第二十六話 結婚式
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アベルとビアンカの結婚式がそろそろ始まる。
私は席に座り、結婚式の流れを確認していた。祝辞は誓いの言葉が終わった後だった。
『落ち着くには素数を数える』などどっかの神父が言っていたが数字ごときで緊張が消えるはずもない。何が言いたいかというと滅茶苦茶緊張しているってこと。
その時アベルが神父の前まで歩いていった。私はそれを見て(ついに始まった。)と思った。
花嫁衣裳のビアンカがダンカンさんに連れてこられアベルの隣に並ぶ。ダンカンさんはアベルに頭を下げると席についた。
「汝アベルはこの女性ビアンカを妻とし健やかなる時も、病める時も死が二人を分かつまで愛し続け、共に寄り添う事を誓いますか?」
「誓います」
「汝ビアンカはこの男性アベルを夫とし健やかなる時も、病める時も死が二人を分かつまで愛し続け、共に寄り添う事を誓いますか?」
「誓います」
「それでは指輪の交換を」
アベルは水のリングを、ビアンカは炎のリングをお互いに渡した。
「新郎新婦、口付けを」
アベルとビアンカは少し驚いた表情をしたもののちゃんと口付けをした。
「よかった。アベル、ビアンカどうか幸せに……」
私は涙目になりながらそう呟いた。
「それでは友人代表の祝辞」
ついに来たか。だが私のやるべき事だから仕方がない。私は転生するときよりも覚悟を決め、祝辞を読み上げた。
「このたび祝辞を読ませてもらうミレイです。
新郎のアベルとはオラクルベリーで会ってから旅を共にし、数ヶ月の付き合いになります。
私がアベルと出会ったきっかけはオラクルべりー周辺の森で魔物の群れに襲われており、対処しきれなくなっていたところを偶然通りかかってくれたアベル達が助けてくれました。
それ以来私はアベル達と旅をするようになりました。魔物と戦ったときだったり洞窟を探索しているときもアベルには助けられたり逆に助けたりなどいろいろなことがありました。
アベルは誰かのためなら自分の事を顧みず行動できる人です。アベルならビアンカのことを守れ、二人で幸せな家庭を築けるでしょう。
皆様拙いスピーチですがご清聴ありがとうございます。
最後になりますがアベル、ビアンカ結婚おめでとう。末永く幸せになってください。
友人代表ミレイ」
私が読み終えた時、大きな拍手が式場に鳴り響いた。
「神の下、今ここに新たな夫婦が誕生した。神よ、この夫婦を見守ってください」
アベル達は外に出た。私たちも後に続く。
そしてカジノ船でのパーティーが始まった。
アベルはヘンリーと何か話しているしスラリんちゃんたちはパーティーの参加客に紛れ込んでて姿が見えない。
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