第一話 大久保少佐!!剣が白銀に輝く漢その六
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「偉大なるこの悲願のことを」
「何故失敗したのかも」
「それすらも」
「人は失敗から学ばねばならんでごわす」
正論である、それも究極の。
「そして得た結論はでごわす」
「より一層の仁愛と資金と人材、技術を投入し」
「さらに完璧な統治」
「完全に公平にして平等に」
「以前以上に」
「そうすることがでごわす」
前回の併合の反省点であるというのだ、尚日帝衆に併合をしないという選択肢は最初から考慮に入っていない。
「子供達もそのうえで」
「我々を支持してくれていますね」
「応援してくれていますね」
「日本の完全復活でごわす」
その再併合が成った時こそ、というのだ。
「いよいよその時でごわす」
「人種偏見の世界を打破し」
「太平洋経済圏を設立し」
言うまでもなく大東亜共栄圏である。
「そして常任理事国となり」
「いよいよですね」
「再併合ですね」
「その時になりましたね」
「そうでごわす」
だからこそ、と言う西郷だった。
「では大久保少佐にはこのままでごわす」
「子供達に剣道をですね」
「教えてもらうのですね」
「そうでごわす」
まさに、というのだ。
「それではだ」
「はい、では」
「これより」
こう話してだった、彼等は大久保に今後も任せることにした。実際に子供達は彼の熱い教育を受けてだ。
己を高めてだ、そうして。
日帝衆にだ、熱い声でこう言うのだった。
「再併合頑張って下さい」
「今度は前よりもよくして下さいね」
「応援してますから」
「日帝衆の皆さんなら出来ます」
日帝衆の基地、堂々とそう看板を掲げているそこに応援の手紙やメールが殺到した。彼等はまさに子供達のヒーローで再併合の支持も高かまっていた、だが。
その彼等を見てだ、悪田部はというと。
己の執務室においてだ、ある女に対してこう言った。見ればその女は。
綺麗な黒髪、長く伸ばしたそれを後ろで束ねている。黒く細い縁の眼鏡の奥には切れ長で二重の琥珀の輝きを放つ瞳がある。
細面で白く透き通る様な肌だ、唇は小さく薔薇色で鼻は高い。耳が出ているが少し尖っている感じである。
胸が大きく脚はすらりとしている、その服をダークグレーのスーツとミニのタイトスカートで覆っている、腰のラインもいい。
その女性にだ、彼はこう言うのだった。
「まずいな」
「はい、大久保少佐のことですね」
「このままではだ」
「子供達からですね」
「日帝衆の支持が集まる」
そしてだ、このことからだというのだ。
「再併合へとつながる」
「子供達の支持は大きいですからね」
「只でさえ彼等の少子化対策は成功してだ」
日本を長い間悩ませていたこの問題もだ、日帝衆の雇用と保険、そして児童福祉の確保と充実の諸政策によ
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