暁 〜小説投稿サイト〜
機動6課副部隊長の憂鬱な日々
番外編
番外編5:ある執務官の恋愛事情
第1話
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目を閉じて考え込んだ。

(道は二つ、私たちは二人。 こういう探索任務では単独行動は厳禁。
 ということは、とるべき道はひとつ。
 二人でひとつずつ探索する、なんだけど・・・・・)

無言で目を閉じるフェイトの眉間に深いしわが寄る。

(このアジトがどれだけ広いのか判らない上に、2時間半の時間制限付き。
 悠長にはしていられない・・・)

そして再び目を開けたフェイトの顔には険しい表情が浮かんでいた。

「シンクレア」

フェイトのどこか張りつめたような口調で名前を呼ばれ、
シンクレアは背筋を伸ばした。

「ここから先はそれぞれ単独行動で探索を継続しようと思うんだけど、どうかな?」

「それは、2つの道を順番に探索していたのでは時間が足りなくなる
 という懸念からですね?」

「うん。そう」

「今回の場合はやむを得ないと思いますよ。 時間が勝負ですからね」

「そっか。 じゃあ私は真ん中を行くから、シンクレアは左側をお願い」

「わかりました。 フェイトさんよりも実力のない俺が言うのも変ですけど、
 気をつけて」

シンクレアが些か照れくさそうに言うと、フェイトは微笑を浮かべて
首を横に振った。

「そんなことないよ。 ありがとう、シンクレア。 シンクレアこそ気をつけてね」

「はい。 それでは」

「うん。 またあとで」

2人は頷き合い、それぞれが担当する道へと進んでいった。





分かれ道を左に進んだシンクレア。
奥へと向かって走る彼の前にガジェットの群れが現れる。

「ちっ・・・急いでるってのに! インヴィンシブル。 
 AMFCの効果を最大限に生かすために近接モードで行くよ」

《了解です、マスター》

インヴィンシブルがシンクレアの声に応え、その先端に魔力の刃を作りだす。
一方、シンクレアはAMFC発生装置を取り出しカートリッジをセットする。

《マスター、AMFCの起動を確認しました》

「よし。 じゃあ5分でカタを付けるよ!」

自らを鼓舞するように殊更大きな声を出すと、シンクレアはガジェットの群れへと
飛び込んでいく。

もともと、身分偽装をして6課にやってきたシンクレアには、A+ランクの
魔導師でありながら能力リミッタはかかっていない。
その上、AMFCの力でAMFを打ち消しフルスペックの魔法を得ている
シンクレアにとって、1機1機のガジェットは大した脅威にはならない。

シンクレアがインヴィンシブルを振るうたびに、ガジェットの機体が
切り裂かれて爆散していく。
結局、当初宣言していた5分を要することなく20機ほどのガジェットを屠った。

「ふぅ・・・。さて、急がないとな」

そして
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