第八十三話 卒業式に向けてその八
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「本当にな」
「アイドルっていっても深いものがあって」
「何か色々とあるんだな」
「そうね」
五人でこのことを確認することになった、だがだった。
バンドとアイドルの違い、境目は結局ここではわからなかった。このことは部長に聞いても笑ってこう言うだけだった。
「そんなことどうでもいいでしょ」
「どうでも、ですか」
「いいんですか」
「そう、どっちでもね」
違わないといった口調だった。
「私達がアイドルだって言ってもね」
「アイドルですか」
「そうなるんですか」
「そう、それだけよ」
これが部長の意見だった。
「私が思うにはね」
「そうなんですか」
「それだけなんですね」
「どっちでもいいから」
こう五人に言うのだった。
「自分ではアイドルとは思ってないけれど」
「それでもですか」
「バンドがアイドルって言っても構わないし」
「その逆も」
「というか私もその境目わからないから」
部長もだというのだ。
「チェッカーズね、その」
「チェッカーズがバンドだったかアイドルだったか」
「どっちかは」
「正直チェッカーズの実力は相当だったわ」
「伊達に一時代を築いていませんよね」
「今聴いても相当ですよね」
「ええ、演奏も曲もね」
特にメインヴォーカルがだ、藤井フミヤ当時は藤井郁弥という名前にしていたが呼び方は全く一緒である。
その彼が中心となったグループだった、やはり彼が一番大きな存在だったのがチェッカーズというグループだ。
「だからチェッカーズを見ても」
「バンドかアイドルかは」
「境目は曖昧ですか」
「自分達がアイドルって言えばアイドルで」
そして、というのだ。
「バンドって言えばバンドでしょ」
「それ位の違いですか」
「あまり違いがないってことですね」
五人は部長の言葉を聞いて述べた。
「つまりは」
「そういうことですか」
「そうでしょ。だからあんた達がスクールアイドルだって言っても」
それでもだというのだ。
「私何も思わないから」
「私も。それはね」
「私もよ」
副部長と書記もここで出て来て二人に言って来た。
「軽音楽部でもね」
「アイドルって言っていいわよ」
「ううん、そうなんですか」
美優が副部長と書記の言葉を聞いて述べた。
「特に、ですね」
「そう、別にいいわよ」
「あんた達の好きにすればいいわ」
「わかりました、まああたし達は」
美優は仲間の四人を見たうえで部長達にこう答えた。
「バンドでいきます」
「アイドルとは言わないのね」
「はい、特に」
また答えた美優だった。
「というかアイドルって言っても」
「違わないでしょ」
「そう言われますと」
「好きにすればいいからね」
部長が美優に
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