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副部隊長と戦技教導官の色ボケな日々

作者:hyuki
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<2:if編>
  フェイトの場合 CASE-1 のおまけ


シュミット夫妻と親しい人々を集めてシュミット邸でお茶会とバーベキューが
催されてから数日、ゲオルグは自宅の書斎で過ごしていた。
木でできた重厚なデスクの上にはウィスキーの入ったグラスが置かれていて、
ゲオルグは時折ちびちびとやりながら読書をしていた。

4畳半ほどのさして広くもない部屋ではあるが、ゲオルグにとっては
ひとりきりになれる数少ない空間である。

部屋の中はしんと静まり返っていたが、扉を叩くコンコンという音で
その静寂は破られた。

「どうぞ」

ゲオルグはそう扉に向かって声をかけたのだが、一向に扉が開かれる様子はなく
怪訝な表情を浮かべながらゲオルグは扉へと足を向けた。

ノブに手を掛けて扉を開くと、そこにはゲオルグの愛妻たるなのはが立っていた。

「なのは? どうしたんだよ、その顔?」

廊下に立つなのはの顔を見たゲオルグは慌ててなのはの肩に手を置いて
そう声をかけた。

なのはは目に涙を浮かべて立っていた。
涙はいまにもあふれそうなほど溜まっていた。

「ゲオルグくぅん・・・」

弱々しい口調でゲオルグを呼ぶなのは。
その手はゲオルグのシャツをギュッとつかんでいた。

「ゲオルグくんはフェイトちゃんとお付き合いしてるの?
 フェイトちゃんとエッチなことしちゃった?」

「はあ!? 何言ってんだよ。 そんなことあるわけないだろ!
 俺にはなのはだけだよ」

多少声を荒げつつ、ゲオルグがなのはの疑問に反論すると
なのははゲオルグに寄り添うようにしていた自らの身体を少し離して
ゲオルグの顔を見上げる。

「じゃあ、証明してよ」

「どうやって? どうすれば、俺の好きな女はなのはだけだって証明できる?」

「・・・一晩じゅう、愛して」

「待て待て! 妊娠中ってセックスOKなのか!?」

何かあってはいけないからと妊娠が判ってからはセックスを控えてきた
ゲオルグは、慌ててなのはの肩に手を置いて尋ねる。

「大丈夫だよ。 先生にも無茶しなければいいって言われてるし」

「聞いてないなぁ・・・。 これまでずっと我慢してきたんだぞ」

「じゃあ、しよ」

なのはは潤んだ瞳でゲオルグをじっと見つめながらそう言うと、
ゲオルグの首に腕をまわして唇を寄せる。

「お前、ただセックスしたいだけだろ」

「違うもん。 今でもゲオルグくんがフェイトちゃんと不倫してないか
 疑ってるんだよ。 私だけだってちゃんと証明してよね」

なのははそう言って、ゲオルグの唇に口づける。
未だ戸惑っているゲオルグだったが、しばらくすると性欲をかきたてられたのか
なのはの背中に手をまわしてひしっと抱き寄せる。

2人の舌が絡み合い、くちゅくちゅと湿っぽい音を立てる。

「んっ・・・ゲオルグくぅん」

一瞬唇を離して声をあげるなのは。
だが、ゲオルグがなのはの唇を追いかける。

「きゃっ、ゲオルグく・・・んっ!」

ゲオルグの手が前に回りなのはの頬に添えられ、
今度はゲオルグがなのはの唇に口づける。

そしてゲオルグの手がゆっくりと下に降りて行き、なのはの豊満な胸に触れる。

「んっ・・・」

喉の奥でくぐもった声をあげるなのは。
ゲオルグに胸を触られ、少し距離をとろうと身をよじる。
しかし、ゲオルグはお構いなしに揉みしだき始める。

「あっ・・・やあっ・・・」

容赦のないゲオルグの攻撃に耐えかね、なのはは思わず唇を離して声をあげる。

「ゲオルグくんっ、ちょっ・・・きつい」

「ん、悪い。 大丈夫か?」

ゲオルグは慌ててなのはの胸から手を離し、心配顔で覗きこむ。
なのはは心臓のあたりに手を当て、肩を上下させて大きく深呼吸をする。
何度か繰り返したところで、呼吸が落ち着いてくる。

