その一
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。
「ちょっと、よろしくて?」
織斑くんに声をかけたのはイギリスから来たセシリア・オルコットさん。
IS学園の入試で主席、その上イギリス代表候補生。
きっと専用機を持っているんだろう。
金色の長い髪は緩くカールがかかっていて、しかもモデルさんじゃないかと思えるほどの美人さん。
日本人にはない肌の白さに青い瞳が映えていた。
織斑くんとオルコットさんの話を聞いていると、どうも織斑くんがオルコットさんのことを知らなかったのが気に入らないらしい。
いくらオルコットさんがイギリスの代表候補生だからといったって、IS好き――というか、IS操縦者の女子に興味がある男子でもなければ知らなくても不思議じゃない。
織斑くんの「代表候補生って何?」という言動から考えれば、今までISに興味がなかったんじゃないかな? だったらオルコットさんのことを知らなくても当然だと私は思う。
そうこうしている間に三時間目の授業開始のチャイムが鳴った。
三時間目の授業を始める前にまずしたことは、再来週行われるクラス対抗戦に出る代表者を決めることだった。
織斑先生が言うには、クラス対抗戦に出るということはクラス委員を兼ねるという意味らしい。
生徒会の開く会議や委員会への出席もしないといけないから一度クラス委員を決めたら一年間はそのままだそうだ。
一年一組のクラス代表に最初に推薦されたのは織斑くんだ。
推薦された当の本人である織斑くんは不満そうにしていたが、このクラスにせっかく男子がいるんだから私もそれがいいと思う。
「では、候補生は織斑一夏……他にはいないか?」
この織斑先生の言葉に声を荒げ、織斑くんがクラス代表なのは不満だと表明した人物がいた。
それは誰あろう、オルコットさんだ。
聞けば、クラス代表は実力トップがなるべきだといっている。
それは確かにそうかも知れないけど……っていうか、このクラスの実力トップはオルコットさんなんだよね。
だったら、織斑くんに突っかからずに自分がクラス代表になるって言えばいいのに。
オルコットさんってもしかしてあれかな? 気になる相手にイジワルしてしまうようなタイプなのかもしれない。
ここで私は考えてみる。
私がクラス代表に立候補したとしても、神のご加護、奇跡、気まぐれでもなければクラス代表になるのは無理だろう。
だけど、クラス代表になれればクラスのお仕事とか織斑くんに色々手伝ってもらったりして自然にお近づきになれるチャンスだよね。
だったら私も……クラス代表に立候補しようかな。
「織斑先生」
「何だ、相川」
「私もクラス代表に立候補しまーす」
クラスメイトの視
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