第二十六話 結婚式
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果てさてどうしたものかと私が思っているとダンカンさんが私に話しかけてきた。
「ありがとう、ミレイちゃん。あの二人の祝辞をやってくれて」
「そんな。友人として当たり前ですよ、そんなの」
「……ビアンカは私たちの実の子じゃなくて山に捨てられていたのを私たちが引き取ったんだ。あの子は母親を何年か前に亡くしているし。だから私はビアンカが幸せになったことが、あの二人を祝福してくれた事がなによりも嬉しいんだ。」
「そうですね。やはり子供の幸せを嬉しく思うのが親ですよね」
「きっとミレイちゃんの親御さんだってそう思うだろう」
「……ええ、そうですね」
「さて私はパーティーに戻るとするよ。ミレイちゃんも早くしないとおいしいものがなくなってしまう」
ダンカンさんはパーティーに戻っていった。
(ミレイちゃんの親御さんだってそう思うだろう。)
確かに私の両親は私が結婚したら、結婚しなくても私が幸せだったら喜んでくれるだろう。
だがこの世界に私の両親はいない。
私が失ったものは今だけじゃない。過去も未来も奪われた。
けど、今は失ったことを嘆くよりも、仲間の結婚式のパーティーに出席しよう。
私はアベルとビアンカを探しにパーティー会場に入っていった。
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