「・・・・・だいじょぶだよ。 ちょっと、感じすぎちゃって」

「ちょっと胸を触っただけなんだけどなぁ・・・。
 なのはが大好きな乳首も触ってないし。 っつーかブラの上からだぜ?」

「・・・だって、わたしだってひさしぶりなんだよ、ゲオルグくん」

潤んだ目でゲオルグを見上げるなのは。
ゲオルグはなのはの頬に手を当てると顔を寄せる。
が、唇と唇が触れあう直前でなのはの手によって阻まれる。

「・・・寝室に行こうよ」

ゲオルグは無言で頷くとなのはの腰に手を添えて部屋のドアを開けた。
夜もだいぶ更けていて、明かりの消えた廊下はしんと静まり返っていた。
そのなかをゆっくりとした足取りでゲオルグとなのはは歩いていく。

寝室のドアの前まで来た2人はゆっくりと開けて中に入った。
ゲオルグは後手でドアを閉めると、傍らのなのはを抱き寄せようとする。
だが、なのはは手でゲオルグの胸板を押して抵抗した。

「ベッドまで我慢して。 ね?」

ゲオルグは再び無言で頷くと、なのはの手を引いてダブルベッドのそばまで来る。
2人はベッドに腰を下ろすとお互いの顔を見つめあった。
そして、どちらともなく唇を合わせる。

はじめはついばむようなキスだったのが、貪るような激しいキスに変わるのに
さほどの時間は必要なかった。
ペチャペチャと湿った音がしんと静まり返った寝室の中に響く。

「脱がすよ」

「うん」

ゲオルグはなのはが来ているパジャマのボタンに手を掛けると、
一つ一つ外してはだけさせる。
少し紅潮したなのはの肌が露わになり、ゲオルグはなのはの背中に回ると
後からなのはの身体を抱きしめる。
胸の下辺りに回されたゲオルグの腕をなのはの手が軽く握る。

「ね、ゲオルグくん」

「ん? なんだ?」

「妊娠中はあんまり乳首はいじんないほうがいいんだって」

「そうなのか? じゃあ我慢だな、なのはが」

「ふぇ? どういうこと?」

なのははゲオルグの言っているおことの意味が掴みきれず、首を傾げる。

「だって、なのはって乳首が弱いだろ。 イジられなくて我慢できるのか?」

「・・・ちょっとくらいなら触ってもいいよ」

「つまり、どういうことだ?」

ゲオルグが手を少し上にずらして柔らかな胸に指を埋めながら、ニヤニヤと笑って
尋ねると、なのはは頬を膨らませて後を振り返る。

「・・・いじわる」

「ごめんごめん」

なのはの頭をゆっくりとなでながら、笑顔で謝罪の言葉を言うゲオルグ。
その手は再びなのはの胸へと降りていく。
そしてブラの下側に手を掛けると、一気に捲りあげる。
なのはの乳房がプルンと揺れる。

「なあ、やっぱり胸大きくなったよな? ちょっと張ってるし」

マッサージでもするような手付きで優しくなのはの乳房に触れながら
ゲオルグはなのはに尋ねる。

「う・・・んっ!。 ていうか、もう母乳出るよ」

「そうなのか・・・」

少し嬌声をあげながらなのはが答えると、
ゲオルグは考え込むような仕草を見せる。
そして次の瞬間、ゲオルグはニヤッと笑ってから、なのはの乳房を
激しく揉みしだき始めた。

