暁 〜小説投稿サイト〜
問題児たちが異世界から来るそうですよ?  〜無形物を統べるもの〜
一族の物語 ―我/汝、悪である― @
[5/7]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
た。
 そして、最後には神すらをも屠り、一族の中で最も異質な奥義を編み出した。

 一人(六代目)は、先代を疎んでいた。
 先代の偉業、神殺しが彼にはプレッシャーとなり、それに押しつぶされようとしていた。
 だが、民はそんなことは気にもしない。
 先代の強さを彼にも望み、彼がそれに答えないと掌を返した。
 先代はすばらしかったのに。
 先代は人となりもよかったのに。
 そんな言葉が、彼に世界を呪う決心をさせた。

 一人(七代目)は、父の意思を継いだ。
 否、継がされた。
 彼は生まれてからずっと、父に洗脳されていた。
 世界を呪え、ただそれだけを教え込まれてきた。
 そうした心で過ごしていたせいか、一族は再び恐怖の対象となってきていた。
 そして、志半ばで死亡した。

 一人(八代目)は、そんな父を間近で見てきた。
 そして、一族の歴史を紐解き、民が何度も掌を返していることを知った。
 そして、父の死とともに、彼は堪えが効かなくなった。
 彼は世界を呪うために一つの奥義を編み出し、そして、そこで息を引き取った。

 一人(九代目)もまた、父の様子を見てきた。
 そして、父の奥義を完成させるために怨みを連ねた。
 一族の奥義は、強き意志によって編み出される。
 それゆえに、彼は怨みを重ね、怨みを連ね、世界に絶望し・・・
 父の奥義と対になる、奥義を編み出してしまった。

 一人(十代目)は、そんな歴史を知らなかった。
 父は自らが狂っていることを理解していて、子に会うことが無かった。
 だが、父の死とともに、全てを察した。
 長寿であった父を生かしたのが何であるのか、それを知ってしまい・・・
 そして、霊獣を殺すのにその二つの奥義を使い・・・世界の全てを、呪った。

 一人(十一代目)は、祖父の死を境に壊れていく父を、隣で見ていた。
 それ故に唯一止めることができ・・・だが、それを実行しなかった。
 そんな父を止めるしかないことは分かっていた。
 だが、彼にはそんなことが出来なかった。
 目の前で高笑いする父を、壊れていく父を、殺すしかないとは思った。
 だが、心優しい彼には、父を殺すなんて出来なかった。
 そして、殺さずに止める方法を強く願い・・・
 誰も殺さずに、全てを収める奥義を、編み出した。

 一人(十二代目)は、天才であった。
 幼きころに祖父が世界を呪い、父がそれを止めた。
 そして、その瞬間に祖父が自殺し、父も自殺したにも関わらず、彼は強く生きた。
 そのことを知った瞬間に奥義を習得し、一族の長となった。
 幼き彼を疎む分家は数多にいたが、それすらねじ伏せ、そしてその人望で束ねて見せた。
 そんな彼だからこそ、彼は一族の勤めを果たし
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