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その魂に祝福を
魔石の時代
第二章
魔法使い達の狂騒劇2
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ろ、それをまだ決めかねていた。もちろん、フェイトにしろなのはにしろ、非殺設定とやらを使用するはず。それなら、命のやり取りにはならないのだろうが。
 だからと言って、わざわざ彼女達を戦わせる必要もない。避けられるなら、避けるべきだ。非殺設定とやらも完全に安全だという訳ではないようだから。
「まぁいい。まずは昼食を済ませよう」
 これもまた通例通りだが、月村家――つまり、忍、すずか、ノエル、ファリンの四名とその他にアリサも同行している。すずかとアリサがいる以上、なのはも日中は彼女達と行動するはずだ。……少なくとも、はっきりとした暴走と言う形にならない限りは。
(つまり、勝負は今夜、か……)
 それも正確ではない。なのはとフェイトの激突を回避したいのであれば、日中に決着をつける事こそが望ましい。
(それができれば、苦労はしていないんだが……)
 呻いていても仕方がないのは分かっている――が、朝から色々と問題があって今まで捜索できていない。もっとも、その問題と言うのは別に第三勢力の台頭や、恭也達の山狩が始まったというようなことではなく、単純にアルフの二日酔いだ。つい先ほどまで憐れもない姿で唸っていた。やれやれ。浴衣のまま寝かせるべきではなかったかもしれない。
(まぁ、どこぞの官能画家が見れば喜んで題材にしたかも知れないな)
 上下ともに程良く肌蹴た浴衣と頭痛に耐え身もだえ、喘ぎ声をあげる辺りだけ切り取って見れば、まぁそれなりに色気があった……ような気がしないでもない。そんな羽目に陥っている原因を知っている――ついでに言えば、その他の始末をした身としてはため息しか出ないが。 
 と、それはともかく。すでに時間は正午を大きく回っている。もっとも、俺達とてただ時間を浪費した訳ではない。前日に得た情報を精査する事で程度の範囲は絞る事に成功していた――が、その結果として別の問題が浮上した。
 いや、浮上と言うより明確化したというべきだろうか。
「まいったねぇ、これは……」
「うん。この様子なら多分……」
 地図を見ながら、アルフとフェイトが呻く。呻きたいのは俺も同じだが。
「ああ。おそらくだが……この分だと旅館の周辺にあるらしいな」
 残された範囲。それは、旅館の敷地内しかなかった。とはいえ、旅館の建物のどこかと
いう事はないだろう。それなら、さすがに気付く。
「アタシが言うのも何だけど、もう少しゆっくり色々と見て回れば良かったねぇ……」
「全くだな」
 ここ最近、やる事が全て裏目に出ている気がする。痛み出した頭を抱えて呻く。
 考えられる可能性は、周囲の整備された遊歩道のどこかだ。下手に探し回ろうものなら、誰に見られるか分かったものではない――が、のんびりと散策するくらいなら別に不自然でもなかっただろう。確かに想定外の出来事はあった
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