全国10カ所の妖気
東方変形葉45話「終結、少年の過去話」
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かるんじゃないの〜?」
「・・・ぼちぼちかな。でも、ちょっとぐらいは払ってもらうからね。でないと、せっかく帰ってきたのに金欠なんていう悲しいことが起きるから。」
心の中ではっきり言おう。実は儲かってる。人形って意外と高く売れるらしく、売上金額の一部だけでも一般の平均年収の3倍ぐらいある。だけどそんなことを言ったらきっと宴会のたびに食費をすべてを任せられてしまうので控える。
「とにかく、今日一日は安静に過ごしなさい。あとこれ。」
「・・・ぶどう酢?」
紫がスキマから一本の瓶を取り出した。そこにはぶどう酢と書かれている。
「これをつかれた時に薄めて飲みなさい。そうすれば疲れが吹っ飛ぶわよ。」
「そーなのかー。ありがとう、紫。」
酢ってことはクエン酸がたくさん含まれているのか。クエン酸が疲れを飛ばすんだっけ?風邪にもよさそうだ。
「さあ早く寝て寝て!」
抱えていた姫雪が体をこちらに向きを変え、さらに人形たちも加わり、3人が強引に布団に押し倒した。すると、すぐに深い眠りの中へともぐりこんだ。
「たまに、あの子が私よりも年下だっていうことを忘れちゃうわね。」
「あら、それは自分の精神年齢の幼さを自覚したいたぁっ!」
私がつぶやくと、なんか紫がおかしなことを言ったので御札で黙らせる。
「いたた・・・。まあ、育ってきた環境がほんの少し違うだけよ。」
「?どういうことよ。」
「教えてあげる。あの子の過去を。」
あるところに、一人の赤ん坊が生まれました。ごく普通な家のその子は、とても元気がよく、すくすくと育って行きました。
あるとき、3歳の幼い少年がおもちゃで遊んでいました。すると、そのおもちゃが原型をとどめないほどに変化してしまいました。その瞬間を偶然、その子の両親が見ていました。幻覚かと2人は思いましたが、同じようなことが何度も起こりました。
両親は、その子をあまり外に出さないようにしました。素直で単純で無垢な幼い少年は両親が自分を少しさけているような感じを受け、とてもショックを受けました。親が見せる優しい笑顔も、実は猫をかぶっているだけだと幼い少年はわかっていたのです。
少年は必死に考えました。とても小さく、そして知識のほとんどない頭で。そして数年後、あることがきっかけにある結論に至りました。
あることとは、少年が幼稚園・・・あ、霊夢には分からないか。幼児の寺子屋みたいなところのことよ。そこに通い始めた数ヶ月後のことです。少年がおもちゃを手に取り、仲良くなった子と遊んでいました。すると、突然そのおもちゃが原型をとどめないほどにぐにゃぐにゃになってしまいました。それに驚いた子たちは、すぐさま少年から遠ざかりました。
このとき、少年は全てが分かったのです。自分には恐ろしい力があるということが。それはいつか人を傷
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