第八話
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?それが一体どうしたってんだ?
「その時にな……あいつの体から黒い霧のような物が出てるのを偶然見たんだ」
黒い霧のような物……それって……
「まさか……アザゼルはヴァーリにこの世ならざるものが宿ってるって言いたいのか?」
「ああ、その可能性はあると思ってな……一応だ、一応。これに対応出きるのは今の所、お前だけなんでな」
この世ならざるもの……まだ、こっちの世界に残っていたのか……完全に道は閉ざした筈なんだけどな……。
「お前の考えてる事はわかってらぁ……それでも、万が一という事もあるだろう?」
「そうだな……わかった、警戒はしとくよ。話はそれだけか?」
「ああ、すまんな。お前のような子供に責任を押し付けるような形になっちまって……」
アザゼルさんは悔しそうに歯軋りする。
「大丈夫ですよ。適材適所って言葉があるでしょ?俺にできる事なら俺がやる、ただそれだけですよ。それじゃ」
俺はそう言って部屋を出て行った。
「違うんだよ……お前みたいな子供に責任を押し付けないといけない俺ら大人が悪いんだよ……お前にばっかり責任を押し付けちまうようなこの世界にも嫌気がさしてくるんだよ……」
そんなつぶやきは俺には届かなかった。
今日は授業参観。その少し前にゼノヴィアは無事学園に入る事が出来た。
最初の頃は戸惑いなどもあったようだが今となっては皆の輪の中に溶け込んでいる。
そして朝、校門の前にやってくると……そこには銀髪の美女が立っていた。
「一誠君……だよね?」
「?ああ……君は?」
「ヴァーリ…といえばわかるかい?」
ヴァーリ……白龍皇か。
「それで?ヴァーリがなんで校門の前にいるんだ?」
「この間からアルビオンが「ドライグに会わせて!」ってうるさくてね……失礼だとは思うんだけど……」
「ああ、いや。いいよ……それで、俺がドライグを宿してるって誰にも言ってないだろうな?」
「?うん、誰にも言ってないけど……なんで、そんなに隠したがるの?」
「いや、一度ドライグのせいで痛い目をみたからさ……」
ドライグの力に飲まれてしまった時の事を思い出す……ドライグ本人の意思ではないにしろ、一度はドラゴンの力に飲まれてしまったのだ。
その怖さは誰よりもよくわかっている。
「それでさ……アルビオンが早く早くって言ってるから……また、いい?」
「いや、いいんだけど……」
俺はちらりと後ろを見る。
「「「「「「………………」」」」」」
無言でこっちを見つめる六つの視線を感じるんだよ……。
「それじゃ、はいっ」
そう言っ
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