みとどまる。
「い、ぃや……止めておくよ……。 や、やっぱりまだ付き合って無いのに肉体関係になるのは……な。 あ、あんなキスをしといて何を言ってるんだって思うかもしれないが……」
正直、キスに関しては徐々にリミッターが外れてきてる気がする。
ラウラから始まってセシリアともディープキスをし、昨日もシャルとしたからか俺の脳内リミッターがあまり役にたってない。
……このままじゃ、確実に誰かと【そういう関係】になってしまいそうで怖い。
人間に欲が無ければその様な事態も無いのだが、生憎そういう訳にはいかない。
現に、今ラウラはパンツ以外身に纏っていなく、髪で隠れていた白い乳房も露になっていて正直理性を保つだけで精一杯だ。
俺自身、胸が大きくても小さくても好きになったら関係無いから特に気にはしないのだが……。
「と、とにかくさ……き、キスはしたんだ。 制服……着ないか?」
「むぅ……な、ならば最後にもう一度キス……いいか? ひ、ヒルトと交わす口付けは色々な事を忘れさせてくれるのだ……」
両目共に潤ませるラウラに、心が揺れ――。
「わ、わかった。 ……でも、舌は絡めないからな?」
「う、うむ。 さっき十分堪能したからな」
思い出したのか視線を逸らし、もじもじし始めたラウラ。
そんなラウラの肩に手を置くと、此方に顔を向け、瞼を閉じる。
……自分からするのって、今更だがかなりドキドキするんだよな……。
逸る気持ちを抑える様に一呼吸し、そっと唇を重ねるとラウラの口から少し声が漏れた。
何度か角度を変えつつ、室内にリップ音が響く――そして、唇を離すと同時にお互いの視線が絡み合いながら――。
「こ、これで良いだろ……?」
「ぅ、ぅむ……。 ……ふふっ、やはりヒルトと交わす口付けは良い……。 それだけに、私はいつか抱かれたいと思う」
素直な気持ちを奥底から吐くように言ったラウラ。
白い肌は赤く染まり、ラウラ自身もやはり言った内容が恥ずかしいのかまたも視線を逸らす。
……正直、こうして好意を示してくれる事自体凄く嬉しい。
特にラウラやセシリアは最初の出逢いが良くなかっただけに、尚更だ。
だからといって、シャルからの好意が嫌って訳ではないので……誰に言うわけではないが。
軽くラウラの頭を撫でると、目を細めて微笑む。
「……そうだな、いつかは……もし、俺がラウラを選んだ時には――」
「……え?」
「な、何でもない。 ほら、着替えてこいって。 朝食食べようぜ?」
「う、うむ……」
上手く誤魔化せたとは思えないが、とりあえずラウラは制服とブラを拾い上げると洗面所へと入っていった。
……二股とか三股何て器用な事は出来ないからな……する気もないが。
……とはいえ、正直皆の良いところも悪いところも見た上でも俺としては好意的に見えるんだよな……。
母さんが前にIS男性操縦者は重婚可みたいな事を何とかって言っていたが……まさかな。
馬鹿な考えだと思い、軽く頭を振る。
それと同時に洗面所のドアが開くと中からラウラが現れた――ついでに歯磨きもしたように見える。
――実は洗面所にはラウラの歯ブラシもあったりする、自室と俺の部屋に。
「着替えたぞ、ヒルト。 ……眼帯、渡してくれるか?」
「あぁ、そうだったな。 目に負担がかかるもんな……」
「だ、だが……ヒルトが私の目を綺麗だと言ってくれる。 そ、それを聞けば少しぐらいなら私は大丈夫だ」
ニコッと微笑むラウラに、眼帯を手渡すとラウラは手際よく眼帯を着ける。
「んじゃ、朝食食べに行こうか? そういや今日の振替休日、ラウラはどうするんだ?」
「うむ。 午前中は本国に送るデータをまとめて提出。 午後はクラスメイトと一緒に買い物だ」
部屋から出て鍵をかけながらラウラの交遊関係が広がってることに嬉しく思う。
「そっかぁ。 俺はどうするかな……」
「ふむ。 ……予定が無ければ、私とで、デートをしてほしかったが……生憎とさっき言った通りクラスメイトと一緒に買い物なのだ」
「わかってるさ。 友達は大事にな? 俺とデートならいつでも……な?」
二人並んで歩き出す――ラウラは申し訳なく眉根を寄せていたが俺の言葉に力強く頷いた。
まだ少し早い時間だからか、通路には俺達二人しかいなかった――。
後書き
若干手が出始めたヒルト
うーん
一途にいけない……まあ、可愛く書けたらなぁって
下手くそな描写ですが
まだ暫く振替休日編続きます
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