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その魂に祝福を
魔石の時代
第二章
魔法使い達の狂騒劇2
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に及ばず、俺も見た目は一〇歳をようやく超えた程度。アルフも――いや、フェイトが言うには一六歳程度の外見年齢にしたつもりらしいのだが……その割には背丈やら何やら色々と発育がいいせいで、もう少し年上に見える。
 それこそ、やや童顔の保護者だという言い訳ができる程度には。
「あいよ〜」
 ともあれ、鼻歌交じりに歩き出したアルフの背中を見送りつつ、魔力を練る。この旅館には、士郎達に連れられ、何度か来た事がある。一応姿を誤魔化しておくべきだろう。
 いや、一応どころでは済まされないらしい。旅館の入口にある、本日の宿泊予定者の一覧を見やり、思わず絶句した。
「そうか……。今日だったか……」
 平和ボケ――いや、この場合はむしろ平穏から距離を取りすぎた事が原因なのか。すっかり忘れていた。ああ、クソったれ。いつも思う事だが、こういう詰めの甘さは絶対に恩師の呪いに違いない。なんせ俺の恩師は果物一つで借金王になっちまうような奴だ。
「えっと……。光、どうしたの?」
 きょとんとするフェイトを見やり、呻く。
「妹がいる。……少なくとも、今日中に来る。向こうも、多分二泊三日で」
「え……?」
 高町様御一行と書かれたプレートを指差すと、フェイトも絶句した。言い訳をするような気分で告げる。
「……今日は、俺達が通っている学校の開校記念日なんだ」
 正確には違うのだが――あの学校は週末に開校記念日を移動させ、連休にするのが通例であり……その連休を利用してこの温泉宿に来るのが、高町家の通例だった。




 フェイトと二人、森の中を歩く。旅館の敷地から、少し離れた場所にある、ほとんど人の手の入っていない森だった。俺としては懐かしくもあり、そもそも過去に足を運んだ事もある場所だ――が、フェイトにとっては歩き難いだろう。とはいえ、ユーノに魔力を察知される可能性もある。迂闊に飛ぶ訳にもいかない。
「別に、お前まで付き合わなくていいんだぞ?」
 裾を気にしながら歩くフェイトに声をかけると、彼女は困ったように笑って言った。
「ううん、私も顔を見られてるから……。それに、光だけに任せる訳にもいかないよ」
 その言葉を深読みすべきか――例えば監視が目的であるといったように――どうかは判断に困るが……まぁ、言葉通りの善意だと思っておく事にしよう。と、それはさておき。
 旅館を中心とした一定範囲の中に、必ずジュエルシードが存在する。それが結論だった。ただ、反応が鈍くフェイト達には正確な位置を絞り切れない。もちろん、心眼を用いれば見つけられるだろうが、異境を使用しないとなると範囲が狭い。結局のとこは、暴走が始まるまで、情報は足で稼ぐしかなかった。暴走が始まるまで待つしかないというのはあまり気分のいい話ではないが……ある程度場所を絞り込めていれば、臨界を超えた直
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