第二十八話 導かれし者の末裔
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私たちはテルパドールの城に向かっていた。
理由は女王が予言した『近々勇者が現れる』の真偽を確かめる為だ。
「こんにちは、旅のお方。私はテルパドール国の女王アイシス」
「こんにちは、アイシス陛下」
「フフ、陛下だなんてつけなくていいですよ。そういう堅苦しいのは苦手ですし」
「そうですか。ではアイシスさんとお呼びしますが」
「別に構いませんよ。それで、私の所に来たのは勇者のことについてでしょう?」
「な、なんでそれがわかったんですか?」
「私の予言について、聞きに来る人が多くて。あなた方もそれかと思ったのですが……当たったみたいですね」
ま、よく考えれば他の人も予言の真偽を確かめに来ているんだからわかるのは普通か。
「それで、勇者の予言は本当なのですか?」
「本当ですが……予言について語る前に私の先祖。そして数百年前の事が関係します」
「どうぞ、聞かせてください」
アイシスさんは軽く頭を下げると話し始めた。
「かつて自らを究極の生物に進化させようとしていた大魔王エスタークは邪悪な意思により数百年前のこの世界に蘇りました。
しかし、邪悪な意思が滅ぼした勇者は生きていたのです。
勇者は七人のみちびかれし者たちと共に大魔王、そして邪悪な意思を倒しこの世界には平和が訪れました。
その後、導かれし者達の一人ミネアは放浪の旅を続け砂漠のある村に辿りつきました。
ミネアは村のことを気に入り、仲間達の力を借りて村を発展させていったのです。
そして村は町となり、さらに発展し続けついに国となりました。
国の人々はミネアに感謝していたため国王にはミネアがなりました。
ミネアは勇者が装備していた天空の兜を国宝とし、次に現れるであろう勇者のために大切に保管していたのです。
ミネアはその後老衰のため亡くなり、次期国王にはミネアの娘がなりました。
国王になったときミネアの娘は予言をしたのです。
ミネアには予言の才能があり、それが娘にも引き継がれたということ。
それ故にテルパドールの国王には予言の力を持つ女性がなることになりました」
「ということは予言は本当だと」
アベルが言った。
「ええ」
「……天空の兜も本当にあるのですか」
「ありますが、その様子からするに物見遊山で予言のことを聞きにきたわけじゃなさそうですね。なぜあなたは勇者のことを追い求めるのでしょうか」
「……僕の母は不思議な力を持つ故に魔界にさらわれました。父は母を取り戻すには天空の装備、そして勇者がいなくてはと思い世界を幼かった僕と共に旅をしていたのです」
「お父さんの名前は?」
「パパスです」
「!やはりパパスでしたか」
「父のことを知っていたのですか!
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