プロローグ
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ため息を吐く二人に、タケルは「とりあえず説明をしてくれ」と疲れたように呟くのだった。
俺が数ヶ月以上もオコジョになることの危険性―つまりは、俺が星人に狙われているという事実―を、既にフェイトも把握していた。
まぁ、確かにどの星人も俺の周辺でしか発生していないことは明白で、しかもその動きは大抵、俺に向かっていたのだから、気づく人間ならば自然と気付くだろう。
だから、フェイトは迎えに来たらしい。
示された選択は2つ。
このまま、フェイトの仲間になるか、ならないか。
仲間にならないなら、特に何もない。このまま解放されてオコジョ化決定だ。つまり、ほぼ確実に死ぬ。絶対に生きるという目標を掲げた以上、簡単に死ぬつもりは無いが、やはり何の力もないオコジョになって星人に狙われたなら生き延びられるとは考えにくい。
そして、仲間になるなら。
いくつかの策を容易してあるらしく、このまま自分が仲間になってもネギに迷惑がかかることは無いらしい。
何よりも、生き残れる可能性がグンと高くなることが最大の利点。
それと、もう一つ。
驚くべきことにフェイトは俺が星人に狙われる事実だけでなく、その原因までをも既に把握しているらしい。「僕に任せれば多分、襲われる心配もなくなるけど?」
とまで言われた。その表情からも嘘ではないと思う。
まぁ、相変わらずの無表情ではあったが。
「なぁ、フェイト?」
「……決めたかい?」
相変わらず車を運転しているフェイトとミラー越しに目がかちあった。
「俺は、お前の仲間になる」
「そうだろうね」
――キミならそういうと思っていた。
そう言うフェイトに、俺は言葉を続ける。
「一つだけ、頼みがある」
「……頼み?」
「ああ」
俺はあえて言葉を小さく絞り、隣の栞という少女に聞こえないようにフェイトの耳に呟いた。
「――――でいいか?」
「……」
「虫がいいとは思うが……頼む」
頭を下げる俺に、フェイトは笑う。
「面白い、それでこそ僕が興味をもったキミだ」
「!! ……じゃあ?」
俺の問いに、フェイトは頷き、やはり微笑んだままハンドルを急激に切った。当然のように車が向きを変えて壁に向かって一直線に突き進んでいく。
「……オイオイ」
――死ぬ気か?
こちらを見守るように立つ6人の少女とフェイトの側を通り過ぎ、車は突き進む。
「……ん?」
――さっきフェイトが外に?
見間違いか? と思って車内を見渡せばフェイトと栞と呼ばれた少女は既に車の中から消えていた。
「……」
考えること1秒。
「……入団試験みたいな
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