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問題児たちが異世界から来るそうですよ?  〜無形物を統べるもの〜
王と女王 A
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・・・と考えてしまいます。」
「・・・俺みたいな外道には、説得とか一番向いてないと思うんだけど。」

一輝はそう言いながら頭をガシガシと掻き日本刀を倉庫にしまって身軽になる。

「そんなことはないですよ。今の音央ちゃんに必要なのは、無茶苦茶な理屈と、それをなせてしまいそうな・・・そんな人ですから。」
「つまり、感情的になって勝手に理屈を押し付ける、俺みたいなやつが最適ってことですね。」
「はい、そう言う事です。私は、一輝さんのそういうところ、好きですよ?」
「そいつはどうも。・・・やる気出てきた。」

二人の表情が覚悟を決めたものになると、パックもまたシルクハットを抑えながら杖を構えた。

「・・・一瞬、あいつの注意を俺から外してくれ。その隙に奥まで走る。」
「分かりました。3秒後に。・・・三・・・二・・・一・・・行きます!」

鳴央が小さく行っていたカウントが終わると同時に一輝は走り出し、鳴央はパックに向けて奈落落とし(アビスフォール)の球体を放つ。
そして、パックがその球体を危険なものとして判断し、杖の先からあふれ出た闇をもって対処していると・・・一輝はその隙に、天井を(・・・)走って進む。

「おや、ギフトの使えない人間にしては面白いことをしますね。ですが、」
「鬼道流体術、圧砲!」

パックは床に降りた一輝に杖を向けるが、純粋に放たれた拳圧を正面からくらって倒れ、一輝はそれを見届けもしないで・・・後の体力分配も考えて、軽く時速六十キロで走り出す。

「おやおや・・・あれで本当に、ギフトを封じられているのですかね?」
「ええ、封じられていますよ。そうでなければ・・・貴方は出会った瞬間に殺されています。」

そう言いながら、鳴央は自分の周りに黒い球体を漂わせる。

「おやおや、それはこわい。わたくしめとしましても、そう何もできずに死んでしまうのでは主に顔向けできませんから。」
「そうですか。では、顔向けできませんね。・・・私、珍しく心から怒っているんです。」

そう言った瞬間に、鳴央の周りの球体の数は倍にまで増える。

「なので、ちょっと八つ当たりをさせてもらいますね。」

そう言った鳴央の表情は・・・とても、怖いものだった。

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