暁 〜小説投稿サイト〜
機動6課副部隊長の憂鬱な日々
番外編
番外編5:ある執務官の恋愛事情
第1話
[7/9]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
やる・・・」

バルディッシュを握るフェイトの手が1本になったことで多少の余裕を得たのは
ブーメランブレードでフェイトと鍔迫り合いをするセッテである。
だがその視線は、フェイトではなくそのずっと後方に向けられていた。

「・・・スローターアームズ」

小声でつぶやくように発せられたその声はフェイトの耳に届くことはなかった。
直後、先だって投擲された2本のブーメランブレードが、突き刺さっていた
洞窟の側壁から抜けて、3人の方に向かって動き始める。
徐々に加速しながらブレードはフェイトの背中へと迫る。

《Sir!》

「なっ・・・!!」

バルディッシュからの警告で自らに迫る危機を察知したフェイトは
一瞬顔をしかめると、バルディッシュを握る右手に力を込め、
力任せにセッテとの鍔迫り合いを押し切る。

「うっ・・・」

セッテが弾き飛ばされ、トーレとの1対1の状況となる。
フェイトはトーレのブレードを受けている左腕を押し出して、ほんの少しだけ
間合いを広げると、次の瞬間には左腕を引きつつ身体全体をトーレから少し離して
一気に間合いを広げた。

そして、バルディッシュを両手で握ると自らに向かってくるトーレに向き直る。
トーレは自らの右手でフェイトの顔面を殴りつけるように腕を伸ばし、
ブレードをフェイトに向ける。

眼前に迫ったブレードをバルディッシュの刃が受け止める。
受け止めた側のフェイトはセッテを弾き飛ばした時と同様に
力任せにトーレの刃を押し返しつつ、バルディッシュを振った。

「くそっ!」

セッテと同じく勢いよく飛ばされたトーレはその速度を地面に足をつけて殺すと、
セッテの側へと飛んだ。
その表情は苦々しく、フェイトの方を恨めしげに睨みつけていた。

そこに、パチパチという拍手の音が響く。

「さすがだね、フェイト・テスタロッサ。 それともフェイト・ハラオウンと
 呼んだ方がいいのかな? まあどちらにせよ、この2人を同時に相手にして
 互角に切り結ぶとはね。いや、さすがだよ」

叩いていた手と歩みを止めると、スカリエッティはフェイトの方をじっと見据える。

「だが、せっかくの祭りを邪魔されるのは少々癪に障るんだよ。
 いくら温厚な私といってもね」

「祭り・・・だと?」

フェイトは小さく呟くとスカリエッティを睨みつけた。

「ふざけるな! 多くの人を傷つけ、社会を混乱させておいて何が祭りだ!
 今すぐにお前を拘束してやる!!」

怒りをあらわにして今にも飛びかからんばかりの勢いで叫ぶフェイト。
だが、スカリエッティは飄々とそれを受け止める。
そして口元に笑みを浮かべると、首を左右に振った。

「違う、違うねそれは。 君が怒って
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