今後の為の方針
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わね?」
「へ〜。ヴォルフ君も隅に置けないわね?」
「……もしかして逢い引き?」
「遊びに行くわけじゃ無いんだがな……」
小冬達の冷やかすような言葉にヴォルフは居心地が悪くなって、溜息混じりに答えつつ夏空に視線で助けを求めるが、夏空はニコニコと笑顔で返してくるだけだった。
「お待たせー!」
完全装備の神無が訓練所に走って来た。その背中には鞄を背負っており、内圧で膨れ上がっている。
「……まぁ良い」
流石のヴォルフも、早朝から朝食作りも兼ねて頑張っていた神無の姿を見ているので、その厚意を無碍には出来なかった。決して彼女の料理に釣られた訳ではない……はず。
「では行ってくる。正太郎が莫迦をやらないように頼む」
「任せて。その時はお宝に蹴りを入れるから」
「……行ってらっしゃい」
「えーっと……気をつけてね二人とも」
小冬の物騒な回答に苦笑しながら、椿と梓が言う。
「無茶しちゃダメですからね?」
「大丈夫だよお姉ちゃん。じゃ、言ってくるね皆!」
神無が告げると、ヴォルフは背を向けて村をでて森の奥へと歩き出し、神無もヴォルフを追って小走りに駆け出して行った。
「……ねえ夏空」
二人の姿が見えなくなると、椿と梓がヴォルフの悪筆で書かれた訓練内容の解読に掛かり始める中、小冬が夏空に話しかけた。
「どうしたのですか? 小冬ちゃん?」
今の小冬はいつもの何処か不敵な態度ではなく、恥ずかしそうに何処か不安気で弱々しく揺れていた。
「私に料理教えて。神無に負けたくない」
小冬の言葉に夏空は少し驚いて少しばかり目を見開いたが、すぐにいつもの優しい笑顔を浮かべた。
「勿論です。お昼も夕食も一緒に作りましょうね。この前の湯治のお客さんから頂いたお料理の本は、私も興味ありましたし」
「な、何で知って……」
「お姉ちゃんは何でも知ってますよ〜。さ、始めましょう。まずはヴォルちゃんの訓練です」
「分かった」
小冬が返事をすると、夏空はテーブルで内容の解読に悪戦苦闘している椿と梓の方へ向かった。
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