「んっ! ちょっ・・・やっ・・・ゲオルグくっ・・・んっ!」

快感から出る嬌声とは明らかに違う苦しげな声をあげるなのはに気付き
ゲオルグはその手を止める。

「悪い、強すぎたか?」

「もう! そんなに強く揉んだら痛いって・・・。 突然どうしたの?」
 
「いや、なのはの母乳が出るところを見たくって・・・」

「はい!?」

ゲオルグの言葉があまりにも意外だったのか、なのはは裏返った声をあげる。
ややあって、なのはは顔を真っ赤にして小さく頷く。

「じゃあ、失礼して・・・」

ゲオルグは再びなのはの胸に手を伸ばす。
今度は下からすくいあげるようにしてゆっくりと、そして優しく揉む。

「はぅ・・・。もうちょっと強くても、大丈夫・・・だよ」

なのはの言葉にゲオルグは頷きを返す。
そしてなのはの乳房に加える力をほんの少し強くして、
母乳を絞りだすような動きを加える。

ゲオルグの指が根元から乳首に向かって動く。
時折指がなのはの乳首に触れ、そのたびになのははビクッと身体を震わせる。

しばらく繰り返していると、不意に乳首の先から母乳がぴゅーっと噴き出した。
それからは、ゲオルグが手を動かすたびに母乳が出てくる。
ゲオルグはそのさまを食い入るように見ていた。

「やぁ・・・っ。 あんまりまじまじ見ないでよぅ・・・・・」

「いやだ。見る」

「も・・・うんっ! ゲオルグくんの、えっち。変態」

そんななのはの非難を聞き流しながら、ゲオルグは搾乳に夢中になっていた。
しばらくそうしていると、ゲオルグの心中にある欲望がわき上がってくる。

「なあ、なのは」

「なっ・・・にっ?」

「なのはのおっぱい、飲んでみたいんですが」

「ふぇぇぇっ!?」

なのはは驚きのあまり、甲高い声をあげる。
しばらく悩んだ挙句、なのはは顔を真っ赤にしてこくんと頷いた。
するとすぐにゲオルグはなのはの前に周りこみ、乳首を口に咥える。

そして先ほどまでと同じように乳房を揉みしだきながら、乳首を吸い上げる。

「ふわぁぁぁぁんっ! ダメっ! ゲオルグくんっ!それっ、だめぇっ!」

刺激が強かったのか、なのはは一際大きな喘ぎ声をあげる。
何度か母乳を飲むゲオルグであったが、すぐになのはの乳首から口を離すと、
なのはの顔を見上げる。

「あんまり美味しいもんじゃないんだな」

「そうだよ。 だって大人が飲むものじゃないもん。
 赤ちゃんのためのものなんだから・・・・・あっ」

なのはが驚いたような声をあげて膨らんだ自分のお腹に目を向ける。

「どうしたんだ?」

怪訝な表情で尋ねるゲオルグに向かって、なのはは優しげな笑みを向ける。

「今ね、赤ちゃんがうごいたの」

「えっ!? マジか!?」

慌ててなのはのお腹にそっと手を当てるゲオルグ。
その直後、なのはのお腹にほんの小さな動きがあった。

「あっ! 今動いたよな!?」

「うん。 ゲオルグくんもわかった?」

「もちろん! うわぁ、マジかよ。 すげぇ」

素直な感嘆の声をあげるゲオルグの様子を、なのははにこにこと笑いながら見る。

「きっと、えっちなパパがおっぱいを飲んじゃったから怒ったんだよ。
 それは自分のものだって」
 
「うわ、そうなのか?」

ゲオルグは慌てた様子でなのはのお腹をゆっくりとなでながら、
お腹の中の子供に向かって話しかける。

「ごめんな。 でも、お前はまだ飲めないんだから今だけは俺に譲ってくれよ。
 生まれてきたら、全部お前のものだからさ」

「だって。 エッチなパパだけど許してあげてね」

なのはは何度か自分のお腹を優しく撫でると、ゲオルグの方に目を向けた。

「ゲオルグくん。 続き・・・しよ」

なのははゲオルグの頬を両手ではさみ込むと自分の方へ引き寄せてキスをする。
そして、両手をゲオルグの肩に移すとトンと押してゲオルグをベッドの上に
押し倒す。
さらに、なのははゲオルグのズボンとパンツを脱がし、屹立するゲオルグのモノを
咥え込んだ。

