A's編
第三十二話 中
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の書。そして、最後に自嘲するように闇の書は一言だけ付け加えた。これまでのように、そして、これからも、な。と。
もしかしたら、この行動も闇の書の本意ではないのかもしれない。いや、かもしれない、という予測を立てるまでもない。この行動は闇の書の本意ではないないのだ。その証拠に彼女は口にした。
―――暴走、と。
何より、全機能が解放されたにもかかわらず、闇の書の意志の通りに動かない時点で、闇の書が何かしらの欠陥を抱えていることは明白だ。
「どうにかならないんですか?」
僕が口にした言葉は、一縷の望みをかけた問いかけだ。そもそも、どうにかなるようであれば、とっくにそうしているであろう。
そして、闇の書からの答えは、予想を違えることはなかった。無情にも僕からの問いに彼女は首を横に振ることで答えるのだった。
「本当にないんですか?」
僕はすがるように聞いた。
この空間が闇の書の中だとすると、外ではまだ闇の書の暴走を止めるためになのはちゃんが頑張っているはずなのだ。クロノさんたちは―――わからない。屋上のことも合わせて、時空管理局が何を考えて行動しているのかまったく予想がつかない。エイミィさんから事情を聴く前にこの現状に陥ってしまったから。
闇の書の話によるとこれまでも同じような最期を迎えているらしい。確かにクロノさんたちからは、魔力が暴走することは聞いていたが、主ごととは聞いていなかった。意図的に伏せられた? ならば、クロノさんたちは最初からはやてちゃんごと封印するつもりだった?
一度疑うときりがない。ひとまず管理局側の意図は隅において、僕とはやてちゃんがここから脱出する方法を考えなければならない。
僕のすがるように表情に何かを感じたのか、闇の書は目を閉じ、やや逡巡した後にゆっくりと口を開いた。
「確かに、今回は少年がこの空間で意識を保っていたり、主の意識が覚醒していることもあり、今までとは異なる部分もある。そこを利用すれば、もしかすれば状況を改善できる可能性もあるかもしれない。だが、少年よ、今回に限っては、私は足掻くつもりはないのだ。このまま、闇の書は主とともに終焉を迎える」
「なぜですか!?」
闇の書の言葉を途中まで聞いて、僕は少しだけ歓喜していただけに最後の言葉に突き落とされたような感覚に襲われた。希望を見せられたのに、その希望を目の前で摘み取られたようだ。
「主がそれを望んでいるからだ」
「はやてちゃんが?」
なぜ? とは聞かない。なぜなら、僕には心当たりがあったからだ。あの時、あの屋上で聞かされたクロノさんの言葉。僕は蒐集の衝撃で動けなかったから何も否定はできなかった。
つまり、はやてちゃんが、クロノさんの言葉をそのまま信じ
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