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機動6課副部隊長の憂鬱な日々
番外編
番外編5:ある執務官の恋愛事情
第1話
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また洞窟を奥へと向かって走り始める。

その後5回ほど同じような戦闘を繰り返しつつ、1時間ほどが過ぎた時だった。

《マスター!》

自らを呼ぶインヴィンシブルの鋭い声に、シンクレアは足を止めた。

「どうした!?」

《この先に大きな魔力反応がいくつかあります》

「パターン分析はできるかい?」

《はい・・・・・。 1つはハラオウン執務官ですね。
 他は・・・・・、戦闘機人の反応に酷似しています!!》
 
「ってことは戦闘か・・・」

《恐らくは》

「うーん・・・・・」

シンクレアは俯いて考え込む。
ややあって、顔をあげたシンクレアの服がバリアジャケットから制服へと変わった。

《マスター。 なぜモードリリースを?》

待機状態であるブレスレットとなったインヴィンシブルが訝しげな声をあげる。

「手遅れかもしれないけど、魔力反応を消そうと思ってね。
 すでにフェイトさんと敵が戦闘状態にあるのなら、俺の存在を隠すことは
 ひとつのカードになると思うんだ」
 
《なるほど》

シンクレアの考えを聞いたインヴィンシブルは感心したような声をあげる。

「ただ、戦闘に入っている可能性が高いことと、俺の存在が既に敵にバレてる
 可能性がある以上、敵の攻撃にすぐ対応できるようにする必要があるから
 その準備だけは頼むよ、インヴィンシブル」

《了解しました》

インヴィンシブルの返答を聞き終えたシンクレアは、息を殺して物音を立てぬように
細心の注意を払いながら、戦闘が行われているであろう前方へとゆっくりと進んだ。





一方のフェイトであるが、こちらも何度かのガジェットとの戦闘を幾度か繰り返し、
洞窟を奥へと進んでいった。
しばらく進むと、奥の方がぼんやりと明るくなっているのが見えた。
フェイトはわずかに目を細めて顔をしかめると、歩調を速めて前に進む。
明るくなっているところが近づくに従って、フェイトは緊張の度を深める。
やがて、その場所では洞窟の幅が広くなっていることが判ってくる。

フェイトがその空間に出ると3人の人影がそこにはあった。
うち一人は白衣を羽織っていて、なによりも何度も写真を見た人物で
フェイトはすぐにそれが誰かを判別することができた。

「ジェイル・スカリエッティ・・・・・」

小さく呟くような声ではあったが、周囲は静まり返り洞窟内部の反響もあって
彼らの耳に届いたのかフェイトの方を振り返る。

「君か・・・。フェイト・テスタロッサ」

フェイトの姿を見たスカリエッティは落ち着きはらった態度で言う。

「ドクター、お下がりください」

「何を言っているんだい、トーレ。
 せっかくこんなところまで
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