「うっ・・・何すんだよ・・・ああっ!」

なのはの頭が上下し始めると、ゲオルグは自らの身体を突き抜ける快感に
悲鳴のような声をあげる。

「なのは、も・・・出る」

なのはが動き始めていくらもしないうちにゲオルグは限界を迎えつつあった。
ゲオルグの言葉に対してなのはは笑みを浮かべると、その動きを速める。

「くぁっ! なのはっ、でるっ!!」

そう言った直後、ゲオルグは腰をはね上げなのはの口の中に精を放った。

「んっ・・・」

なのははゲオルグの放った精液を口で受け止めようとする。

「ぷあっ・・・」

だが、思っていたよりも量が多く口内に収めきれなくなり吐き出してしまう。

「はあっっ・・・たくさん出たね」

「実は、ここ1カ月はずっと出してない・・・」

「ええっ!? そうだったの? ダメだよ。 病気になっちゃうよ」

「そうは言っても自分でヌクのもちょっと空しいしさ・・・」

寂しげに微笑むゲオルグの頬に、なのはが手を当てる。

「じゃあ、今夜はゆっくり楽しもうよ」

なのはの指がゆっくりとゲオルグの身体をなぞりながら下へと降りていく。
ベッドサイドに置いていたコンドームを手に取ると、まだ固さを保っている
ゲオルグのモノにかぶせた。

「なのは・・・」

なのはは妖艶な笑みを浮かべて下着を脱ぎすてると、ゲオルグの上にまたがり、
自分の指で割れ目を押し開くと、コンドームをつけたゲオルグのモノを自分の
胎内へと迎え入れた。

「んぅううううっ!」

腰を落としてゲオルグのモノが胎内に差し込まれ、なのはは少しのけぞって
身体を震わせつつ甲高い声をあげる。
固く閉じられていた瞼が開くと、潤んだ瞳がゲオルグの顔を見下ろした。

「入れただけでイッちゃったよ・・・。久々だからかな?」

舌足らずな口調でそう言うと、なのははゆっくりと腰を振り始める。

「んっ・・・あんっ・・・やっ・・・」

ゲオルグの眼前でなのはの豊満な胸が躍っていた。
その煽情的な光景に思わずつばを飲み込み、ゲオルグは手を伸ばして
なのはの乳房を掴む。

「ふぁっ! ゲオルグくんっ! それっ・・・・・いいっ!!」

ゲオルグの指が、妊娠後少し色素の濃くなったなのはの乳首をこねくり始めると
なのはは一際大きな声で喘ぎ、腰の動きを早くする。

「なのはっ! 俺も動くぞ!」

「うんっ! うごいてぇ・・・ゲオルグくんもっ! うごいてぇええっ!」

ゲオルグもなのはの動きに合わせて腰を上下し始める。
2人の動きはさほど激しくはない。
だが、2人の身体がぶつかり合い、ペチペチという音を立て始める。

「あっ、やあっ・・・げおるぐくぅん! だめっ、わたし、もうっ、だめっ!!」

「なのはっ、なのはっ! おれも、もうっ出る!」

ゲオルグは射精の切迫感から腰の動きを速める。
すると、なのはは更に甲高い声で喘ぎ始め、絶頂へのぼりつめていく。

「ひぃあっ! やん! ぁあっ! ゲオルグくっ! だめぇっ!」

「なのはっ! なのはっ! なのはぁっ!!」

ゲオルグがなのはの名前を何度も呼ぶ。
なのはは、頭を抱えるようにしながら髪を振り乱す。

「やぁああああんっ! だめだめぇっ、もうっ、だめぇっ!」

なのははゲオルグの胸のあたりに手をついて自分の身体を支える。

「にゃぁあああああああんっ!!」

「うあっ!!」

直後、絶頂に達したなのははピンと背筋を伸ばしたかと思うと、
ビクっと何度か身体を震わせたあと、ふにゃっとゲオルグの方へと
倒れ込みそうになる。

なのはの膣に自分自身のモノを締め付けられて本日2度目の射精を果たしていた
ゲオルグだったが、自分の方へ倒れ込んでくるなのはに気付き、慌ててその肩に
手を伸ばして支えた。

