アカデミー編
陰陽
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品質はいい。賞味期限が近いと言っていたが、そこまで近くはないはずだ。腐りかけでもない。
何故この人は、こんなにも優しいのだろうか。
カトナは知っている。
ナルトの中に眠る九尾が、この人の両親を殺したことを。
カトナは知っている。
この人だって、最初はカトナのことを嫌っていたという事を。
なのになぜ、優しくするのだろうか。教師だからか。先生だからか。
聞いてみようかと、カトナはイルカの背中を見つめる。
九尾に背中を晒すなんて、不用心だと言われてるのに、直そうともしない。
囁き声も聞こえているはずだ。なのに、見向きもしない。
なんでですか。そう問えば、この人は答えるのだろうか。
さっきみたいに、勉強だって見てくれたように、答えを教えてくれるか。
…本当は分かっている。ここまで自問自答する理由は必要ないのだ。
ナルトがこの人を好いてる、その理由だけでいいのだ。なのに、好きになれない。
…自分だって、この人を好きになりたい。
それでもだめだ、それでも信頼できない、好きになりきれない。
この人が本当のことを言っているかわからなくて、それでも優しくしていてくれるのに信頼できない自分が嫌になって、カトナは死にたくなった。
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