第八十三話 卒業式に向けてその六
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「努力してるからよ」
「成程ね」
「ただ、アイドルはね」
「アイドルは?」
「水着必須だから」
グラビアの仕事である、中には下着になるアイドルすらいる。勿論グラビアの仕事の中だけのことであるが。
「私人の前に水着になって出るのはね」
「無理なのね」
「ちょっとね、皆と一緒ならいいけれど」
夏の海の時の様にだ、五人にとってはいい思い出の一つだ。
「けれどね」
「グラビアとかはなのね」
「無理よ」
自分でこう言う里香だった、少し苦笑いになって。
「それはね」
「そうなのね」
「それは私もね」
景子も言う。
「ちょっと考えたけれど」
「あたしもな」
「私も」
美優と彩夏も言う。
「その辺りも努力なんだろうな」
「アイドルってね」
「このこと皮肉とかじゃなくて」
里香はそもそもそうしたことを言わない、だが今はそれを強調して言うのだった。
「アイドルっていうのは」
「男女共に、よね」
「そう、努力なのよ」
努力しているものだというのだ。
「だから厳しい世界なのよ」
「センターとかな」
美優も言うのだった。
「勝ち取ろうって思ったらな」
「もう大変だから」
「グループでもな」
「総選挙でもね」
里香は具体的な例も話に出した。
「そういうのもあって」
「そこで一位になろうって思ったら」
「可愛いだけじゃね」
とても、というのだ。
「なれないから」
「ダンスだって歌だって」
「あとファンサービスもよくてね」
「そうしたのが全てあってこそ、なのね」
景子もしみじみとした顔で述べた。
「アイドルって」
「そうみたいよ」
「ううん、何かそういうの聞いてたら」
景子は若布うどんを食べつつ述べた。
「アイドルも大変ね」
「華やかな様に見えてね」
「むしろファンには華やかに見えて」
「自分達はね」
当のアイドル達はだ。
「もう必死よ」
「汗と涙の世界なのね」
「競争も激しいしね」
特に総選挙のあるグループはだ。
「内外で」
「最近スクールアイドルもいるけれど」
「そのスクールアイドルもね」
彼等なり彼女達なりもだというのだ。
「真面目にやってるとね」
「努力の世界なのね」
「食べたいものも食べられないし」
スタイル維持の為だ、太るとルックスにも影響が出るし勿論ダンス等動きにも影響が出る。それでなのである。
「そうしたことを考えたら」
「太れないし」
「食事制限もあるのよ」
「ボクサーみたいね」
ハングリースポーツと言われている彼等に様にだ。
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