「くっ・・・大丈夫か?」

射精後の脱力感の中に居たゲオルグではあったが、なんとかなのはが前向きに
倒れ込むのを支え切ると、ぐったりしているなのはに声をかける。

「ふぇっ? あ、うん。 大丈夫、だよ」

絶頂による自失からだんだんと立ち直りつつ、なのははゲオルグに言葉を返す。
だが、その口調は全く舌が回っていなかった。

「横にするからな、いいな?」

「うぅん・・・」

ゲオルグは身を起こすと、なのはをベッドの上にあおむけで寝かせる。
そして大きく息を吐くと、なのはの隣にへたり込むように横たわった。

大きく荒い息をする2人は、しばらくして息が整い始めるとお互いのことを
じっと見つめあった。

どちらともなくクスクスと笑い始めると、しばらく2人は声をあげて笑い続けた。
少しして笑いが収まると、ゲオルグはなのはの頬を指でつんつんとつつく。

「大丈夫か?」

「うん、へいき」

相変わらずなのはは舌足らずな話し方でゲオルグに答える。

「でも、久しぶりだから、早かったよね」

「そうだな。 俺もなのはも・・・な」

「ふふっ、ゲオルグくんなんて2回目なのにね」

「うるさいよ。なのはだって、入れただけでイってただろ」

「・・・・・軽くだもん」

「うそつけ。 ビクンビクン身体が震えてたぞ。 あれはマジでイってたね」

「・・・・・そだね」

なのははあっさり認めると、ゲオルグの肩に頭を寄せる。

「・・・すっごい気持ちよかった」

「俺もだよ」

ゲオルグがなのはの頭を抱き寄せると、なのははゲオルグの目を見つめる。

「ね、もいっかい!」

「はあ? 俺は別にいいけど、大丈夫か?」

「大丈夫だよ。 それに、ゲオルグくんだってものたりないでしょ?」

「そりゃ、まあ・・・な」

少し顔を赤くして、ゲオルグは自分の頬を掻く。
なのははそんなゲオルグを見てクスッと笑う。

「じゃあ、しよっ!」

ゲオルグは無邪気な顔で言うなのはに一瞬呆れたような顔を見せる。
が、次の瞬間には真剣な顔でなのはの顔をのぞきこんだ。

「いいけど、次はお前が下な。 危なっかしいから」

「・・・はぁい。 じゃあ、きて」

再び妖艶な表情を見せるなのはに、ゲオルグは覆いかぶさっていった。





それから3回ほどまぐわった二人は、ベトベトになった身体を洗うべく
風呂に入っていた。
湯船には改めて沸かしなおした湯が張られ、そこになのはとゲオルグが座っている。

なのははゲオルグに後から抱きしめられるような形でぼんやりと天井を見ていた。

「そういえば、いっこ聞きたいんだけどさ」

「なぁに?」

「なんで突然フェイトと不倫してるなんて言い出したんだ?」

「ふぇっ? うん、実はね・・・」

それから5分ほどかけてなのはの話を聞いている間、ゲオルグの表情はだんだんと
険しいものに変わっていった。
そして、なのはが話し終えるとゲオルグはしばし俯いたあと、徐に口を開いた。

