第八十三話 卒業式に向けてその三
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「そこ凄いわよね」
「日本通ではあるわね」
「間違いなく」
こう話すのだった、そしてだった。
そうした話をしながらだ、琴乃はクラスメイト達にこんなことも言った。それは他ならぬ自分達のことである。
「バンドだけれど」
「女の子のね」
「そっちは、っていうのね」
「アイドルになるのかしら」
それについてはどうかというのだ。
「どうなのかしら」
「ううん、どうかしら」
「某漫画だとアニメ化して声優さん達がブレイクしてね」
「皆アイドル声優になったわよね」
「そうなったけれどね」
主演の声優さん達全員がだ、一気に有名になったのだ。
「けれどバンドはね」
「昔だとレベッカだとかね」
「ゾーンもよね」
「けれどね」
「何か違うのかもね」
「そこはね」
女子バンドがアイドルになるのかどうかは疑問だった、それでだった。
五人共どうかという顔になってだ、こうも言うのだった。
「どうなのかしら」
「そこはね」
「今一つね」
「はっきりしないわね」
「私もね」
琴乃もだ、微妙という顔だった。そしてその顔でクラスメイト達に対して確かな顔でこう言うのだった。
「ちょっとその辺りがね」
「わからないっていうのね」
「そこが」
「そうなのよね、まあ私達自身はね」
プラネッツだけでなくだ、女子軽音楽部自体がというのだ。
「アイドルの曲も演奏するけれど」
「それでもよね」
「バンドっていう意識よね」
「別にアイドルとかはね」
そうした考えは、というのだ。
「あまりね」
「ないのね」
「そうなのね」
「バンドよ」
あくまでそうだというのだ。
「アイドルじゃなくてね」
「最近学園アイドルもいたりするけれどね」
「スクールアイドルね」
「そういうのじゃないのね」
「バンドって思ってるのね」
「そう思ってるわ」
どちらかというと、というのだ。
「私も皆もね」
「そうなのね、バンドね」
「バンドとアイドルはまた違うのかしら」
「やっぱり」
「いや、そう言われると」
どうかとだ、また言う琴乃だった。
「AKBだってバンドするし、チェッカーズも」
「ああ、あのフミヤさんの」
「あのバンドね」
「チェッカーズもアイドルだったから」
本人達はアイドルグループだと思っていたという。しかし多くのファンは彼等はバンドだったという。実際に楽器の演奏にも全力を注いでいた。
「だからね」
「バンドとアイドルの境目はね」
「はっきりしないのね」
「そこは」
「そうかもね、まあとにかくね」
こうしたことを話してだ、そしてだった。
そうした話をしているうちにだ、時間は過ぎて授業の時間となった。一年生の授業も終わりに近付いていた。
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