第61話 親子の絆は死んでも続く
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間ならば1時間は指一本動かすことは出来ない。其処で大人しくしているが良い」
今度は逆に伍丸弐號が勝ち誇った顔をしていた。確かに言う通りだった。銀時は勿論伍丸弐號に攻撃を食らった者全員が全く起き上がれずに居たのだ。皆同じ様に毒を体内に流し込まれてしまい身動きが取れなくなってしまっていたようだ。
このままでは再び芙蓉が奴らの手に渡ってしまう。だが、現状でそれを阻止出来る人間は誰もいなかった。
「流山!」
「五月蠅いぞ!」
溜まらず止めに入った源外にも同じように拳と毒をお見舞いする。双方を食らった源外が頭から地面に倒れこみ悶絶しだす。ご老体にはからくりの一撃はかなり堪えたようだ。
これで邪魔者は居なくなった。そう言うかの様に再度伍丸弐號の手が芙蓉に伸びる。すると、今度はその伸びた手になのはがしがみついてきた。小さな体でその腕にしがみつき、これ以上芙蓉に近づかせまいと懸命な努力をしたのだ。
「何の真似だ? 自ら望んで死地に飛び込むと言うのか?」
「嫌だよ! もうこれ以上たまさんを苦しめないでよ! あなたはたまさんのお父さんなんでしょ? だったら何でたまさんを苦しめるの? 何でたまさんを悲しめるの? そんなの、そんなの本当のお父さんのする事じゃないよ!」
「………成程、お前が奴の言う子と言う訳か」
なのはが言ったその言葉で理解したのか、突如として伍丸弐號の顔が邪悪な色一色に染まって行く。その邪悪な表情は例え遠くに居たとしても充分見て取れた。
「て、てめぇ………何する気だ!?」
「貴様も父親を名乗ると言うのならば、教えてやらねばなるまい。私が芙蓉を失った際に受けた悲しみと絶望を」
その言葉が全てを物語っていた。伍丸弐號が次に何をするのか、それは火を見るより明らかと言えた。
一斉に身を振るって起き上がろうと切磋琢磨する。だが、それらも無駄な努力でしかなかった。幾ら体を揺すっても、幾らジタバタもがきあがこうとも、体を縛る痺れを取り払う事は出来なかった。
「無駄なあがきだ。其処でじっと見ているが良い。貴様が手塩をかけて育ててきた子が無残にも骸へと化す様を、其処で目を凝らしてなぁ」
勝ち誇るように言葉を述べたのち、唐突にそれは行われた。未だに必至に腕にしがみついているなのはに対し、思い切り腕を振るい地面へと叩きつける。幾ら必至にしがみついていようと子供の力で大人、しかもからくりで強化された輩に対抗出来る筈がなく、あっさりと背中から地面に叩きつけられてしまった。
「あぐっ! い、痛っ……」
相当な衝撃で叩きつけられたのだろう。なのはの顔に苦痛の表情が浮かび上がる。歯をめいっぱい食いしばり、冷や汗が流れている。あの痛み方から見て、最悪骨をやられてる危険性が見受けられた。
「痛む
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