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蓋世不抜のアカンサス
序章
面白そうなのに
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ごく良い思い出になるんだと思うけど」

「部活動……?ああ、スポーツとかやるんだよな」

「そう。まあまあ楽しかったよ」

「ふーん。なんか良い事しかない気がするけど、なんかまずいの?」

「まずい……ていうかあるんだよ。弱い者いじめとか、そういうの」

「ほー……喧嘩とはちがうんだ」

「うん。まずそういう人達は多人数で一人を標的にするしね」

「いろいろあるんだなあ……」

 しみじみと軽く呟く薫に、釘を刺しておいた方がいいかと不知火が忠告する。だいたいそういう輩は面倒な事を持ってくるのがお決まりなのだ。

「潜入の時は標的にされないように気をつけて」

「えー……面白そうなのに」

「……ほどほどにね」

 彼の忠告などどこ吹く風の薫に、不知火は溜息をついた。すっかり夕日に沈んだ学園島の中にある武偵高校男子寮。その一室にあかりが点いているのを見つけて、二人は足を早めた。
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