「はやてめ・・・そんなデタラメ話を吹き込みやがって・・・・・」

その声は低く、明確な怒りが込められていた。
次いでゲオルグはなのはの方を見る。

「お前もさ、そんな話あるわけないだろ。 フェイトと俺が結婚するとか。
 大体、今現在お前と結婚してるのにそんなことがあるわけないだろ」

「別にわたしだって信じたわけじゃないもん。
 はやてちゃんだって、こんなこともありえたかもしれないね、
 って感じの話だったし」

「じゃあ、なんで俺が不倫してるなんて話になるんだよ」

「だって、この前のバーベキューのときにフェイトちゃんと付き合ってても
 おかしくなかった、なんて話もしてたし・・・ちょっと不安になっちゃって」

「はぁ・・・なるほどね」

ゲオルグは大きくため息をつくと、再びなのはの目をじっと見る。

「それで? 俺はきちんと証明できたのかな?」

「もっちろん! ゲオルグくんがわたしのことを心から愛してるんだって判ったよ」

「そっか。 じゃあ、一件落着か。
 ただ、それはそれとしてはやてには何かオシオキが必要だな・・・」
 
「え? でも、はやてちゃんのおかげでこんなにステキな夜を過ごせたんだよ?
 オシオキはちょっと・・・」

「そうか・・・」

そう言って俯き考え込むゲオルグ。
しばらくして、何か思いついたのか手を叩いて勢いよく顔をあげる。

「じゃあこんなのはどうだ?」

そう言ってゲオルグはなのはに耳打ちする。
ゲオルグの話を聞いたなのはは、怪訝な表情を見せた。

「そんなの恥ずかしいよ」

「いいんだって、細かいとこまで話す必要はないんだから」

「うーん、じゃあ判った。やってみるね」

なおも半信半疑の様子のなのはに対して、ゲオルグは嫌らしい笑みを浮かべていた。





翌日。
オフィスで捜査資料をまとめていたはやては、昼食をとろうかと思い始めたころに
なのはからの通信を受けた。

(なのはちゃん? なんやろ)

不思議に思いながらも通信を繋ぐはやて。
彼女の眼前に現れた画面にはニコニコと笑うなのはの顔があった。

「おはよう、なのはちゃん。 どんな用事?」

「おはよ、はやてちゃん。 今日はね、お礼を言おうと思って」

「お礼? なんかしたっけ、私?」

「うん。 昨日、興味深いお話をしてくれたでしょ?」

「昨日? ああ、ゲオルグくんとフェイトちゃんの話やろ。
 で、どう? ゲオルグくんは不倫してそうやった?」

そんなことはあり得ない。と判っているはやてであったが、生来の悪戯好きが
むくむくと顔を出して、ついそんな聞き方をしてしまう。

「ううん。結局、ゲオルグくんは不倫も浮気もしてないみたい」

「へーっ、そうなんや。 どうやって確認したん?」

「んとね、ゲオルグくん本人に証明してもらったよ」

「は? どうやって?」

はやては、自分自身ではその方法が思いつかず、純粋な興味として尋ねた。
するとなのはは、幸せそうな表情でうっとりした笑みを浮かべる。

「あのね。 昨日の夜ね、いっぱいゲオルグくんに愛してもらっちゃったの」

それから30分ほどにわたって昨夜の情事についてなのはは語った。

話の骨子としては、
 "ゲオルグと何度も愛し合った"
 "すごく気持ちよかった"
 "ゲオルグがすごく優しくて、もっと好きになった"
という3点を延々と繰り返すものであった。

そして最後に"はやてちゃんのおかげでお互いの愛を確かめあえたよ、ありがと"
という一言で話は締めくくられ、なのはとの通信は切れた。

その直後、はやては

「やってられんっちゅーねん!!」

という言葉とともに自分の机を蹴り飛ばして、肩を怒らせて部屋を出たという。

 
 

 
後書き
お読みいただきありがとうございます。

といわけで、フェイトの場合CASE-1の内容は、
はやてさんの創り出したお話でした。

おまけというにはちょっと長すぎですね。反省。
 
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