IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
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【第240話】
前書き
またも短い
一階へと降りた俺達を待っていたのは、母さんが作ったであろうオムライスだった。
しかもわざわざケチャップで皆の名前を書くという――メイドカフェかよと、思わずツッコミを入れそうになった。
とりあえず、先に手を洗った俺が母さんを見ていると――。
「うふふ、もっと手軽に出前でも頼もうかなって思ったけど……やっぱりお母さんが腕を奮わなきゃって思って頑張って作ったのよぉ♪」
キッチンでもう一人前のオムライスを作る母さん。
昔より腕が上達していて、綺麗にオムライスを作っていく。
昔だと、所々オムライスの玉子から中身のライスがはみ出していたのだが――。
「そういえばお母さん、お父さんはどうしたの?」
既に手洗いを終え、飲み物の準備をしていた美冬が親父の事を聞いた。
「あの人は今日、アメリカに向かうからその準備をしてるのよぉ~」
「えぇっ!? ……もしかして、お母さんもまたアメリカに……?」
不安そうな表情で訴える美冬に、母さんは柔らかく微笑みかけながら――。
「うふふ、今回はお父さんだけよぉ? ――まだ言ってなかったけど、二学期からは私もIS学園でお世話になるからよろしくねぇ~」
間延びした声がリビングとキッチンに響く。
まさかのIS学園にお世話になるという話に――。
「……まさか、教師で採用って訳じゃないよな、母さん?」
「あら? ……お母さんが教師やっちゃダメかしらぁ? 一応教員免許はあるわよぉ♪ IS研究の片手間でとって、ちゃんと教育実習もしたからぁ♪ ……その間、貴方達二人は私のお父さん――おじいちゃんに面倒見てもらったでしょ~?」
ふわふわした口調で告げられる新たな真実――てか、おじいちゃんに世話になったのってかなり小さい頃だぞ。
……母さんも謎過ぎる。
こめかみを少し押さえてると母さんが――。
「ヒルト。 臨海学校の時にメール送ったでしょ? あの内容覚えてるかしらぁ?」
「……あぁ、覚えてるよ」
美冬は事情がわからず、疑問符を浮かべながら俺と母さんを眺めていた。
「もしも手に入れる事があれば……直接でよろしくねぇ~」
そう可愛くウインクすると、出来立てホカホカのオムライスを持って客室の方へと消えていった……。
「……お母さん、教師の資格も持ってたんだぁ……」
「……てか、いつの間に決まったんだ? ……謎過ぎて頭が痛い……あまり深く考えない方が幸せな事もあるって事か……」
呟くように美冬にそう言うと、困ったような笑顔で頷いた――と。
「ヒルトさん? どうかなさいまして?」
「……あんたでも頭痛くなる事でもあるんだ。 ……大丈夫?」
頭を押さえていると、先に手を洗い終えたセシリアと鈴音がリビングにやって来た。
「……いや、ちょっとした怒濤の展開で頭がついていかなくて……なぁ?」
「うん。 ……シャル達は?」
美冬がそう言うと、遅れてシャル、ラウラ、未来とリビングへ――。
「ごめんね、待たせちゃって。 ……んんっ! 美味しそうな香り♪」
「ふむ……オムライスか。 ……楽しみだな」
「お母さんが作ったの? ……ふふっ、上手に作れてるね♪」
皆オムライスを見てそれぞれが感想を言った。
……未来は、昔母さんが作ったオムライスを知ってるため、少し驚いていた。
「……さて、せっかく作ってくれたんだし……食べますか?」
「うん。 ……でもお母さんは――」
「ここよぉ? ……今お父さんにオムライスを渡して来たの♪ お父さん、今渡米する為に荷物纏めてるけど気にせず食べましょうねぇ~」
パタパタと早足でやって来た母さんは、自分の名前の書かれたオムライスの前に座った。
「あの……お父様はまたアメリカに戻るのですか?」
「えぇ。 アメリカ政府からの依頼でね? お母さんは日本に居るから安心してねぇ~」
セシリアの問いに、ふわふわとした言葉で答える母さんは――。
「さて、いただきましょうか?」
「……だな。 流石にこれ以上待たされたら腹と背中がくっつくよ」
俺がそう言ってお腹を擦ると、リビングに皆の笑い声が響いた。
「あらあら♪ じゃあ――いただきます♪」
「「「いただきます♪」」」
そんな皆が手を合わせると、母さんが作ったオムライスを美味しそうに食べていく。
……母さんの手料理、何だか久しぶりな気がする。
少し感慨深くなったが、ゆっくり味わうように食べていった――。
後書き
ちょっと休憩しようかなと思ったりしますが……
後、やはり弓弦氏は去年さらっとワインをくれたくれないを言ってましたが、今年はオーバーラップがくれなかったとかで去年講談社がワインを寄越さなかった事実が露呈(解ってたけど
……人間性があそこまで落ちてるってある意味凄いな
俺も、そんなに誉められた性格では無いですが、あそこまで厚顔無恥でいられない
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