風に消える慟哭
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目を瞑って震える息を吐きだした秋斗を、風は見ない事にした。
テクテクと歩くこと数歩。星の煌く夜天をのんびりと見上げた。
彼に“わざと”思い知らせた事を後悔しながらも、乗り越えて欲しいと願った。
出会った時に大きな痛みを感じるよりも、ゆっくりと、分けて感じる方が壊れないですむから、と。
――バカなのですよ。お兄さんも、鳳統ちゃんも。もう少し……風達を頼ってもいいのです。
冷たい一筋の風が彼女の頬を撫でた。
耳を掠める悲哀の響きは聴こえない振り。風に舞い散るはどのような想いであるのか。
夜天の夜に新たな絆の優しさと彼女の想いを知り、彼は嗚咽を漏らしながら心の内で慟哭を上げた。
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