眷属、集めます
第24話
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魔剣を受け取るんだ。正確な報告が欲しいから」
何かに苦しむフリードに痛覚遮断の魔剣を投げ渡す。魔剣を受け取ったフリードの呼吸が少しずつだが整っていく。
「すまねぇ、世話かけて」
「気にする必要は無いよ。さてフリード、君が手に入れた『禍の団』の情報を報告してくれ」
「『禍の団』は、戦力を欲してる。その為にかなりの規模の実験を行ってる。オレッちが掴めたのは、神器の強制禁手化と、人や天使や堕天使や悪魔を使ったキメラ製造、そして教会がやっている聖剣を扱う為の因子の移植。戦力として聖剣創造は少なくとも二人、内一人は禁手化している。それから魔獣創造が居る。オレッちが掴めたのは此所までで、不意打ちで身体をこんな風にされちまった」
フリードが神父服を魔剣で切り裂く。その下から現れたのは人でも悪魔でも天使でも堕天使でもない、何かの身体としか言えなかった。
「変なもんを植え付けられてから、そいつにこんな風に少しずつ浸食されて、自我を食い尽くされればキメラの完成さ。オレッちもそろそろ限界さ。だから、オレが人間であるうちに殺してくれ。化け物になんかになるなんてまっぴらご免さ!!」
「……それが望みなら、僕は友として君を殺そう、フリード・セルゼン」
苦しまない様に、一撃で楽にする為にカリバーンを作り出す。
「最後に聞いておくよ。何処に埋葬して欲しい?」
「……もう滅んじまったオレッちの故郷に、村の皆の墓があるのさ。ちょくちょく手入れはしてるから、今も綺麗に残ってる。家族の墓の、妹の墓の隣に。両親とはあまり仲が良くなかったから」
「分かった。必ず、そこに埋葬しよう。神への祈りは捧げないよね」
「オレッちからすれば神も化け物さ」
「ああ、そうだね」
カリバーンに魔力を通し、心臓に狙いをつける。
「さようなら、フリード・セルゼン。エクソシストの中で、最も人間を愛した者よ」
「さよならさ、木場祐斗。エクソシストの中でも最も変わり者で、己だけの神を信じる強い男」
別れの言葉と共にカリバーンをフリードの心臓に突き立てる。突き立てた瞬間に一度だけ身体が跳ね、そのままゆっくりと瞳から光が消えていく。
「おやすみ、フリード」
目を閉じさせて抱き上げる。昔、資料で見た事があるからフリードの故郷が何処にあるかは知っている。転移で故郷にまで跳ぶ。フリードの故郷は、一面に墓が広がる寂しい場所だった。あとで知ったのだがフリードの故郷は悪魔と天使の小競り合いに巻き込まれて滅んだようだ。
「フリードの人外嫌いはこの風景の所為なのでしょうね」
フリードの手作りと思われる墓を一つ一つ確認し、ようやく見つけたフリードの家族の墓は、他の人の物と同じ墓だった。フリードの妹の物と思われる墓の隣には丁度一
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