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勝負
第四章
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第四章

「けれどデートにその格好はないだろ」
「幾ら何でも遊園地に少林寺の服はな」
「そ、それは違うんだよ」
 美麗が慌てふためいた様子で皆に対して言う。
「決闘で」
「僕もだ」
 冬樹も美麗と同じ様子で皆に説明する。
「決闘でここまで来たんだ。相手は」
「決闘ね」
 ここで出て来たのは由佳であった。醒めた様子で二人の間に入る。
「二人は決闘をしに来たのね」
「そうだ」
「そうだよ」
 二人はそれぞれ由佳に答えた。
「それでどうして皆がここに」
「どういうことなんだよ、これって」
「じゃあそれでいいじゃない」
 由佳は澄ました顔で二人に対して告げた。だが二人は見てはいない。
「決闘で。早く決めるのね」
「決める!?」
「一体何をだよ」
 冬樹も美麗もここでお互いを見た。そうして顔を真っ赤にしての言葉であった。
「皆もうわかってるわよ」
「そういうことだよ」
「その通り」
 由佳に続いて充と皆も言うのだった。
「早く言えばいいだろうに」
「なあ。相思相愛なんだしな」
「相思相愛って」
「だから何のことだな」
「決闘よね」
 由佳は下手なしらばっくれ方をする二人に対して楔を打ち込むようにして言葉をかけた。
「確かそれで来たのね、二人は」
「だからそれはさっきから言っているのだが」
「わざと話逸らしていないか?」
「いえ、逸らしてはいないわ」 
 由佳は強引な調子でそう定義付けた。
「それは安心して。ただ」
「ただ?」
「何なんだ、今度は」
「決めるのね。決闘なら」
 二人に対してまた告げるのであった。
「今ここでね」
「ここでなのか」
「そうよ」
 今度は冬樹にだけ答える。
「決めろっていうのか」
「その通りよ」
 そして今度は美麗に。それぞれ言ってみせた。
「その方が楽になるわよ」
「言えって早く」
「もうわかってるんだからよ」
 その周りから皆が囃し立てる。わかっているからこその言葉であった。全て二人を煽って急かす。そうした類の囃し立てに他ならなかった。
「さあ早く」
 そしてまた由佳が二人に声をかける。
「言いなさい」
「わかった。山口」
「若松」
 二人は意を決した顔になった。そうしてお互いを見据えて声を掛け合う。
「僕と遊園地に行って欲しい」
「そして二人で楽しもうな」
「これでよしだな」
 充はここまで聞いて満足した笑みを浮かべるのであった。
「やっと決着がついたな」
「ええ、そうね」
 由佳もここではじめて微笑んだ。意外と可愛い微笑であった。
「決闘は案外一瞬で決着がつくものなのよ」
「そういうことだな。しかしよ」
 充はクラスメイト達に囲まれて囃し立てられる二人を見て言う。
「何かしら」
「あの服で
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